近鉄大阪難波駅から伊賀神戸駅へ。ここからは伊賀鉄道に乗り換え。松本零士氏がデザインした忍者のラッピング電車も走っており、気分を盛り上げてくれます。
終点の上野市駅に降りると、いたるところに忍者が。駅前広場では、芭蕉の銅像も迎えてくれます。そういえば「芭蕉、忍者説」なるものを聞いたことがありますが、芭蕉生誕の地が伊賀忍者のまちだということを考えると、その説にも納得です。
電車を降りると忍者がいっぱい
案内板でも忍者がお出迎え
伊賀上野城に向かう途中、上野公園には、伊賀流忍者博物館や俳聖殿などの施設が建っています。
忍者博物館は、伊賀の土豪屋敷を上野公園内に移築したもので外観は何の変哲もないごく普通の茅葺きの農家ですが、屋敷のあちこちに、ドンデン返し、仕掛け戸、もの隠しなど、防衛のための仕掛がほどこされています。「忍術体験広場」や、本物の忍具の展示・忍術の体験ができる「忍術体験館・忍者伝承館」、忍者オリジナルグッズ売店「NINJA坊」があるほか忍者ショーも開催されており、大人から子供まで人気があります。
http://www.iganinja.jp/museum.html
伊賀流忍者博物館
中は仕掛がいっぱい
公園の中でひときわ目をひく、独特の形をした俳聖殿は、松尾芭蕉の生誕300年を記念して昭和17年(1942)に建てられた下層八角形、上層円形の木造の建物で、丸い屋根は旅笠、「俳聖殿」の木額が顔、八角形のひさしは蓑と衣姿、堂は脚部、回廊の柱は杖と足など、芭蕉の旅姿を表したものとか。堂内には、芭蕉の等身大の伊賀焼の坐像が安置されています。毎年10月12日の芭蕉翁の命日に行われる『芭蕉祭』でのみ公開されます。
俳聖殿
藤堂高虎が築いた名城
伊賀上野城
そびえたつ石垣
俳聖殿からお城へ。なんとも登りにくい石段は、往時のままのものとか。簡単に天守閣へと行けないように工夫されています。
白亜の天守は、昭和10年復興の木造三層。 城内には藤堂藩ゆかりの武具や文化産業資料が展示されています。
伊賀上野城は、1608年、築城の名手といわれた藤堂高虎が伊勢国津藩の藩主となって建てたもの。五層の天守閣は、慶長17年(1612)の大暴風で倒壊しました。現存する天守閣は昭和10年、三重県から衆議院議員に11回当選、その生涯を通じて特に史跡保存、自然保護に尽力した川崎克氏によって復元されたものですが、石垣と内堀は高虎が築城した当時のままです。
伊賀上野城の見所はなんといってもお城の西側にある高石垣。「井楼積み(せいろうつみ)」という工法で積まれた高石垣は水面からの高さが30mにおよび、上からの眺望はなかなかの見応えです。この石垣の草刈は、毎年、自衛隊員が訓練を兼ねてされているとか。なるほど、普通の人ではちょっと怖くて行けない場所です。
城下町を歩く
まちかど博物館
駅の反対側に向かうと商店街があり、名物の堅いおせんべい“かたやき”なども買うことができます。「伊賀の名物は何ですか?」と尋ねたところ、「伊賀牛」やここ毎年「特A」をとっているという「伊賀米」そして「養肝漬」。これは、伊賀盆地特産の白瓜の芯を抜き、その中にしそ、生姜、大根、胡瓜等を細かく刻んだ物を詰め、たまり醤油に漬けたもので、ご飯のお友にぴったりです。
まちを歩くと、家の軒先にある「まちかど博物館」(
http://www.iga.ne.jp/~matikado-hakubutukan/)の看板が目をひきます。個人のコレクションや伝統の技、手仕事など、仕事場の一角や個人のお宅の一部を「博物館」として見学することができる施設です(要予約箇所有り)。「古時計再生工房」(澤田時計店)や「忍者かたやき博物館」(小澤製菓)など本職の技を公開しているお店やレトロな電気製品を集めた「昭和ハウス」、「伊賀焼ビー泥館」、「おじいさんの古いもの博物館」など個性豊かな博物館が旅に楽しさを加えてくれます。
色々な施設が集まる上野公園一帯だけでなく、商店街へも足を運ぶと、また違った魅力が見えてきます。
■周辺の見所
だんじり会館
毎年10月23日から25日(本祭)にかけて開催される「上野天神祭」は400年の歴史をもつ伝統の祭事。忍者のまちに、この期間は多種多様な鬼が現れます。神輿行列に続いて、百数十体の鬼たちが練り歩き、その後を絢爛豪華に飾られた9基のだんじりが続きます。
だんじり会館では、だんじり3基と鬼行列が紹介され、三面マルチスクリーンのハイビジョン映像で臨場感あふれる映像と音響が体感できます。
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■伊賀市へのアクセス
情報提供/歴史街道推進協議会