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歴史コラム

Presented by 歴史街道推進協議会歴史街道

第13回 古墳と町人文化のまち・堺を歩く(大阪府堺市)

街中の古墳めぐり


堺市役所高層館21階展望ロビーからの風景

仁徳天皇陵古墳
クフ王のピラミッド、秦の始皇帝陵とならぶ世界最大規模の墓の一つで、日本最大の前方後円墳として知られる仁徳天皇陵古墳(大仙古墳)があるまち・堺。
全周2.8キロの周遊路でその巨大さを十分に実感することができますが、御陵の大きさや点在する墳墓を見るには、堺市役所高層館21階展望ロビーがお薦めのポイントです。
また、JR三国ヶ丘駅の近く、国道360号に架かる榎歩道橋の上は、仁徳天皇陵、反正天皇陵・履中天皇陵の百舌鳥三陵を一望できるビューポイント。
ぐるっと主要な古墳を見て回るには、JR・南海高野線「三国ヶ丘駅」から仁徳天皇陵、履中天皇陵、いたすけ古墳、ニサンザイ古墳などをまわり、百舌鳥駅へとたどるコースがお薦め。散策の前に、大仙公園内にある堺市博物館に立ち寄り、遺跡から出土した考古資料・史跡資料や、上空からの航空写真などの展示をみておくと古墳の全体像が良くわかります。
堺観光ボランティア協会のガイドに案内を頼むと、歩くだけでは気がつかないポイントを案内していただけますので、ご活用ください。
http://www.nposakai.org/guide/spot.html

町人文化が花開いたまちを歩く


千利休ゆかりの南宗寺

国の天然記念物の蘇鉄で有名な妙國寺

山口家住宅(重要文化財)
大王たちが眠る堺のまちは、戦国時代、対明貿易や南蛮貿易など海外との交流拠点として、世界でも珍しい環濠都市を形成、自治都市として繁栄しました。城山三郎の小説「黄金の日日」では、自由都市・堺を舞台に、主人公・納屋助左衛門が商人として成功していくさまが描かれています。
仁徳天皇陵の拝所前から「御陵通」を西北西へ約2km。阪堺電鉄の御陵前駅あたりが、往時の面影をとどめる旧市街地の南端です。大坂夏の陣で焼失後、沢庵和尚により再建された南宗寺。境内には国指定名勝の枯山水の庭、国指定重要文化財の仏殿・山門・唐門、千家一門の供養塔、千利休ごのみの茶室実相庵などがあります。豪商・納屋助左衛門ゆかりの大安寺から阪堺電気鉄道沿いに北へ。宿院駅近くまで来ると、茶道千家の始祖であり、茶聖と呼ばれる千利休の屋敷跡。さらに北へ妙国寺前駅付近では、樹齢千年を超える国の天然記念物の蘇鉄で有名な妙國寺、神明町付近には、江戸前期の建物で、町衆の暮らしぶりを思い起こさせる山口家住宅(重要文化財)など、豪商達が集い自治を行った町人文化のまちを散策できます。

堺の新しい拠点「さかい利晶の杜」


さかい利晶の杜
堺のまちで、織田信長、豊臣秀吉ともに大きく影響を与えた人物が、茶人・千利休(号は宗易(そうえき))です。信長は豊かな財力をもつ堺を直轄地とし、商人から軍資金を出させ、鉄砲の供給地としました。また、許可した家臣にのみ茶会の開催を許し、茶道具の名品を武功の褒美として与えるなど、茶道を政治にも利用していきます。  
信長に重用された利休は、秀吉をはじめとした家臣からも一目おかれていきます。本能寺の変で信長が亡くなった後、信長以上に茶の湯に熱心だった秀吉のもとで茶頭として仕えながら、茶道を大成。史上最大の茶会と言われる「北野大茶湯」を取り仕切ります。後年、秀吉の怒りにふれ、自刃。六十九歳の生涯を閉じました。
堺市堺区宿院町にある「さかい利晶の杜(堺市文化観光拠点)」は、堺ゆかりの千利休と与謝野晶子をテーマに、堺の町の歴史を紹介する施設。
千利休茶の湯館では、千利休と茶の湯について、「利休と堺」・「茶の湯」・「利休の生涯」の3コーナーに分けて展示、紹介しているほか、本格的な茶室から気軽に楽しめる立礼まで茶道体験を楽しむことができます。また、与謝野晶子記念館では、歌人与謝野晶子の本の装丁や生家・駿河屋の店先が実物大で再現されています。
http://www.sakai-rishonomori.com/

堺は和菓子めぐりもお薦め

茶の湯文化に華を添える和菓子。中世、南蛮から砂糖が伝来し、堺の和菓子産業は隆盛を極めます。今も受け継がれた銘菓を販売するお店が町のあちこちにあります。
1329年創業の「かん袋」(阪堺電鉄「寺地町」近く)は創業以来27代続く老舗。屋号は豊臣秀吉が命名したといわれ、餅を餡でくるんで食べる「くるみ餅」は逸品。夏にはしゃりしゃりの氷をかけた「氷くるみ餅」を店内で味わう人でにぎわいます。
利休も愛したと言われる芥子餅は、南蛮渡来の芥子やニッキを使った和菓子。宿院駅から近くの本家・小嶋(販売のみ)、小島屋では代々受け継がれたけし餅を味わえます。
http://www.sakai-tcb.or.jp/souvenir/wagashi/
まち歩きに疲れたら、和菓子はいかがですか?

■周辺の見所
自転車博物館
堺は、自転車のまち。仁徳天皇陵造営時の時から堺のまちに集まった鍛冶屋職人など金属加工技術は、鉄砲づくりから刃物、そして自転車づくりへとつながっていきました。
大仙公園内にある自転車博物館には、世界最古の自転車から最新のオリンピック出場車まで約50台が展示されています。
http://www.bikemuse.jp/
■堺の情報はこちらから
堺観光コンベンション協会
http://www.sakai-tcb.or.jp/index2.php
■堺へのアクセス
http://www.sakai-tcb.or.jp/access.html
大阪(南海難波駅)から約10分
情報提供/歴史街道推進協議会
歴史街道のイベント
五感で体感!にほん文化シリーズ VOL.22 第六感「あやしい話は面白い〜四天王寺から安倍晴明の故地へ〜」
8月9日(日)9:30〜16:00頃

「五感」(味覚、嗅覚、視覚、聴覚、触覚)プラス第六感をテーマに、「セミナー」と「現地体験」で日本文化の魅力を体感していただきます。 シリーズ22弾は「第六感」。四天王寺、小栗判官、西に沈む太陽、狐の話、真田幸村、そして安倍晴明。大阪市内の伝説の地を廻って、古代から江戸時代に至るフシギ話を追いかけませんか。
講師・ナビゲータ:榎村寛之氏(三重県立斎宮歴史博物館学芸普及課長)

行 程:徒歩約6km 四天王寺〜天王寺界隈
集 合:9:30
日 時:8月9日(日)9:30〜16:00頃
受講料:歴史街道倶楽部会員 8,424円 一般 10,044円
定 員:40名
詳しくは⇒ http://www.rekishikaido.gr.jp/gokan.pdf

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