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歴史コラム

Presented by 歴史街道推進協議会歴史街道

第21回 歴史と自然を感じて・・琵琶湖畔散策(滋賀県大津市)

日本三代名橋・瀬田唐橋

京都駅から約15分。JR石山駅と京阪石山駅をつなぐ陸橋では松尾芭蕉の銅像が出迎えてくれます。松尾芭蕉は、「野ざらし紀行」の旅で大津を訪れています。『から崎の松は花より朧にて』はその時に読まれた句。美しい景観を気に入った芭蕉はその後、たびたび大津を訪れ全発句の約1割にあたる89句をこの地で詠んだとか。
石山駅から徒歩約10分。近江八景「瀬田の夕照」にも描かれた唐橋は、古くは日本書紀にもその記述があり、日本三古橋また、三名橋(諸説あります)の一つしても有名な長橋です。
「唐橋を制するものは天下を制する」といわれるほど、京都の喉元を握る交通・軍事の要衝であり、『壬申の乱』をはじめ、『寿永の乱』、『承久の乱』、『建武の乱』など何度も戦乱の舞台となってきました。
野洲川、日野川、愛知川等、数多くの河川が琵琶湖へと流れていますが、実は流れ出す川は瀬田川一本だけ。橋から川下を見ると、河畔の土手に武者の絵が。これは平将門の乱を鎮めた「俵藤太」が唐橋の川底にある竜宮の乙姫の願いで、三上山(近江富士)に棲む大ムカデを退治した伝説を絵にしたもの。橋のたもとには、俵藤太と乙姫の霊を祀る龍王宮秀郷社があります。



芭蕉翁像

瀬田唐橋

龍王宮秀郷社

瀬田川

源氏物語ゆかりの石山寺


石山寺門前

緩やかな川の流れを見ながら河畔を下っていくと、ほどなく西国三十三所、第十三番札所で紫式部ゆかりの石山寺があります。紫式部が参籠し、『源氏物語』を書きはじめたといわれ、源氏物語ファンならば、是非訪れてみたい寺院です。
奈良時代後期に、聖武天皇の発願により、良弁によって開かれた寺院で、堂々とした造りの東大門をぬけると、春には桜、霧島つつじ、秋には紅葉で美しく彩られる参道が、まっすぐに伸びています。本堂へと階段を昇っていくと、寺名の由来となった天然記念物の硅灰石がどっしりとそびえています。国宝の本堂は、巨大な硅灰石の岩盤の上に建つ、滋賀県最古の木造建築物。内陣は平安時代中期の建築で、外陣は、豊臣秀吉の側室・淀君の寄進によるもので、本尊は日本で唯一の勅封の秘仏・如意輪観世音菩薩が安置されています。33年毎の開扉が来年にあたり、3月18日から12月4日までの期間、特別拝観が実施されます。
http://www.ishiyamadera.or.jp/ishiyamadera/gyouji/gokaihi/index.html 
平安時代、皇族や藤原氏を始めとする貴族らの「石山詣」が盛んとなりました。「石山寺縁起絵巻」によると、如意輪観音さまの胎内には聖徳太子の念持仏が納められているとか。参詣した人々は、国家安泰や子孫繁栄を祈りました。現在も、多くの方が訪れ、縁結びや安産を祈っています。


歴史の変遷を見てきた大津城跡


琵琶湖畔

大津港

石山駅から北へ。近江大橋から浜大津までの湖岸一帯は、琵琶湖を背景に、水と緑に親しむことができるなぎさ公園として整備されています。
このあたり一帯は、安土・桃山時代、豊臣秀吉が、坂本城にかわり、家臣浅野長政に、大津城を築かせたところ。現在の浜大津バスターミナルの湖岸側一帯が本丸跡で、今ではわずかに城跡の碑が建っているだけですが、昭和55年には、発掘調査によって、大津祭曳山展示館横の駐車場で外堀の石垣と思われる遺構が発見されています。1601年、城の本丸は彦根城に移築され、その他の部材は膳所城(近江大橋西詰に城跡が残る)として再生されたと言われています。
今は、激しい戦いの跡はなく、美しい琵琶湖と湖の彼方に連なる比良山系を見ながらゆったりとした時間を過ごす場所となっています。


■周辺の見所
柳が崎湖畔公園びわ湖大津館
有馬温泉
琵琶湖に隣接する柳が崎湖畔公園のメイン施設。
1934年、外国人の誘致を目的に建てられた湖国の迎賓館「旧琵琶湖ホテル」で、1998年ホテル移転後は、レストランとイングリッシュガーデンを併設したびわ湖大津館として甦りました。東京歌舞伎座や明治生命館を設計したことで有名な「岡田建築事務所(岡田信一郎創設)」の設計で、鉄筋コンクリート地下1階地上3階建ての建物は桃山様式と呼ばれる和風の外観と洋風の内観のデザインが特徴的です。大津市指定有形文化財に登録されています。館内には歴史街道iセンターが設置されています。
5900㎡にもおよぶ広大な庭園は、バラ100種2000株の他、四季折々の花々が咲く西洋式回遊庭園(12月~2月はメンテナンスのため休園)です。
http://www.biwako-otsukan.jp/
■大津の情報はこちらから
びわ湖大津観光協会
http://www.otsu.or.jp/
■大津へのアクセス
http://www.otsu.or.jp/access
京都駅から大津駅 琵琶湖線(東海道線)で9分
情報提供/歴史街道推進協議会
歴史街道のイベント
歴史街道倶楽部・近畿文化会共同企画
「新春文楽鑑賞会」
平成28年1月22日(金)14:40〜20:30頃

新春恒例となりました国立文楽劇場での文楽鑑賞会。文楽技芸員による解説と実演のあと、 第ニ部「国性爺合戦」の初段から三段目を鑑賞します。

日 時:平成28年1月22日(金)14:40〜20:30頃
集 合:国立文楽劇場(地下鉄堺筋線、近鉄「日本橋」駅7号出口すぐ)
受講料:会員 7,900円  一般 8,400円
申込方法:はがき、FAX、メールに住所・氏名・電話番号を明記のうえお申し込みください。
     〒530−0005 大阪市北区中之島2−2−2・7F 歴史街道「新春文楽A係」
     FAX:06−6223−7234
     e-mail:club-info@rekishikaido.gr.jp
締 切:1月8日(金) 必着

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