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歴史コラム

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第53回 京都祇園界隈を歩く(京都府京都市)

京都・祇園は、舞妓さんが行きかう情緒あふれる街並みで、世界中の観光客が集まる日本を代表するスポット。鴨川と八坂神社のあいだに広がる日本一の「花街(かがい)」を抱え、「コンチキチン」の祇園囃子が奏でられる祇園祭は、大阪の天神祭りと東京の神田祭(山王祭)と並び日本三大祭りにも数えられ、京都の夏の風物詩でもある。京都随一の繁華街・四条河原町も隣接しており、年中人通りは絶えない。

鴨川の納涼床


鴨川に並ぶ納涼床

京阪電車の祇園四条駅を地上に出るとそこは四条大橋の袂。川面を見やると京の夏を彩る鴨川納涼床が目に入る。二条から五条にかけて90軒ほどの店が並び、5月初めから9月末までの期間、薄闇に浮かぶ川面に面した床のもとで、川の流れと川風に涼みながら昼げ・夕げのひとときを楽しむことができる。
豊臣秀吉の三条、五条橋の架け替えなどを経て鴨川の河原が見世物や物売りで賑わうようになり、富裕な商人が見物席を設けたり、茶店ができたりするようになったのが納涼床の始まりといわれ、江戸時代には石垣や堤が整備され、祇園祭の神輿洗いでは見物客で大変賑わったという。「鴨川納涼床」は2007年(平成19年)に地域ブランドとして商標登録されている。

花見小路


祇園花見小路

四条大橋を東に進むと、いかにも祇園らしい風情ある街並みが残る南側の花見小路。
しかし、その風景はいわゆる古の京都ではなくて、比較的新しい京都といえなくもない。それは、元々は四条通北側にあった花街が明治から大正時代にかけて通りの南側に移転させられたことによる。
花見小路の道幅は約8mと周辺のお茶屋が並ぶ道幅と比べて随分広い。この通りに軒を連ねる建物は、いわゆる標準的といわれている「茶屋様式」(2階部分が壁面から60センチ道側に床を張り出して、さらに壁面をつけるという様式)ではなく、主に近代以降の住宅向け町家が店舗用に発展した「塀造茶屋様式」(1階部分の軒先に塀を立て、塀までを室内に取り込んで1 階部分の床面積を増やす様式)と呼ばれる建築スタイルが多い。

花街の変遷


四条通に残る一力

祇園はもともと鎌倉初期に八坂神社の門前町として発達した街。江戸時代になって参詣人が多くなるにつれ茶屋が軒を並べるようになった。江戸時代初期に行われた鴨川の護岸工事により新しくできた土地の活用がきっかけで、四条通沿いとその北側に爆発的に花街が広がる。江戸末期には7百件のお茶屋が立ち並び、芸子さん&舞妓さんは3千人以上と日本有数の超巨大な花街となる。あまりにお茶屋が増えたため分業化が進み、現在のようなお茶屋、置屋、仕出し屋からなる花街のシステムができあがったといわれている。
しかし、1912年(明治45年)に京都市電が開通したことで花街は大きく変わる。市電が走ると四条通は一般市民が行きかうことになるため、花街が正面にあっては風紀上良くないということで四条通に面したお茶屋は営業禁止となり、花街は現在の四条通南側、1873年(明治6年)「社寺上知令」によって政府に没収されていた建仁寺のかつての境内が祇園の組合に払い下げられ、その地に移転させられる。唯一、現在も四条通に面しているお茶屋「一力」は、玄関を四条通りから花見小路側へ付け替えを余儀なくされている。

「祇園」の由来


祇園社と刻まれた石灯篭

四条通の突き当りに鎮座する八坂神社は祇園を象徴するランドマークのひとつであるが、八坂神社という名称自体は明治以降のもの。江戸時代までは祇園社、祇園天神社などと呼ばれていた。
鎌倉時代に建仁寺ができるまで祇園社の境内は約1キロ平方メートル以上にも及んでおり、このエリア一帯が境内であったことが祇園という名の由来となっている。
しかし、明治時代の廃仏毀釈、神仏分離令により、祇園という名前が祇園精舎という仏教寺院を意味していたことから、元々の地名(山城国愛宕郡八坂郷)にちなんで八坂神社に改称する。360年前に建てられた本殿は神仏習合時代の名残で神殿と拝殿が仏殿のようにひとつの建物のなかにあり、境内には今でも祇園社の文字が刻まれた石灯籠が残る。
市電開通の影響は八坂神社西楼門前、「祇園」交差点あたりにも見ることができる。四条通と東大路通に路面電車が開通する際に各道路幅を広げ、電車が互いに衝突することを避けて市電が交差する道路角地を「隅切り」した結果、現在のような広場を思わせる空間が出現したのだ。また、四条通を広げることで八坂神社の正面がズレたため、八坂神社の表門も四条通からまっすぐに見えるように移動させられ、現在のたたずまいとなっている。


八坂神社西楼門前交差点

八坂神社本殿

■京都祇園の観光情報はこちらから
京都観光Navi http://kanko.city.kyoto.lg.jp/
鴨川納涼床情報 http://www.kyoto-yuka.com/
■アクセス

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