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歴史コラム

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第56回 JR神戸駅からハーバーランドを歩く(兵庫県神戸市)

東海道本線と山陽本線の結節点JR神戸駅


JR神戸駅

今年は神戸港開港150年にあたり港神戸が何かと注目をされているが、神戸は鉄道の駅としても日本有数の歴史を誇る。新橋・横浜間に日本初の鉄道が開通したその2年後、1874(明治7)年に国内で二番目の鉄道となる大阪-神戸間の開通に合わせて旧国鉄神戸駅は開業する。
その後、神戸以西の鉄道延長をにらんで駅の拡大が行われ、1889(明治22)年3月に貴賓室を備えた2階建て煉瓦造りの二代目駅舎に生まれ変わる。同年7月には東海道線が全通し、1906(明治39)年山陽鉄道が国有化されることで、神戸駅は東海道線の終点、山陽線の起点という、鉄道主要幹線の接続駅となり全盛を極める。
現在の駅舎は1934(昭和9)年に完成した三代目で、旧国鉄最初の高架駅として、大阪駅や名古屋駅などその後の高架駅の先駆けをなした。戦後、市の中心が東へ移るにつれ、乗降客数の多さや主要駅としての賑やかさは三ノ宮駅に取って代わられることになるが、駅舎は当時としては斬新なもので、駅を支える威風堂々とした円柱や、大時計、円柱の上部にある彫刻、事務室の唐草模様など、駅舎の装飾も玄関口にふさわしい華麗さを放っていた。現在、神戸駅の6番線脇にある東海道本線の終点、山陽本線の起点を示す「0キロポスト」が当時の栄華をしのばせてくれている。
貴賓室は、新幹線の開業によって皇族らのアクセスが新神戸駅(同区)に移り、その機能を失ってからも保存されてきたが、昨年9月、飲食店の客席に姿を変え、130年近い歴史に幕を下ろした。貴賓室としてのシャンデリアや大理石の暖炉、木組みの床板はそのままで在りし日の面影を残している。


JR神戸駅0キロポスト

元貴賓室の客席

神戸御用邸と大津事件


明治天皇御用邸趾の碑

JR神戸駅中央口を南へ出て地下道を通りハーバーランドへ向かう。ハーバーランドは旧国鉄湊川貨物駅の跡地を利用して造られた面積約23haの新たな街で、1985(昭和60)年に着手され、1992(平成4)年に完成した。
商業施設umie立体駐車場前に「明治天皇御用邸趾」の碑が設置されている。この辺り一帯は明治時代、明治天皇の御用邸として使用されていた場所であるが、当時の面影を残す建造物はない。
元々は幕末に長州藩御用達商人の屋敷であったが、西南戦争の時に明治政府の運輸事務所となり、その後、1880(明治13)年から1885(明治18)年までは行在所(あんざいしょ)として使われていた。宮内省は1886(明治19)年に海岸沿いの土地、建物、桟橋一式等を購入し、約4千坪の広大な敷地を御用邸とした。
天皇が外出した時の仮の御所
神戸御用邸は、1891(明治24)年の大津事件により表舞台に出てくる。津田三蔵という滋賀県警の巡査が、ロシアのニコライ二世を切りつけた事件である。5月9日、ロシア帝国ニコライ皇太子は軍艦7隻をひきつれ、アゾバ号で神戸を訪問。御用邸裏桟橋から上陸した皇太子は、生田神社、諏訪山公園、湊川神社などを訪れた後、特別列車で京都へ向かう。その2日後、滋賀県大津を人力車で通過中、警備の巡査にサーベルで切りつけられ負傷する。
大国ロシアとの関係悪化を懸念した明治天皇は、すぐに京都に皇太子を見舞われ、神戸の軍艦に帰る皇太子とともにここに来られた。皇太子が急遽帰国することになり、天皇は御用邸でお別れの宴を開く意向だったが、皇太子は天皇をアゾバ号艦上での食事会に招待する。5月19日、天皇は護衛もつけずロシアの軍艦を訪問、皇太子の招宴に臨まれ、終始非常に友好的な雰囲気のなかで午餐会を終えることができたことでロシアとの関係悪化を免れた。
明治天皇がこの御用邸を利用されたのは行在所の時を含めて9回になる。山陽電鉄の神戸・馬関(現在の下関)間が開通した1901(明治34)年以後、行幸は汽車で行われるようになったため、この御用邸は廃止された。

八時間労働発祥の地神戸


八時間労働発祥地之碑

ハーバーランド一帯は「東川崎町」と呼ばれている。川崎とは河口の海に突き出た所を指し、このあたりは旧湊川の川崎の東側であったから「東川崎」と名付けられた。1886(明治19)年、この地にたまたま川崎正蔵氏が川崎造船所(現川崎重工)を造ったため、人名の川崎と地名の川崎が偶然にも一致することになった。
1919(大正8)年、川崎造船所(現川崎重工業神戸工場)は日本で初めて八時間労働制を採用する。当時の川崎造船所の社長は松方コレクションで知られる松方幸次郎で、彼は欧州外遊の経験を活かした先進的な経営者として名高く、当時十時間労働が当たり前だった日本で、八時間労働が世界の趨勢と判断して、それに踏み切ったのである。
この松方の試みは、結果として八時間労働制を日本の基幹産業に浸透させるきっかけをつくったと評価されている。日本初の八時間労働制発祥地を記念して1993(平成5)年、造船所に近いハーバーランドに「八時間労働発祥地之碑」が兵庫県労働基準連合会によって建てられている。



■観光情報はこちらから
神戸市観光情報 https://www.feel-kobe.jp/

■アクセス
神戸ハーバーランドへのアクセス http://www.harborland.co.jp/access/

情報提供/歴史街道推進協議会
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おすすめスポット スタンプラリー 2017
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