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歴史コラム

Presented by 歴史街道推進協議会歴史街道

第44回 大阪・中之島を訪ねて(大阪府大阪市)

中之島界隈を歩く


日本銀行大阪支店

大阪市中央公会堂

梅田・大阪駅から南へ。中之島・北浜界隈には、江戸から明治、大正と大阪の近代化を象徴する建築が数多く残されているのをご存じですか?
大江橋を渡った西側にあるのが日本銀行大阪支店。旧館は、緑青の色が美しい円屋根を持つレンガと石造りの洋風建築です。明治36年、ベルギーの国立銀行をモデルに建てられました。緑に見える屋根は、三角屋根の部分を除いて青銅板に緑青がかかっているためです。
実はこの建物、事前予約をすると見学することができます。新館の窓口エリアである「営業室」をはじめ、旧館内部の「記念室」や「展示コーナー」、1億円(模擬券)の重さの「体験コーナー」等。記念室は、ドーム型屋根の真下に位置し、かつて貴賓室と呼ばれていた応接室を明治36年建築当時の部材を再利用し復元されたものです。
大川沿いに東へ。大阪市役所を左手に見ながら歩いていくとネオ・ルネッサンス様式の歴史的建築物で、中之島の、そして大阪市のシンボルともいえる大阪市中央公会堂が見えてきます。
この建物は、「義侠の相場師」ともいわれた株式仲買人、岩本栄之助氏の寄付によって建てられました。莫大な私財を投じた岩本氏は、その後相場に失敗。「一度寄付したものを返せというのは大阪商人の恥」と自宅でピストル自殺の道を選び、公会堂の完成を見ることもなく、39歳の若さで亡くなりました。
ネオ・ルネッサンス様式を基調としつつ、バロック的な壮大さを持つ建物。アーチ状の屋根を利用して描いた特別室の天井画・壁画は圧巻です。
堂島川と土佐掘川にはさまれた延長約1.5km、面積10.6haの中之島公園。園内には、約310品種、3700株のバラ園があり、春と秋の年2回、見事な花々を楽しむことができます。
堂々としたライオンの彫刻が特徴の難波橋を南へ。北浜の象徴的存在で円筒形のエントランスホールをもつ大阪証券取引所が、反対側には、近代的なビルに挟まれて、レンガ造りの小さな洋館北浜レトロビルヂングが建っています。ネオ・ルネッサンス様式を基調に、バロック的な壮大さを持つ建物で飲むお茶はどんな味でしょうか。
淀屋橋界隈は、江戸時代の豪商・淀屋の屋敷跡や堂島米市場跡など、商都大阪の中心でした。
また、幕末から明治維新にかけて活躍した多くの人材を輩出した蘭学の私塾「適塾」があるのもこのあたりです。適塾は、蘭学者・医者として知られる緒方洪庵が江戸時代後期に大坂・船場に開いた蘭学の私塾です。緒方洪庵の号である「適々斎」が名の由来で、正式には適々斎塾といい、適々塾とも称されました。幕末から明治維新にかけて活躍した人材を多く輩出し、現在の大阪大学の源流の1つとなりました。
中之島界隈は、来年1月9日まで、「大阪・光の饗宴2016」イルミネーションで彩られます。
http://www.hikari-kyoen.com/



中之島公園

難波橋

北浜レトロビルヂング

適塾


四ツ橋から川口旧居留地へ


四ツ橋モニュメント

難波八百八橋と言われるほど、大阪には多くの橋が架けられていました。
地下鉄「四ツ橋駅」を降り地上へ。四ツ橋交差点のちょうど真ん中あたりに四ツ橋の地名の元となった四つの橋(短くてもちゃんと欄干に「上繁橋」「炭屋橋」「下繁橋」「吉野屋橋」と名前の入った)がモニュメントとして残されています。
四ツ橋から西南に歩いていくと、和光寺があります。大阪の人には「和光寺はどこですか?」と聞くよりも、「あみだ池はどこですか?」と聞くほうがピンとくるようで、境内にあるあみだ池は、上方落語の古典として、桂米朝や桂春団治をはじめとして多くの噺家が高座にのせています。
和光寺は、浄土宗のお寺で、堀江新地掘削の際、智善上人が幕府の命令で建立した尼寺として知られ、智善が堀ったといわれるあみだ池はこのあたりの地名にもなっています。
さらに西へ。北堀江界隈には、かつて旧土佐藩屋敷がありました。土佐藩第6代藩主・山内豊隆が京都の伏見稲荷から稲荷大神を勧請したのが、土佐稲荷神社の起源とか。その後、三菱グループの拠点となり、かつての屋敷の面影は、夜桜の名所としても知られている神社に残されています。
木津川を渡り、北へ。1868年、神戸、東京と同時期に開港・開市した大阪に設置された外国人居留地・川口居留地跡の碑があります。明治元年大阪開港と同時に、この付近約26,000平方メートルに外国人居留地が設けられ、諸外国に競売されました。川口の港の機能低下によって貿易の中心が神戸に移った後、この居留地には学校や教会が残されました。


川口キリスト教会

当時の面影を残しているのが、大正時代に建てられた煉瓦造の川口基督教会。明治2年(1869)に長崎からやってきた米国聖公会宣教師ウィリアムスが英学講義所を開校して、英語による礼拝を始めました。明治14年(1881)教会が設立され、大正9年(1920)に現在の礼拝堂が建設されました。美しいステンドグラス、パイプオルガンをもつこの建物は登録有形文化財です。
普段見慣れた場所も、角度を変えると違った風景が見えてきます。
大阪の町でちょっと昔へ、タイムトリップしてみませんか?


■周辺の見所
大阪城
大阪市の中央からやや東のあたり、緑の中にたたずむ大阪城、秀吉が権力の象徴として築いた巨城は、大坂夏の陣で焼け落ち、徳川家光が再建した天守閣も落雷で再び焼失。現在の天守閣は1931年、多くの市民の寄付によって徳川時代の石垣の上に再建されたものです。内部は、博物館として、重要文化財など貴重な歴史資料を公開しています。
http://www.osakacastle.net/
■大阪市の観光情報はこちらから
大阪観光局 http://www.osaka-info.jp/jp/
■アクセス
JR大阪駅から地下鉄御堂筋線「淀屋橋駅」下車
情報提供/歴史街道推進協議会
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