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歴史コラム

Presented by 歴史街道推進協議会歴史街道

第49回 久美浜から網野、丹後、日本海の魅力を訪ねて(京都府京丹後市)

京都の北部に位置する京丹後市は、平成16年、峰山町、大宮町、網野町、久美浜町、丹後町、弥栄町が合併して誕生しました。豊かな自然景観を誇る山陰海岸ジオパーク(※)の一部であり、日本最古級の製鉄物づくりの遺跡が残る場所です。今回は、日本海側の久美浜、網野、丹後のまちを訪ねます。
※ジオパークとは
科学的に見て特別に重要で貴重な、あるいは美しい化石、岩石、地形、火山、断層、温泉などの地質遺産を複数含む一種の自然公園のこと。

小天橋のある町・久美浜町をめぐる


豪商稲葉本家

京都府と兵庫県の府県境にある久美浜町。日本海と久美浜湾に接し、夏は海水浴、冬は松葉ガニや牡蠣など、海の魅力を五感で堪能することができます。
丹鉄(京都丹後鉄道)久美浜駅。明治の県庁の建物を再現した駅舎を後に、海に向かって歩いていきます。海と見えるのは、日本海ではなく、久美浜湾。砂州により日本海と隔てられた周囲28㎞の潟湖です。駅から徒歩7分のひと際立派な建物は、豪商稲葉本家。織田信長の家臣、稲葉一族の末裔と言われる稲葉本家。明治23年に建てられた母屋の他、離れ「吟松舎(ぎんしょうしゃ)」、長屋門「雛御門(ひなごもん)」と4つの蔵が建っています。吟松舎では、ばら寿司やぼたもちなどが味わえ(有料)、陶芸やお香づくり体験(有料・要予約)ができるほか特産品販売所もあります。
久美浜湾を西の方へと行くと、行基が開いたと言われる如意寺があります。毎年、8月9日に1日お参りすれば、千日のご利益があるといわれる「千日会」が行われます。山門では、鎌倉時代前期の作と伝わる高さ2.4m、松材、寄木造、彩色仕上げの金剛力士像が出迎えます。
この寺はまた、「関西花の寺二十五ヶ所霊場」の第七番札所となっており、1年を通して多くの花木や山野草が花を咲かせます。特に4月中旬には、境内周辺に密生するミツバツツジが満開となり、多くの参拝客で賑わいます。
日本海と久美浜湾を隔てるように発達した砂洲が小天橋です。ここの海水浴場は「日本の水浴場88選」に選ばれており、夕日が浦まで続く約8kmのロングビーチは遠浅で家族で海水浴を楽しむには絶好の場所です。

鳴き砂の町・網野町をめぐる


琴引浜

琴引浜鳴き砂文化館

網野町には夕日ケ浦温泉、木津温泉、八丁浜小浜温泉、丹後はなれ湖温泉、丹後琴引温泉、鳴き砂温泉、麻茂川浦島温泉など天然温泉が点在し、宿泊はもちろん、日帰り温泉を楽しむこともできます。
ここには、2つの伝説ゆかりの場所があります。一つは、静神社。網野町「磯」で禅師の娘として生まれた静御前は、京の地で白拍子となり、源義経に舞姿を見初められました。兄、源頼朝に追われた義経と別れた静御前は故郷の生家跡に庵をつくって住み、20歳余という若さでこの世を去ったとか。静神社には、静御前の木像が飾られています。もう一つが、浦島太郎伝説にまつわる嶋児神社。日本最古の浦島伝説が残る地域として、水江浦嶋子(浦島太郎)祀る神社です。近くには浦島太郎が釣った魚を放したといわれる「釣溜(つんだめ)」があります。
網野町の北東部に位置する、全長1.8kmの白砂青松が続く海岸が琴引浜です。足をするように歩くと、キュッキュッと音が鳴る「鳴き砂」が有名で、「残したい日本の音風景百選」「日本の渚百景」に選ばれています。この鳴き砂を接点として、琴引浜の環境を守ることを目的に建てられたのが琴引浜鳴き砂文化館です。財団法人日本ナショナルトラストが整備を進めるヘリテイジセンターとして造られました。鳴砂のすべてがわかる体験型の施設で、砂と石英、微小貝を顕微鏡で見ることができます。また、砂は湿ると音がしませんが、文化館の体験コーナーなら天気と関係なく、鳴砂の音色が楽しめます。

日本海の絶景・丹後町をめぐる


竹浜海水浴場

京都府最北端のまち、丹後町。ここでは日本海の絶景を楽しむことができます。
琴引浜から東へ。丹後半島を蛇行しながら縦断し、日本海へと注ぎ込む竹野川の河口には白く美しい砂浜が広がり、海上には高さ20mもあるという立岩がそびえ立ちます。1kmも続く柱状玄武岩は見事です。続いて見えてくるのが、屏風岩。高さ13mほどの一枚岩です。その姿がまるで屏風(びょうぶ)に見えることから、屏風岩と呼ばれています。屏風岩から日本海沿いをさらに東へ。日本三景の松島と似ていることからその名がついた丹後松島。経ケ岬を一望でき、磯釣りの名所としても知られています。さらに東へ。経ケ岬は、岬を取り巻く柱状節理が経典を記した”巻物”を立てた様に見えた事からこの名がついたと言われています。明治31年に点灯されて以来、若狭湾・日本海を行き交う船の安全を見守り続けてきた灯台は日本三大灯台の一つ。青い海と空に白い灯台が映え、絶景ポイントの一つです。
ここ丹後町間人(たいざ)にも伝説が残されています。6世紀末、聖徳太子の生母である間人皇后・穴穂部間人皇女(あなほべのはしうどひめみこ)は、蘇我氏と物部氏との対立から逃れるため、この地に滞在しました。都に戻ることになった皇后が、里人の手厚いもてなしに感謝し、この村に自らの名を贈りました。里人は皇后の名をそのまま地名にすることはあまりにも畏れ多いことから皇后の御退座にちなんで「間人」と書いて「たいざ」と呼び、地名としたと伝えられています。


丹後松島

間人皇后像
 
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■京丹後市の観光情報はこちらから
京丹後ナビ http://www.kyotango.gr.jp/
■アクセス
http://www.kyotango.gr.jp/access/
京都駅から特急で約2時間半
情報提供/歴史街道推進協議会
歴史街道のイベント
教育プログラム 「ならまち今昔フォト探検」
4月22日(土)
次代を担う若者や子どもたちに日本の歴史や文化にもっと親しみ、理解を深めてもらおうという歴史街道版「教育プログラム」。
4月には、奈良教育大学との共催で「ならまち今昔フォト探検」を開催します。
旧元興寺の境内地に民家が建ち並んでできた今も江戸時代の印象が残る価値ある「ならまち」で、30年〜50年前に撮影された町並みの写真を手がかりに、現在の様子を探してデジカメに撮影していただく探検活動を通じて、時代の流れを実感していただきます。
実施日:4月22日(土)9時〜12時45分
集 合:近鉄奈良駅 行基菩薩噴水前 近鉄奈良駅 東出口改札から2または3番出口
対 象:小学生、中学生、その保護者
定 員:15組 30名(申し込み先着順)
参加費:小中学生・保護者ともに お一人様500円
締 切:4月7日(金)必着
持ち物:デジタルカメラ または スマートフォン詳しくは
http://www.rekishikaido.gr.jp/201704naraphoto/

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