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歴史コラム

Presented by 歴史街道推進協議会歴史街道

第50回 修験道の聖地・天川村を訪ねて(奈良県天川村)

五條から熊野に至る国道168号はかつて西熊野街道と呼ばれ、周辺は、山岳・温泉・清流といった豊かな自然の中に、奈良時代以来の山岳信仰や中世の南朝遺跡、幕末の天誅組本陣などの歴史資源が点在する地域です。
古代から現代まで、人々はここを訪れ、豊かな自然の中で傷ついた心と体を癒し、再生を図ってきました。
紀伊半島中部に位置し、周りを近畿最高峰八経ヶ岳をはじめとした標高1,000〜2,000mの「近畿の屋根」大峰山系の山々に囲まれた天川村は、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成要素である大峯奥駈道が通るまち。標高約800mと空に近く、山からの清流でうるおっています。
大峯山は今から約1300年前、修験道の開祖・役行者によって開かれたと伝えられています。修験道の道場とされる大峯から熊野にかけては75の行場があり、なかでも山上ケ岳は今なお女人禁制であることで知られています。大峯山「山上ケ岳」山頂に建つ大峰山寺本堂からは、近年の発掘調査で平安時代の頃、宇多天皇の寄進であった可能性が高いとされる2体の黄金仏が発掘されています。

芸能の神様を訪ねる


天川村総合案内所

近鉄下市口駅からバスで約1時間。天川川合前の総合案内所では観光や登山などの情報が集積されています。案内所から天の川へ。村内唯一の信号を右へ行くと役行者が大峯修験道開山に先だった修行をおこなった古社・天河大弁財天社があります。能楽と縁の深い神社では、能面や能楽衣装など多数保存されています。本殿の能舞台では、春、夏、秋の例祭で能が奉納されます。ここはまた、南北朝時代、後醍醐天皇、護良親王、後村上天皇、長慶天皇、後亀山天皇などを擁護し続けました。各天皇が天川郷を南朝奥吉野の拠点としたことがさまざまな資料からうかがえます。天河大弁財天社には御所が置かれたという伝承が残されています。


天河大弁財天社

天河大弁財天社

天の川・みたらい渓谷をハイキング


みたらい渓谷

天川川合の交差点へ戻り、そのまま東へ2kmほどのところが「みたらい渓谷」です。川合から洞川温泉観光案内所まで、全長約7km、2時間強のハイキングコースは、透き通る川、水しぶきをあげる滝、夏は新緑、秋は真っ赤にそまる木々の間を抜ける快適なコースです。毎年秋には「天の川もみじまつり」が開催され、紅葉のもと、ボタン鍋や物産展、ヘリコプター遊覧などが行われます。天水分神社の大杉や行く手を遮るように現れるカツラの大木、大聖大権現社の大トチの木などの巨木。巨石の間に小さな滝が見え隠れする光の滝、その美しさは近畿随一と言われるみたらいの滝がある吊り橋と階段が連続するこのあたりが一番の見所。変化に飛んだ風景が楽しめます。


修験道のまちをあるく


洞川・山上川

洞川温泉観光案内所から大峯茶屋(大峯大橋)までは約1時間の散策道。
バス停から持影橋を渡り、しばらく行くと、行者さん通りと呼ばれる街並みが続きます。洞川温泉は大峯信仰、修験道の行者の基地として栄え、今でも旅館・土産物店・食事処が軒を連ね、温泉街をカタチづくっています。創業300年以上の宿など、レトロ感あふれる街並みには、名水「ごろごろ水」で淹れたコーヒーをだす喫茶店などもあり、一般の観光客にも親しみやすい宿場になっています。
街並みに沿って流れる山上川は水量豊か、澄み切った水で泳ぐニジマスを見ることもできます。川向うに建つ龍泉寺は、約1300年前、大峯山の開祖・役行者によって創建された名刹。修験道の根本道場として、多くの修験者を迎えます。境内には、竜の口から湧き出る清水をたたえた大峯山中第一の水行場があります。そこからさらに山手に、洞川の里を見下ろす高台にあるのが面不動鍾乳洞です。地底に広がる鍾乳洞の中は平均気温8度の世界。関西最大級の規模を誇ります。


行者とおり
行者さん通りから続く行者の道を歩いていくと、左手に見えてくるのがエコミュージアムセンター。フィールドを中心とした自然の動植物とのふれあいを通して自然を学ぶ施設です。テーマは「自然」「水」「修験道」。大峯山系の自然を映像やパソコンを使ってくまなく紹介しています。そして右手に見えてくるのが洞川湧水群「ごろごろ水」の石碑。名水100選に選ばれ、御神木の奥にある洞穴から湧出しているため、「神の水」として保全されています。遠方からもたくさんのかたが水を求めてこられるため、大きな採水場「ごろごろ茶屋」として整備されています(料金:駐車場代金を含み 500円~ 時間:午前9時~午後6時)。毎年、4月下旬(今年は29日(土・祝))には、名水まつりが開催されます。


龍泉寺

龍泉寺・行場

■周辺の見所
栃尾観音堂
延宝3年、この地を訪れた円空が彫ったといわれる円空仏4体が安置されたといわれています。民衆救済のため、全国を行脚した円空が栃尾の集落の小さな祠で彫った仏像は、いずれも優しい微笑みをたたえています。
■天川村の観光情報はこちらから
■アクセス
http://www.vill.tenkawa.nara.jp/tourism/map/
大阪阿倍野橋駅[JR天王寺駅]から 近鉄特急(吉野行)で下市口駅まで
奈良交通バス乗換で、所要:約1時間(天川川合まで)
情報提供/歴史街道推進協議会
歴史街道のイベント
教育プログラム
「史跡 日根荘遺跡で米作り体験」
6月17日(土)[予備日18日(日)]

次代を担う若者や子どもたちに日本の歴史や文化にもっと親しみ、理解を深めてもらおうという歴史街道版「教育プログラム」。
6月と10月に、「史跡 日根荘遺跡で米作り体験」を開催します。
中世からほとんど変わらない状態で現存する全国でも珍しい荘園遺跡で米作りを体験しましょう。

実施日:6月17日(土)[予備日18日(日)]⇒田植え
    10月中旬の土日を予定 ⇒稲刈り
集 合:泉佐野市立大木小学校9:00(14:00終了予定)
対 象:小学生、中学生とその保護者
定 員:20組 40名(申し込み先着順)
参加費:大人 お一人様2,000円、小中学生お一人様1,000円
締 切:6月12日(月)必着
詳しくは http://www.rekishikaido.gr.jp/201706hinesyo/

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