コラム「今宵のごちそう」は、シニアの皆様(だけでもないと思いますが)におけるごちそうの意味をちょっと考えるきっかけになればいいなと思って進めてまいります。美味しく、ちょっとだけためになるかもしれません。
高原 純一
食のぐるり株式会社 代表取締役
E-mail : takahara@shokuguru.com
震災以来、世の様々が様子を変えてしまったけれど春は変わらずやってきてくれました。桜の華やかさとは対照的に春の野菜は苦味の効いたものが多いのですが苦味の中に甘みを感じる瞬間に冬から春に変わる喜びも感じます。
フキノトウ、タラノメ、ヨモギetc…春の野菜たち。ビタミンは半端なく豊富です。野菜はひとつの季節を過ごし次の季節に備えるための術を防備しています。それを食べる私たちにも野菜同様に次の季節への備えを与えてくれます。冬場の青野菜が不足する時期にビタミンを補給してくれているのでしょう。
そして苦味の中に春の到来という甘みを感じさせてくれるのでしょう。
今我々が口にする野菜の多くが外来種ですが、春の野菜にはフキノトウのように数少ない日本原産の野菜を見つけることができます。春野菜をいただきながら、古の日本に思いを馳せる趣も春風に吹かれながら楽しむのも一興かもしれませんね。