数年前にゴン中山さんの奥様で女優の生田智子さんを取材したことがあります。当時ゴン中山さんはジュビロ磐田に所属しており、生田智子さんはご主人だけでなくチーム全体の食のアドバイザリーをやられておられました。印象的だったのは「夏は毎日豚とトマト、それに良質な小麦を必ず皆に食べてもらいます。」の一言。それでなくても体力消費の激しいサッカー、夏場は際限がない状態。疲労回復に良く、明日の試合や練習に確実にプラスになるそれが豚、トマト、小麦。しかし毎日には驚きました。そして、その3つの中でも特に大切なのが“豚”とのことでした。
たまたまですが、ここ2ヶ月連続で養豚農場を取材しました。一軒は福島の「ふるや農園」。もう一軒は山形の「平田牧場」。どちらの豚もファンが多く、本当に味の美味さは周知の事実。まず福島のふるや農園さんは、もともとは野菜農家ですが、社員研修で沖縄へ行った時に始めて“放牧豚”に出くわして以来、その活き活きする姿に感動を覚えたと言います。その後、北海道でも豚の放牧農家がいると聞き、沖縄からすぐに北へ飛んだそうです。北でも南でも豚の放牧は出来る。ならば本州でも出来ない訳はない!調べたら本州には放牧豚農家は一軒も無いとのこと。ふるや農園は本州で初めて豚の放牧を行い、またいまだに唯一の放牧豚農家として活躍されています。山に生える草や農園の野菜を食べ、すくすく育ったふるや農園の豚の美味いこと。生肉はもちろんですが、生ハムとソーセージは格別を超えています。やはり野に放たれた豚は圧倒的に自然の味がする。至極当たり前のことではありますが。
次に平田牧場。こちらは今や東京でも押しも押されぬブランド豚。ミッドタウンにある平田牧場のお店は連日長蛇の列で大賑わいのお店です。その平田牧場、山形は酒田にあります。自然と水の良さにかけては日本有数の土地。その素晴らしい自然の中で育つ、日本でも最上級でまずこれ以上は無いといわれる金華豚に三元豚。豚好きであればあるほどその品質と実力を理解する平田牧場の豚です。米を餌に食べる豚はその名も米育ちと呼ばれ、良質な脂を持つ豚に育ちます。酒田空港へ着くとそこから平田牧場のブランドを感じる平田牧場。町を進み、人に会えば会う程、平田牧場は酒田と一緒に育って来たのが分かります。地方創生ここにあり。豚の品質もさることながら、企業としてのあるべき姿を平田牧場に感じます。