空中散歩を楽しめる「谷瀬の吊り橋」
十津川村は奈良県の最南部にある日本一大きな村。空中散歩が体感できる「谷瀬の吊り橋」や人力のロープウェイ「野猿(やえん)」でも知られています。
自然豊かな十津川村には鉄道が通っていません。鉄道の最寄となるのは北は奈良県五條市まで、南は和歌山県新宮市まで。近鉄大和八木駅、JR五条駅、JR新宮駅から奈良交通バスの路線バスが利用できます。このバスは、全長166.9km、停留所の数は167、高速道路を使わない路線では、日本一の走行距離を誇る路線バスとして有名です。
十津川の勤王精神の歴史はひじょうに古く、神武天皇東征の際に道案内に立った八咫烏(やたがらす)がはじまりともいわれています。
また、十津川村のマスコット「郷士くん」は、歴史の舞台にたびたび登場した十津川郷士がモデル。神武東征、壬申の乱、源平の争乱の元となった保元の乱、南北朝時代、明治維新の際の天誅組など、時代の節目、節目で郷士の活躍が記録に残されています。(村役場前にある「歴史民俗資料館」では、世界文化遺産紀伊山地の霊場と参詣道 写真・パネル展示や時代が動くとき「十津川」の名前が歴史に数多く登場するといわれる十津川郷士に関する資料、明治の大水害の記録など、村の今昔を知ることができます。)
都から遠く離れた地でありながら、事が起これば国事に尽くすという気概が今も脈々と受け継がれています。
村の自慢は源泉かけ流し
道の駅十津川郷でも「足湯」が楽しめます
「源泉かけ流し」を日本で初めて名乗りあげたのはどこかご存じですか?
実は、奈良県十津川村です。いわゆる十津川温泉郷は、平成16年6月、全国で初めて“源泉かけ流し宣言“を行いました。温泉の質に関しては関西屈指の温泉郷と言われています。
十津川温泉、湯泉地温泉、上湯温泉の3つの温泉から成り、村内にある25箇所の温泉施設すべてが源泉かけ流しです。
「十津川温泉」は、元禄年間に炭焼き人夫が発見したと言われる下湯を源泉としており、泉質は、ナトリウム炭酸水素塩泉・塩化物泉。源泉温度は70℃、効能はきりきず・火傷など。「湯泉地温泉」は、十津川村のほぼ中央に位置し、歴史は古く1581年佐久間信盛が訪れたといわれています。泉質は、単純硫黄泉。源泉温度は60℃。効能は慢性婦人病など。そして、「上湯温泉」は、十津川温泉から西へ約5km。上湯川上流に湧く温泉で享保年間に里人が見つけたといわれる秘湯。泉質は、ナトリウム炭酸水素塩泉、源泉温度は85℃、効能は、皮膚病・アトピーなどです。
それぞれ違った魅力を持つ温泉。その土地の歴史とともに、楽しんでみてはいかがですか?
小辺路が通る果無集落のおもてなし
果無集落の世界遺産石碑
果無集落でのさりげない「おもてなし」
熊野参詣道小辺路は、真言密教の総本山高野山から熊野本宮大社にいたる全長72kmの祈りの道。高野山金剛三昧院の参道口から始まり伯母子峠、三浦峠、果無峠と1000メートル級の3つの峠を越える熊野本宮への参詣道で、石畳や苔むした石仏など、古道の雰囲気が色濃く残されています。
十津川村の果無集落は小辺路がとおる里。果無山脈を見渡すことができ、「天空の郷」と呼ばれています。麓にある「ホテル昴」に泊まると、徒歩で、山道をゆっくりと登ってこられるので、1日でも小辺路散策の気分を味わうこともできます。この集落は観光ポスターに使われている「熊野古道小辺路」の石碑がある集落で、外から来られた方は、お家を休憩所と勘違いされ軒先で休憩される人も多いとか。それでも、訪れる人のために、家の前の水桶には毎日、季節の花をさりげなく、飾られています。
ここには、昔ながらの古き良き日本の生活が残され、のどかな暮らしとそこに住んでおられる住民のさりげない「おもてなし」のこころが感じられるスポットです。
訪問される時は、住んでいる方への「おもいやり」の気持ちを是非、お願いします。
■周辺の見どころ
玉置神社のしゃくなげ
標高1077mの霊峰玉置山。崇神天皇の時代の創建で、樹齢三千年と云われる神代杉を始め天然記念物に指定されている杉の巨樹が叢生する玉置神社。初夏にはたくさんの石楠花(しゃくなげ)が咲き誇り、参道から境内まで石楠花が続き花の名所として多くの参拝客が訪れます。
世界遺産予約バス(完全予約制)が「昴の郷~十津川温泉~玉置神社」で運行されます。
■十津川村の観光情報はこちらから
■十津川村へのアクセス
情報提供/歴史街道推進協議会