「伊勢にゆきたい 伊勢路がみたい せめて一生に一度でも」と、伊勢音頭の歌詞にもあるように、古くから多くの人々が伊勢をめざしました。
伊勢神宮の参拝はまずは外宮から。伊勢市駅を降りると白木の鳥居が出迎えてくれます。外宮までは徒歩約7分。まずは入口近くにある第62回式年遷宮(20年に一度、正殿をはじめ建物全てを新造し、さらに御装束や神宝も新調する行事)を記念して建てられたせんぐう館へ。ここでは、遷宮のこと、社殿や装束、神宝などを製作する技術などが分かり易く紹介されています。
外宮の祭神は穀物をはじめ、衣食住を司る豊受大神。外宮前観光案内所に立ち寄り、ボランティアガイドの方に案内を頼むこともできます。
内宮は少し離れていますので、外宮前のバス停からもしくは宇治山田駅(外宮から徒歩約10分)からバスが便利です。
駅構内の宇治山田駅構内観光案内所は歴史街道iセンターで、歴史街道スタンプラリー(http://www.rekishikaido.gr.jp/time-trip/stamp/)のスタンプポイントでもあります。
宇治山田駅は、国の登録有形文化財に指定され、「中部の駅百選」に選ばれた、繊細な装飾をほどこされた優しい建築様式の駅。まず、じっくりとその美しさを見学してください。
駅からバスで約20分。内宮の祭神は天照大御神。宇治橋を渡り境内へ。神苑から火除橋を渡り、一の鳥居をくぐって少し右へいくと、五十鈴川御手洗場(みたらし)、清流に心も洗われる感じがします。風日祈宮、神楽殿、忌火屋敷、正宮などを巡っていくと、参拝には1時間ほどかかります。
参拝が終わったら、宇治橋から五十鈴川に沿って続く石畳の通りへ。通りの両側には伊勢特有の切妻・入母屋・妻入り様式の家並が軒を連ねています。ここでの楽しみはなんといってもショッピングと食事。お店で落ち着いて、名物の伊勢うどんや、てこねずしなどをいただくのもよし。海に近い伊勢ならでは、新鮮な練り物など、店先で揚げたてを買って食べるのも楽しいものです。
街角にあるおかげ横丁は食事処やお土産処などちょっとしたアミューズメントパークのような感じ。だらっとした猫の置物が迎えてくれる「おかげ座 神話の館」は、日本神話の体験施設。国生みから天孫降臨までの神話のあらましや、天照大御神を伊勢に導いたと言われる倭姫命の物語など、映像や和紙人形の展示などでわかりやすく解説しています。
宇治山田駅から北へ。勢田川沿いにある河崎は今から400~500年前、川を利用し、町の周囲に濠を巡らせた環濠集落の商人の町がはじまりとか。伊勢の台所として、江戸時代より伊勢と伊勢を訪れる人々の生活をまかなう問屋街として発展してきました。
今でも、お伊勢参りの人達を運んできた勢田川左岸に、妻入造りの商家群が残されています。
町中にある伊勢河崎商人館は、河崎の代表的な商家を修復した施設で、敷地内の蔵7棟、町家2棟全てが国の登録文化財になっています。勢田川に面した三棟の蔵には、約20店舗が出店しているほか、伊勢や河崎の歴史と文化が紹介されています。ここ河崎で売られている「二軒茶屋餅」。あずき餡のたっぷり入ったうす皮のお餅にきな粉をまぶしたもので、舟で参宮する人たちの舟着場で売られていました。
伊勢神宮内宮前の赤福は「赤福餅」で有名ですが、毎月1日に限って販売される「朔日餅」も季節毎の趣を感じるお餅。その他、参宮街道宮川のほとりで馬を返して船を待つ人々に供された、焼き目も香ばしい「へんば餅」や、神話・天の岩戸の古事にちなんだ「岩戸餅」など、渋めの日本茶とお餅三昧もいいものです。
宇治山田駅から徒歩約20分。倉田山には、御装束神宝をはじめ国の重要文化財11点を含む、歴史・考古・美術工芸品など約13,000点を収蔵展示する神宮徴古館、皇室御賜下品をはじめ、神宮の祭典御料・農林水産資料など約4,300点を収蔵展示する農業館(徴古館・農業館は、現在耐震工事のため見学できません)、20年に一度おこなわれる式年遷宮を奉賛して、当代最高の美術・工芸家から奉納される絵画・書・彫塑・工芸を展示する美術館、神宮文庫、皇學館大學などがある文教地区のようなエリアです。徴古館を過ぎて、しばらく道路を歩いていると、白木の鳥居が。天照大御神を伊勢に導いたと言われる倭姫命を祀る神社です。鳥居をくぐり、しばらく行くと手水舎があります。鳥居も手水舎も白木のみずみずしさが残り、「ああここも遷宮されたのだな…」ということがわかります。
平成25年の秋に執り行われた内宮、外宮のご遷宮後、順次別宮の遷宮が行われ、倭姫宮は平成26年12月に遷宮されたばかり。伊勢神宮には、別宮、摂社、末社、所管社などを含め125社あるとか。時間をつくって、まわってみるのもいいかもしれません。
吉野大峯、高野、熊野の紀伊山地の三つの霊場は、古より多くの人々が恋い焦がれ、訪れては、神仏に包まれ、修行をしてきた聖地です。今回は「道を行じる(歩く)」をテーマに、全国各地から紀伊山地の霊場に至る道を歩く人々の思いや、紀伊山地の霊場を行じる人々に思いを馳せ、その魅力を紐解きます。
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