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歴史コラム

Presented by 歴史街道推進協議会歴史街道

第23回 1300年の古都を歩く(奈良県奈良市)

平城宮跡で1300年の歴史を感じる


平城宮跡

復元された大極殿

我が国最初の本格的な都である藤原京(奈良県橿原市)から「下ツ道」をたどり、奈良盆地の中央をまっすぐ北へとあがっていくと、平城京の朱雀大路、現在の平城宮跡に至ります。復原された朱塗りの豪壮な朱雀門から北を望むと、広大な敷地の向こうに同じく復原された第一次大極殿が見渡せます。
710年、元明天皇は律令制に基づいた政治を行うことを目的に、藤原京造営からわずか16年で、都を平城京へと遷しました。新都は、朱雀大路を中央に、西側に右京、東側に左京、その更に東に外京(現在の奈良公園周辺)と3つの区域からなり、東西5・9キロ、南北4・8キロの広大なものでした。平城京の北端に位置する大内裏の中には、天皇の住まいである内裏、儀式を行う大極殿・朝堂院などが置かれ、東の端の東院庭園では、宴などが催されていました。
大陸の文化を吸収するため、吉備真備や阿部仲麻呂など、幾人もの人々が遣唐使として海を渡り、さまざまなモノ、知識をもって、日本へと帰ってきました。現在も続く50年に渡る発掘調査で、国際色豊かな、活気あふれる都の様子が次第に明らかになってきています。
宮跡には朱雀門や大極殿が復元されている他、都があった当時、建物の柱のあった場所にはツゲの木が植えられ、往時の雰囲気を感じることができます。
また、1300年前の都のことを紹介する平城京歴史館や遺構展示館、平城宮跡資料館などの施設もあります。
平城宮跡について詳しくは
http://heijo-kyo.com/
http://www.kkr.mlit.go.jp/asuka/heijo/


東大寺で大仏さんの大きさにふれる


奈良といえば鹿

東大寺大仏殿

奈良時代、シルクロードを渡って伝えられた文物を背景に平城京を中心に花開いた天平文化。
奈良を代表する観光スポットといえば、平城京の外京にあたる奈良公園一帯。東西約四キロにもおよぶ広大な敷地の中に、阿修羅像で有名な興福寺や平城京鎮護のために祀られた春日大社など、往時を彷彿とさせるスケールの大きな世界遺産が点在しています。
その一つ、三笠山(若草山)を背景に堂々と建つ華厳宗大本山・東大寺は、聖武天皇によって建立されました。平清盛の子・重衡の南都焼討で大部分を消失しましたが、中国で宋様式を学んだ重源や臨済宗の創始者・栄西によって再建されています。天竺様の南大門、和様の三月堂、唐様の鐘楼…一つの寺院の中に、いくつかの建築様式が混在しているのはそのためです。
大仏殿に入るとその大きさが実感できる大仏は、聖武天皇によって745年から7年ほどの歳月をかけて造られた高さ約15メートルの仏像。正式な名称は「盧舎那仏(るしゃなぶつ)」といいます。造られてから何度も戦火などにより燃え、そのたびに修理されてきたため、奈良時代のものは台座と膝頭の一部のみです。大仏殿には大仏さんの鼻の穴と同じ大きさの穴がある柱があり、そこを通り抜けようと列をつくる人たちでいつも賑わっています。
もう一度修学旅行に行った気分で、大仏さんの大きさに触れてみてはいかがですか。


自然に囲まれた春日大社の神域を歩く


春日大社参道

東大寺の南東に位置する春日大社は、768年、称徳天皇の勅命により左大臣藤原永手によって造営された神社。神社奥の春日山は、春日原生林として世界文化遺産に登録されています。
奈良国立博物館の南側に建つのが平安後期の創建と言われる一の鳥居。鳥居を入ってすぐ、右手に広がる浅茅原には、12月に催される春日若宮おん祭の時、神様が降りてくるといわれる影向の松があります。ここから本殿まで、1キロほど続く参道の両脇には、ムクロジの大木をはじめ、椎や檜、春日杉などの巨木が並び、神社に向かう人々を癒しの空間へといざないます。
参道は、二の鳥居から、神の使いとして敬われる大きな鹿の像がある手洗場を左に、朱塗りの荘重な造りの中門そして、本殿へと続きます。参道から本殿まで並ぶ、数えきれないたくさんの石灯籠、釣灯籠は、年に2度、節分とお盆の時に灯がともされます。
神域には、ハート型の絵馬が飾られた日本で唯一夫婦の大國様をお祀りした夫婦大國社など15の若宮のほか、摂社・末社を加えると61もの社があります。ゆったりとした気分で木立に囲まれた社めぐりもいいものです。
1月23日(毎年1月第四土曜日に実施)には、奈良市内を見下ろす標高342mの若草山に火をつけ、山全体を燃やす早春を告げる奈良の一大行事・若草山山焼きが行われます。松明の聖火行列と花火も行われます。花火の打ち上げは18時15分からで、点火は18時30分です。花火が上がると、山焼きが始まり、山麓のあちこちからいっせいに火の手が上がり、若草山が炎に包まれます。(雨天の場合は24日に順延)



釣灯篭が並ぶ

春日大社本殿
■周辺の見所
高畑界隈
高畑界隈
春日原始林に連なる高円山を背に、新薬師寺、白毫寺といった古刹が点在する高畑界隈は、古くから続く春日大社の社家町。大正、昭和にかけて多くの文人が暮らしの場を持ち、今もなお閑静な町並みが残されています。
光明皇后が、聖武天皇の眼病が治るように行基に建立させたと伝わる新薬師寺。現在は本堂のみが残されていますが、本尊木造薬師如来坐像とそれを囲む等身大の塑造十二神将立像は圧巻です。
■奈良の情報はこちらから
■奈良へのアクセス
http://narashikanko.or.jp/access/index.html
<大阪から> JR大阪駅からJR奈良駅へ 約50分
       近鉄大阪難波駅から近鉄奈良駅へ 約40分
情報提供/歴史街道推進協議会
歴史街道のイベント
伊勢再発見フォーラム 「伊勢への旅〜倭姫から喜六・清八まで」
平成28年2月21日(日)14:30〜17:30

伊勢は、「美し国」といわれました。そこに天照大御神を案内して安鎮したのは、垂仁天皇の皇女倭姫とされます。伊勢神宮鎮座にまつわる倭姫の旅を山根基世氏の朗読で、上方から伊勢への旅を桂文我師による落語でお楽しみいただきます。またこのほか、「なぜに伊勢へ」をテーマにパネルディスカッションを開催します。

日  時:平成28年2月21日(日)14:30〜17:30[開場:14:00]
開催場所:あべのハルカス25F「大会議室」(大阪市阿倍野区阿倍野筋1−1−43)
募  集:300名(事前申込み、先着順)
参 加 費:1名1,000円(当日支払)
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