歴史TOP > 第24回 日本の原風景が残る古代ロマンの里・明日香を歩く(奈良県飛鳥村)
歴史コラム

Presented by 歴史街道推進協議会歴史街道

第24回 日本の原風景が残る古代ロマンの里・明日香を歩く(奈良県飛鳥村)

古墳や謎の石造に古代ロマンを感じる


高松塚古墳

亀石

奈良県明日香村は、592年から平城宮に遷都される710年までの飛鳥時代に歴代の天皇が宮を置いたところ。日本の原風景を偲ばせる景観とともに古代都市空間を今に伝えています。
古代、朝鮮半島から多くの渡来人がやってきて、新しい技術や知識をここに伝えました。飛鳥はまさに「飛ぶ鳥」のように遠い大陸からやってきた渡来人が、朝廷直属の部民として暮らした「安宿(あじゅく=安心して暮らせる場所)」であり、これが「あすか」の語源であるとも言われています。 
近鉄飛鳥駅前にある総合案内所・飛鳥びとの館で村内9箇所(施設)の割引券と「明日香イラストマップ」が付いた「飛鳥王国パスポート」(百円税込)が入手できます。村の散策は、徒歩でも、レンタサイクルでも、また時間を調べて村内を周遊する「かめばす」の利用など、出来れば車ではなく、ゆったりと時間をかけてまわってみたいものです。
近鉄飛鳥駅から徒歩約7分。国営飛鳥歴史公園へ。国営飛鳥歴史公園館は歴史街道iセンターでもあり、高松塚、石舞台、祝戸、甘樫など歴史公園周辺の情報を入手できます。
周辺には高松塚、中尾山などの古墳が。高松塚古墳は、内部を見ることはできませんが、隣接の高松塚壁画館で、石槨内部の模型と、永久保存が図られている高松塚古墳の出土品(模造)や壁画の模写が展示されています。
村内には、渡来人の手によるという亀石、酒船石、鬼の雪隠・鬼の俎、二面石など名前もユニークな石造物が点在し、その大きさ、形のユニークさが「誰が作ったの?」「これは何の目的?何に使うの」・・・古代へのロマンをかきたててくれます。


子孫繁栄・五穀豊穣、素朴な信仰が生きる村


「飛鳥稲淵宮殿跡」の石碑

高松塚古墳から東へ。30数個の岩の総重量は約2300トン、天井石は約77トンという巨石が使われた石組は、蘇我馬子の墓でなはないかと言われる石舞台古墳、わが国最大級の方墳です。
石舞台古墳の西隣には、「明日香の夢市」という施設があり、とれたての野菜や果物、飛鳥米・古代米など明日香のお土産を買うことができます。
http://asukadeasobo.jp/shop/yumeichi
石舞台古墳を過ぎてまっすぐ、玉藻橋を渡って左へ。丘のふもとの集落を過ぎると、653年、皇極上皇と中大兄皇子らが天皇の意に反して難波宮から飛鳥に戻ったときの宮跡といわれる「飛鳥稲淵宮殿跡」の石碑があります。
村内の、そこここで謎の石造物と遭遇しますが、このあたりにも「マラ石」といわれるユニークな石がたっています。地元では飛鳥川を挟んで対岸にある丘を「フグリ山」と呼び、ふたつで一対をなす「子孫繁栄」「五穀豊穣」を祈る古代信仰の遺物といわれています。
稲穂が刈り取られた棚田をぬけて、飛鳥川の上流へ。橋から川へと目をやると、川の上に男綱とよばれる綱が張られています。毎年1月の成人の日に行われる『綱掛け神事』で張られるこの縄にもまた五穀豊穣・子孫繁栄の願いが込められています。
飛鳥寺から徒歩5分ほどのところにある飛鳥坐神社では、毎年、2月第1週の日曜日(2016年は2月7日)に子孫繁栄、五穀豊穣を祈る「おんだ祭」というユニークな行事が行われます。天狗とお多福が演じる濃厚なラブシーンが参拝客の笑いを誘います。明日香には素朴な昔からの信仰が残されています。



石舞台古墳

伝板蓋宮跡遺跡

棚田の風景

男綱

古代国家誕生の地から都の跡を臨む


甘樫丘

甘樫丘の上に立つと、南に、のどかな明日香村の風景、北に、畝傍、耳成、香具山の大和三山に囲まれた藤原京跡を望むことができます。
ここ飛鳥の地は、6世紀半ばから7世紀後半までの150年間、国の中心でした。高松塚古墳内部の石室に描かれた極彩色の壁画のように、国際的な雰囲気が溢れる場所だったのではないでしょうか。
645年の大化改新で、中大兄皇子は中臣(藤原)鎌足と図り、蘇我氏を倒し、政治の改革に着手しました。皇子は、天智天皇となり、近江令を制定するなど、律令国家体裁を整えていきます。やがて都は飛鳥から藤原京、平城京へと移り、飛鳥の地にはのどかな風景と歴史が残されました。


■周辺の見所
奈良県立万葉文化館
<!–
高畑界隈
–> 「万葉集」を中心とした古代文化を紹介する施設。明日香村の景観との調和に配慮した外観で、館内では「万葉歌」を題材にした日本画をはじめ、映像や音楽を使った展示があります。隣接して、亀型石造物が見学(有料)できるので立ち寄ってみてください。

開館時間:午前10時~午後5時30分(入館は午後5時まで)
休館日:月曜(祝日の場合は翌日の平日)展示変日
入館料:一般600円
http://www.manyo.jp/index.html
■明日香村の情報はこちらから
明日香村観光ポータルサイト
http://asukamura.com/
映像「旅の星」もお楽しみください
https://www.youtube.com/watch?v=soyBmGLRJOI&feature=youtu.be
■明日香村へのアクセス
http://asukamura.com/?page_id=53
大阪(近鉄難波 大阪阿倍野橋)から約45分
情報提供/歴史街道推進協議会
歴史街道のイベント
伊勢再発見フォーラム 「伊勢への旅〜倭姫から喜六・清八まで」
平成28年2月21日(日)14:30〜17:30

伊勢は、「美し国」といわれました。そこに天照大御神を案内して安鎮したのは、垂仁天皇の皇女倭姫とされます。伊勢神宮鎮座にまつわる倭姫の旅を山根基世氏の朗読で、上方から伊勢への旅を桂文我師による落語でお楽しみいただきます。またこのほか、「なぜに伊勢へ」をテーマにパネルディスカッションを開催します。

日  時:平成28年2月21日(日)14:30〜17:30[開場:14:00]
開催場所:あべのハルカス25F「大会議室」(大阪市阿倍野区阿倍野筋1−1−43)
募  集:300名(事前申込み、先着順)
参 加 費:1名1,000円(当日支払)
      ※歴史街道倶楽部会員は500円(同伴者2名までを含む)

あなたも「歴史街道」の応援団に!
10月1日から「入会金無料キャンペーン」を実施しています。

歴史街道倶楽部は、「歴史街道計画」の推進を応援し、歴史文化に親しみたいという方のための倶楽部です。ご入会いただきますと、歴史の舞台を旅するオリジナルイベント「歴史のまちウォーク」に参加できるほか、四季折々の情報を満載した会員誌「歴史の旅人」がお手元に届きます。
歴史街道倶楽部では、もっと多くの方にご参加いただき、日本の歴史文化の良さにふれていただけるよう、10月1日から来年2月28日までの期間「入会金 無料キャンペーン」実施しています。
また、今回は、あわせて特別賛助会員(年会費10,000円)も募集しています。
この機会に是非、歴史街道倶楽部にご入会ください!

■年会費:3,000円(特別賛助会員は10,000円)  
■入会金:1,000円 ※キャンペーン期間中は無料
■お問合せ先:歴史街道倶楽部事務局 TEL:06-6223-7182(平日10:00~17:00)

詳細、資料請求はコチラのバナーをクリック!▼

新規会員登録

全国のあすたいむ倶楽部