歴史TOP > 第37回 天空の城・竹田城のまちを訪ねる(兵庫県朝来市)
歴史コラム

Presented by 歴史街道推進協議会歴史街道

第37回 天空の城・竹田城のまちを訪ねる(兵庫県朝来市)

天空の城を体感


竹田城の石垣

立雲峡から望む竹田城

室町時代中期、山名持豊(後の山名宗全)が築城したといわれる竹田城。城の築かれている山全体が、虎が臥せているように見えることから「虎臥城(とらふすじょう・こがじょう)」とも呼ばれています。標高354メートルの山頂に建てられた城の規模は、南北400メートル、東西100メートル。1580年、織田信長の命を受けた、豊臣秀吉の但馬征伐で落城しました。 城自体は関ヶ原の合戦の後に廃城となりましたが、自然石を巧みに配置した近江の穴太衆による石垣は、ほぼ完全な形で残され、往時の威容を誇っています。
竹田城の向かいにある立雲峡へ。登山道の入り口にもあたる、表米神社は格技を好んだと言われる表米宿弥命(ひょうまいすくねのみこと)を祭る神社。参道横の広場に相撲桟敷が設けられています。これは全国でも珍しい半円形石積段型桟敷で、県指定文化財となっています。正面には舞台もあり、歌舞伎なども上演されたのではと考えられています。神社を通り過ぎ、標高757メートルの朝来山を登っていくと、中腹に無数の奇岩・巨岩が点在するなか、樹齢三百年以上といわれる桜が群生する立雲峡へとたどり着きます。眼下には町並みが、前面には竹田城跡が見渡せます。9月から11月、よく晴れた早朝に登ると、雲海に包まれた、幻想的な天空に浮かぶ竹田城跡を見ることができるかもしれません。幻想的な風景は人気を呼び、いつの間にか「天空の城」や「日本のマチュピチュ」などと呼ばれるようになりました。

※資源保護のため、竹田城跡の入山には観覧料金が必要です。
http://wadayama.jp/takedajyoseki#a1


城下町を歩く


寺町通り

城下町の趣のある町並み

竹田城の麓、城下町の雰囲気を残す竹田の町並みがあります。そのうち、善證寺、常光寺、勝賢寺、法樹寺の4軒のお寺が建ち並ぶ通りは寺町通りと呼ばれています。竹田城跡とのつながりも深い4軒の寺院は、元は武家屋敷でした。
善證寺は、14世紀に創建され、寛永年間(17世紀)に現在の場所に移されたと伝えられています。瓦に載った美しい築地塀が特徴です。常光寺は、山名宗全の四天王の一人であり、竹田城の初代城主、太田垣光景の菩提寺。光景公の墓碑とされる石塔が残っています。正親町天皇の勅願寺になったため、格の高さを示す筋壁5条引きの白線が入っています。
勝賢寺は、赤松広秀の前の城主、桑山修理太夫重晴ゆかりの寺院。かつては赤松公家臣、平位善右衛門の屋敷跡といわれ、重晴の嫡子一重夫妻の墓碑と伝わる五輪の双塔があり、法樹寺には竹田城最後の城主である赤松広秀の墓碑があります。
寺町には、おもむきのある石橋や白壁の堀と錦鯉が泳ぐ小川、初夏にはあじさいが咲き、秋には真っ赤に色づく美しい紅葉で彩られます。


権力を支えた銀山のまちを歩く


生野の町並み・生野まちづくり工房井筒屋

竹田城跡のある和田山から南へ。銀山で有名な生野町があります。瀬戸内海に流れる市川と日本海に流れる円山川の源流地域で、町の発展を支えてきた生野銀山の開坑は、9世紀とも伝えられ、江戸時代には代官所が置かれるなど、古くから栄えてきた地域です。
16世紀、織田、豊臣、徳川それぞれ直轄の鉱山として栄え、銀や銅などの鉱物を数多く産出し、その時代の為政者の繁栄を支えてきましたが、昭和48年(1973年)に閉山しました。生野には、今でも往時の繁栄を伝える街並みが残され、また、銀山は当時の模様を再現した観光施設として一般公開されています。
JR生野駅から北へ徒歩約10分。鉱山町として栄えた街並みが残る口銀屋地区へ。平成26年3月、「生野鉱山及び鉱山町の文化的景観」として、鉱山町として全国で初めて国の重要文化的景観に選定されています。
町中に建つ生野まちづくり工房井筒屋。江戸時代、代々山師として郷宿を営んできた吉川家で、平成11年、土地、建物等一式が生野町に寄贈され、まちづくりの活動拠点、訪問客の休憩所として活用されています。
街並みから東へ約30分、史跡・生野銀山があります。鉱石を掘っていた坑道を散策すると岩肌には鉱脈が見られ、電気仕掛けの人形が作業風景を再現しているなど、当時の産業のことを楽しみながら学習できます
施設内にある鉱山資料館は、「鉱山資料館」をはじめ、江戸時代、幕府に献上する上納銀ができるまでの製錬工程を電動人形で再現した「吹屋資料館」、国内産出の鉱物標本を展示している「生野鉱物館」(生野銀山文化ミュージアム)の3つの施設があります。
http://www.ikuno-ginzan.co.jp/
生野で昭和の時代へタイムスリップしてみてください。



生野の町並み・旧生野警察署

史跡・生野銀山

史跡・生野銀山

史跡・生野銀山

■周辺の見所
黒川温泉
山間の秘湯といった趣のある温泉。近くにはキャンプ場や釣りのメッカ銀山湖などにはたくさんの人で賑わいます。冬は雪景色とぼたん鍋が楽しめます。温泉はアルカリ性単純泉。肌ざわりが優しく、美人湯とも呼ばれています。
http://sasayuri-net.jp/users/kurokawa-onsen/
■朝来市の観光情報はこちらから
■朝来市へのアクセス
【和田山】 JR大阪→特急で約2時間 http://wadayama.jp/access_wadayama
【生野】 JR大阪より特急で約1時間50分 http://www.ikuno-kankou.jp/#access
情報提供/歴史街道推進協議会
歴史街道のイベント
「百舌鳥・古市古墳群」をテーマに連携事業「講座&ウォーク」
古 市  【講座】9月17日(土) 【ウォーク】10月1日(土)
百舌鳥 【講座】10月8日(土) 【ウォーク】10月22日(土)

堺市南・東区域における文化活動の拠点である堺市立栂文化会館、美原文化会館と百舌鳥・古市古墳群周辺のボランティアガイド団体との協働で、当該エリアの地域資源にスポットをあて、地域の魅力発信を行うことを目的に、共催企画「百舌鳥・古市古墳群の歩き方」(講座&ウォーク)を実施します。

◇古市古墳群の歩き方  【講座】9月17日(土) 【ウォーク】10月1日(土)
◇百舌鳥古墳群の歩き方 【講座】10月8日(土) 【ウォーク】10月22日(土)

申込・詳しくは http://www.rekishikaido.gr.jp/2016kofun

あなたも「歴史街道」の応援団に!
10月1日から「入会金無料キャンペーン」を実施しています。

歴史街道倶楽部は、「歴史街道計画」の推進を応援し、歴史文化に親しみたいという方のための倶楽部です。ご入会いただきますと、歴史の舞台を旅するオリジナルイベント「歴史のまちウォーク」に参加できるほか、四季折々の情報を満載した会員誌「歴史の旅人」がお手元に届きます。
歴史街道倶楽部では、もっと多くの方にご参加いただき、日本の歴史文化の良さにふれていただけるよう、10月1日から来年2月28日までの期間「入会金 無料キャンペーン」実施しています。
また、今回は、あわせて特別賛助会員(年会費10,000円)も募集しています。
この機会に是非、歴史街道倶楽部にご入会ください!

■年会費:3,000円(特別賛助会員は10,000円)  
■入会金:1,000円 ※キャンペーン期間中は無料
■お問合せ先:歴史街道倶楽部事務局 TEL:06-6223-7182(平日10:00~17:00)

詳細、資料請求はコチラのバナーをクリック!▼

新規会員登録

全国のあすたいむ倶楽部