京都市の西、大阪府と接する位置にある京都府長岡京市。8世紀後半、ほんの一時の栄えた「長岡京」は市の名前の由来となっています。阪急・西山天王山駅徒歩12分のところにある「中山修一記念館」では、幻の都と言われた長岡京発掘に生涯を捧げた故・中山修一氏の生涯とその事績についての年表や遺愛品のほか、氏の著書や長岡京関連図書、長岡京等に関する研究成果が展示されています。ここでは、地元ボランティアガイド案内していただくことで、より深く興味をもつことができます。是非、ご活用ください。
http://www.nagaokakyo-guide.info/
阪急・長岡天神駅から徒歩約5分。学問の神様、菅原道真を祀る「天神さん」長岡天満宮があります。菅原道真が京都から太宰府へ左遷される途中、「我が魂長くこの地にとどまるべし」と名残を惜しんだ地として「見返り天神」ともいわれています。道真公自作の木像をご神体として祀ったのが長岡天満宮のはじまりとか。
境内の東側にある八条ケ池は、1638年に造られた灌漑用のため池で、周囲1kmにおよびます。中堤両側に樹齢百数十年の「キリシマツツジ」が植えられ、花の季節には多くの観光客で賑わいます。
天満宮から東へ。市役所前を通り、しばらく行くと西国街道にいきあたります。ここから南へ。堀に囲まれた城郭風の建物が勝龍寺城公園です。
明智光秀の三女として生まれた玉(洗礼名ガラシャ)は、細川忠興と、現在の京都府長岡京市にある勝龍寺城で婚礼をあげました。忠興は、細川藤孝(後の幽斎)の長男。義理の父である明智光秀の指揮下で近畿各地を転戦し、次々と織田信長の天下統一に向けた戦いで功績をあげていきます。
光秀の与力大名であった忠興ですが、本能寺の変の後、光秀からの誘いを拒絶。自らも父と共に剃髪し、光秀、羽柴(豊臣)秀吉のどちらにも参戦せず、妻・玉を現在の京都府京丹後市にある弥栄町味土野(みどの)に幽閉しました。
波乱万丈の生涯を生きたガラシャ夫人として知られる玉ですが、細川忠興の妻として幸せな時間を過ごしたのがこの場所です。京都と大阪を結ぶ軍事的にも重要な地として、本能寺の変の後、山崎の合戦で明智光秀はここに本陣を構えました。発掘調査により、鉄砲の時代に対応した先駆的な築城技術を用いた城で、城郭史上、貴重なものであることがわかってきました。
史跡は櫓や庭園などを備えた都市公園として整備され、園内にはガラシャ夫人と細川忠興の像が立っています。長岡京市では、11月3日から13日にかけてガラシャ祭(ガラシャウィーク)が行われます。期間中、コンサートや古典芸能など各種イベントが開催されるほか、13日には玉(ガラシャ)のお輿入れ行列がおこなわれます。
http://nagaokakyo-garasha.jp/05_week.html
西国街道沿いにある街道筋の面影を伝える国有形登録文化財の「神足ふれあい町家」(旧石田家住宅)。江戸時代末期の町家独特の風情を色濃く残した建物で、館内では庭園を眺めながら甘味や軽食が味わえます。西国街道を抜け5分ほど東へ歩くと、足の神様として信仰される古社「神足神社」があります。
この神社は、8世紀の創建と伝えられる古社で、斉衡元(854)年には国の官社にあげられています。また、『延喜式』(※平安中期の法令集。第60代醍醐天皇の命で編集、延長5(927)年完成。全50巻。)にある式内社の一つで、祭神は天神立命、舎人親王です。
この神社には、「桓武天皇の夢」として次のような伝説があります。長岡京市に都が置かれていた頃、ときの桓武天皇が、田村(神足村の旧名)の池に天から神が降り立ち、宮中を南から襲おうとする悪霊を防いでいた夢を見られました。目覚められた天皇は、この神を祭るため田村に社を建て、太刀と絹を秘蔵させました。それ以後、社は「神足神社」、田村は「神足村」と呼ばれるようになったといわれています。
応仁の乱などで再三兵火を受けていますが、現在の社殿は一間社流造で、昭和9(1934)年の室戸台風で破損し、昭和18(1943)年に建て替えられたものです。また、神足神社の南参道には、元禄17(1704)年の石鳥居、安永5(1776)年の石灯籠があります。「足」に関する願いを込めて、毎年京都で行われる全国女子駅伝の京都代表チームがお参りに訪れています。
西国街道がとおる長岡京のまち歩きをお楽しみください。
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