日本庭園は水・石・植栽及び景物(燈篭、石垣などの点景物)の組み合わせから成り立ち、時代によりさまざまな様式を生み、新しい景観を造りだした。
独自の様式を持つ「日本庭園」のデザインが確立された時期については、国風文化が確立され花開いた平安時代をイメージする人が多い。
しかし、発掘復元された奈良の東院庭園等において、洲浜、石組・景石といった後世の日本庭園に引き継がれる独自の様々なデザインが用いられていることから、奈良時代の庭園が百済や新羅等のデザインや技術によって造られた飛鳥時代の宮殿庭園のようなものではなく、既にこれらの庭園デザインが奈良時代後期には定着していたことが分かっている。こうした近年の発掘調査や研究から、日本庭園のデザインは奈良時代に確立され、平安時代にその洗練の度合いを深めたといわれている。
東山、北山、西山に三方を囲まれ、高野川、賀茂川、桂川をはじめとした大小の河川が南部の低地に向かって流れ下る京都盆地。河川ごとに扇状地を形成する地質が異なることから、地質が変化する境界付近などで伏流水が噴出する現象が見られ、かつてはそこここに池沼が見られた。盆地を囲う山並みの姿の美しさとともに、こうした豊かな水脈は平安京の持つ作庭上の大きな利点でもあったようだ。
平安時代の京都は右京と左京に分かれ、居住に適した左京に人々が集まり、右京は湿潤な土地柄なために閑散とした状況であったという。
一説によると、平安初期には西側(右京)を「長安」、東側(左京)を「洛陽」と呼んだが、右京の「長安」側は湿地帯が多かったことなどから程なく廃れ、市街地は実質的に左京の「洛陽」だけとなった。このため、「洛陽」が京都を指す言葉になり、その一字「洛」だけでも京都を意味するようになったと云われている。
政治的に律令制がそれなりに保持されていた平安時代の前期から10世紀半ばの時代には、こうした立地を活かした大規模な池庭が築造されたことが文献史料から知ることができる。
天皇や貴族たちによって数多くの大池泉庭園(日本庭園では「池」のことを「池泉(ちせん)」という)が造られたが、残念ながら、今日に当時の完全な姿は残されていない。
ただ、当初の規模とは比べるべくもないが、京都市中京区の二条城南方に位置する東寺真言宗の寺院・神泉苑(しんせんえん)に、その名残を見ることができる。
神泉苑は平安京大内裏(だいだいり)のすぐ東南の地に湖沼の一部を利用して禁苑として造営されたもので、平安遷都と同時に着工され、常に清泉を湧出するところからこの名称が付けられた。
禁苑とは宮中にある庭のことで、上代中国の専制君主が豪華壮大な苑池、池を中心とした自然の景観をそのままとり入れた幽遠豪壮なものを設けることによって自らの偉大さを示したのをその範とする。
造営時の境域は、北は二条より南は三条まで、東は大宮より西は壬生大路に画した南北四町(400m)、東西二町(200m)という広大なものであった。現在の御池通は、大きな池があった当苑の横を通っていたことにその名称が由来すると云われている。
神泉苑は涸れることのない泉にちなんで、しばしば雨乞いの祈りの場となった。中でも有名なのが824年の大干ばつの時、西寺の守敏(しゅびん)と東寺の空海による祈雨の法を競いである。天竺(インド)の池にすむ龍神「善女龍王(ぜんにょりゅうおう)」を勧請した空海が勝ち、以降、祈雨の霊場として厚く信仰されるようになったという。現在も境内には、「善女龍王」が祀られている。
869年、東北で地震が起こり疫病も流行したため、神泉苑で御霊会が行われた。祇園社(現在の八坂神社)に祀られる牛頭天王が効力を持つとされたため、祇園社から神霊を乗せた神輿を出して神泉苑に運び入れ、その南端に当時日本の国の数である66本の矛を立てて鎮魂。これが祇園祭の始まりとされ、現在も祇園祭還幸祭において中御輿が神泉苑に入る。
西国街道沿いの10市2町が参加する連携事業「魅力再発見 西国街道2017」。
9月9日にオープニングイベント「歴史街道リレートーク」でスタートしました。
今年は「古代のみちと遺跡」をサブテーマに、リレーウォーク及び各種イベントを順次開催していきます。また、抽選で「トラッキー×阪神電車ボールペン」が30名様に当たる、スタンプラリーも同時開催しますので、こちらもお楽しみください。
あなたも「歴史街道」の応援団に!
10月1日から「入会金無料キャンペーン」を実施しています。
歴史街道倶楽部は、「歴史街道計画」の推進を応援し、歴史文化に親しみたいという方のための倶楽部です。ご入会いただきますと、歴史の舞台を旅するオリジナルイベント「歴史のまちウォーク」に参加できるほか、四季折々の情報を満載した会員誌「歴史の旅人」がお手元に届きます。
歴史街道倶楽部では、もっと多くの方にご参加いただき、日本の歴史文化の良さにふれていただけるよう、10月1日から来年2月28日までの期間「入会金 無料キャンペーン」実施しています。
また、今回は、あわせて特別賛助会員(年会費10,000円)も募集しています。
この機会に是非、歴史街道倶楽部にご入会ください!
■年会費:3,000円(特別賛助会員は10,000円)
■入会金:1,000円 ※キャンペーン期間中は無料
■お問合せ先:歴史街道倶楽部事務局 TEL:06-6223-7182(平日10:00~17:00)
詳細、資料請求はコチラのバナーをクリック!▼
このサイトは、プライバシー保護のため、
SSL暗号化通信を採用(導入)しています。
SSL推奨ブラウザについて