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歴史コラム

Presented by 歴史街道推進協議会歴史街道

第48回 播磨の奥座敷 自然豊かな多可を訪ねて(兵庫県多可町)

兵庫県の東播磨地域の内陸部に位置する多可町。平成17年、多可郡の中町・加美町・八千代町が合併して誕生しました。周囲を中国山地の山々に囲まれ、四季折々の自然風景と歴史を楽しむことができるまちは、播州歌舞伎などの伝統芸能をもち、酒米の最高峰「山田錦」、日本一の手すき和紙「杉原紙」などの特産品や、国民の祝日「敬老の日」の発祥の地としてまちをPRしています。

「山田錦発祥の地」中区をめぐる


播州歌舞伎

中国自動車道・滝野社ICから約20km、多可町役場がある中区は、多可町の中央東側に位置し、山田錦発祥の地として知られています。役場から北へ約1km、鍛冶屋線記念館は、西脇市の野村駅から多可町中区の鍛冶屋駅間を結ぶ播州鉄道として、旧JR鍛冶屋線の市原駅舎をそのまま残したもの。大正から平成の初めまで、生活の足として地元の方に愛されてきました。記念館には、車両の一部が展示され、約2kmが「歩っ歩の道」として、廃線跡をウォーキングすることができます。
さらに北へ。妙見富士とも呼ばれる秀峰「妙見山」の麓には、7世紀に造られたとされる東山古墳群(古墳時代後期)があります。県内最大級の石室を持つ1号墳をはじめ、16基で構成され、須恵質切妻家形陶棺(焼き物のひつぎ)が原形をとどめた状態で出土するなど、多くの出土品が発掘されています。 隣接する那珂ふれあい館では、東山古墳群をはじめ、町内から発掘された出土品が展示されているほか、多可町の文化財についての調査、研究が行われており、地域の歴史学習の拠点となっており、体験学習室や陶芸・七宝室では、勾玉づくりや土器作りなども楽しめます。
妙見山は標高約693m、登山道や案内板も整備され、約2時間程度で登ることができます。ヤマザクラや椿、クヌギやブナなどの灌木、鳥や昆虫など自然を身近に感じながら山頂へ。頂上からの眺めも壮大です。


東山古墳群

東山古墳群


「日本地の手すき和紙「杉原紙」発祥の地」加美区をめぐる


岩座神の棚田・石垣

中区の北、丹波市と朝来市に隣接するのが加美区です。奈良時代後半から、1300年の歴史をもつという杉原紙。平安時代から室町時代には貴族や武士に最高級品の献上品として用いられました。江戸時代に最盛期を迎えましたが、明治にはいり、西洋の製紙技術の流入で衰退し、大正末期に歴史の幕を一端閉じました。昭和47年、再び、杉原紙を漉こうという機運が高まり、区の北端にある杉原紙研究所が設立されました。研究所では、この杉原紙を使った様々な製品を生産・販売しています。
加美区の中ほどにある「岩座神」。千ヶ峰の南麓、杉原川の支流多田川の最上流域で、「岩座神(いわすわりかみ)山」が、「いさりがみ」に変化したといわれています。
ここ一帯は、鎌倉時代につくられたといわれる石垣の棚田があります。 その風景は岩座神の信仰から、天に向かって石垣を積むように見えるところから『農のピラミッド』と呼ばれ、日本の棚田百選に認定されています。
高台にひっそりとたたずむ山寺「神光寺」は7世紀の開基。一端廃退した寺院は、18世紀に復興。現在の本堂に背後にある千ケ峰の山中には中世の寺院の遺構があります。棚田の中に建つ三門には鎌倉時代の作といわれる金剛力士像が往時の面影を偲ばせています。


岩座神の棚田

岩座神の棚田・石垣


「敬老の日」発祥の地・八千代区をめぐる

昭和22年、当時の村長が全国で初めて村主催の「敬老会」を開催。県や国に対して広く働きかけを続けました。昭和41年「敬老の日」が国民の祝日に加えられ、八千代区には「敬老の日提唱の地」の石碑が建てられています。
八千代区の西南に建つ柳山楊柳寺は6世紀の開基を伝えられ、往時は七堂伽藍が建ち並んでいましたが、16世紀に焼失。その後、一部が再建されました。5haを超える境内には、本堂をはじめ、仁王門、鐘楼堂、阿弥陀堂、奥の院、薬王院などの堂宇が建ちならび、本尊の観音菩薩立像や十一面菩薩観音など、平安時代初期から後期にかけての仏像7体が安置されています。
八千代区で有名なのはマイスター工房八千代。田舎のコンビニとして、人気のある工房では、地元の食材、食文化にこだわったお土産が盛りだくさん。特に、ふんわり香ばしい卵焼きと半分のキュウリが特徴の天船巻きずし、季節の野菜を食べやすいようにピクルスにしたものを酢飯で巻いたカラフル巻き、鯖寿司を作る際にできる、鯖のカマの部分を辛子和えにしたものを具に巻き上げたチョイワルおやじ巻、鯖寿司用の鯖に辛子を挟み、大葉やキュウリを具に酢飯で巻いた昔おとめの櫛恋巻など、ユニークな北播磨巻き寿司が有名です。


楊柳寺坂

楊柳寺山門

■多可町の道の駅
道の駅「山田錦発祥のまち・多可」
http://www.kkr.mlit.go.jp/road/michi_no_eki/contents/eki/h33_Yamada-nishik-taka/index.html
多可町産山田錦で醸造された日本酒や地鶏百日どりを使用した特産品と地元米などを販売

道の駅「杉原紙の里・多可」
http://www.kkr.mlit.go.jp/road/michi_no_eki/contents/eki/h11_rutoyonniinanakami/index.html
杉原紙研究所に隣接
■多可町の観光情報はこちらから
■アクセス
http://www.takacho.jp/map/access_mapV3.html
大阪市内から阪神高速、近畿自動車道を経て、中国自動車道・滝野社ICから北西約20km
情報提供/歴史街道推進協議会
歴史街道のイベント
教育プログラム
「ならまち今昔フォト探検」
4月22日(土)

次代を担う若者や子どもたちに日本の歴史や文化にもっと親しみ、理解を深めてもらおうという歴史街道版「教育プログラム」。
4月には、奈良教育大学との共催で「ならまち今昔フォト探検」を開催します。
旧元興寺の境内地に民家が建ち並んでできた今も江戸時代の印象が残る価値ある「ならまち」で、30年〜50年前に撮影された町並みの写真を手がかりに、現在の様子を探してデジカメに撮影していただく探検活動を通じて、時代の流れを実感していただきます。

実施日:4月22日(土)9時〜12時45分
集 合:近鉄奈良駅 行基菩薩噴水前 近鉄奈良駅 東出口改札から2または3番出口
対 象:小学生、中学生、その保護者
定 員:15組 30名(申し込み先着順)
参加費:小中学生・保護者ともに お一人様500円
締 切:4月7日(金)必着
持ち物:デジタルカメラ または スマートフォン 詳しくは http://www.rekishikaido.gr.jp/201704naraphoto/

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