水やりは、植物を育てる上で一番大事な管理ですが、水の加減を間違って失敗してしまうことが多く難しい作業です。農家さんでも「水やり3年」と言われるほど、奥の深い仕事です。
人間も同じですが、水は植物にとって必要不可欠であり、生命活動を行なう根本です。根から吸収され、茎の導管を通り、枝から葉や花芽に移動し、光合成を行なう重要な役目をします。そして葉裏の気孔から、呼吸とともに余分な水分は蒸散されます。また肥料も水によって溶けることにより、根から吸収されますのでこの点からも大事な役目を担っています。
水やりの基本として、土の表面が乾いたらたっぷりと水をやります。コツとしては、土に人差し指の第一関節ぐらいまで入れて指の先端が乾いているようなら水やりを、湿っているようならすぐにやらなくても大丈夫です。必要以上の水のやりすぎは禁物で、根腐れをおこす原因になります。
鉢やプランターなど容器で栽培しているものは、水をやる時は排水孔から流れ出すくらいにしっかりと与えることが大事です。また容器栽培では季節によって水やりの頻度を変えるようにします。夏場は乾燥が激しいため、毎日でも水が必要です。春や秋はそれほど温度が高くないため土の乾きが遅く、植物の生育具合を見ながら変えるようにします。水の要求量は、植物が小さいうちは根の吸収量が少ないが、大きくなって根が張るようになれば水がたくさん必要になります。
水やりは、午前中、朝早く行なうのがよいでしょう。夜にやると植物が徒長しやすくなり、夏の日中や夕方にやると土温が上昇して、根腐れをおこしやすくなります。
また、ジョロやハス口などで細かな水をやさしくやるようにします。ホースなどで勢いよく水をやると、土の表面がしまり根に酸素が送れなくなります。タキイの農場では、やさしく潅水するために、ホースの先に軍手をくくりつけておこなっています。
畑でなかなか潅水できない場所では、乾燥を防ぐために土の表面にワラやマルチを利用するようにしましょう。
生育初期 | 生育最盛期 | |
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キュウリ | 100〜200ml | 2~3L |
トマト | 50〜150ml | 1.5~2.5L |
ピーマン | 50~100ml | 1.5~2L |
レタス | 20~40ml | 100~200ml |
セルリー | 50~100ml | 300~500ml |