うねに溝をつけて、そこに1列にタネをまく方法です。株が一直線に並ぶので、間引きや追肥、中耕、土寄せなどの作業がやりやすいまき方です。株間の狭い菜類や地床育苗する時などに向きます。
作物に適した条間、株間で、1カ所に数粒ずつタネをまきます。地上部が大きくなり株間の広いものに向いています。間引きの手間が少なくなり、比較的まきやすい方法です。
うね全体にタネをばらまく方法。タネが大量に必要で、間引きの手間もかかりますが、生育期間の短い野菜や、スペースが狭い場所には向きます。
タネをまいたら、土をかけ、表面を軽く押さえます。覆土の厚さは、タネの粒径の2~3倍くらいが目安です。タネの発芽にあたり、太陽光線が与えられると発芽を促進するものを好光性種子と呼びます。その好光性種子のレタス、セルリー、ミツバなどはごく薄く土をかけるか、土をかけずに板などで押さえるだけにするとよいでしょう。薄く覆土するときは、土をふるいに通すと均一にかけられます。覆土後ジョウロなどで水やりして、タネと土をなじませます。発芽までは、ぬれ新聞紙や不織布、モミガラ、切りワラなどをかけて乾燥を防ぐようにします。
特にタネの小さいニンジンは、もともと水を吸う力が弱いので乾燥すると発芽率が極端に落ちます。タネまき後、こまめに水やりをするようにしましょう。
ほとんどの野菜は、最初はタネを多めにまいて、発芽後、苗が小さいうちに間引きをします。間引きは、株の密生を防ぐとともに、徒長したり弱っているものを淘汰し、よい株だけを残して育てるためにも重要な作業です。
間引きは、発芽や生育の状態に合わせて、2〜3回程度行うのが一般的です。目安として発芽をして子葉が開いたころ、全体を半分に減らすくらいに苗の密集した所を透かすようにして間引きします。2回目は本葉が1〜2枚出たころ、3回目は本葉が3〜5枚ごろに行います。生育が遅れている苗や徒長しすぎているもの、葉の形や色が異なるもの、病害虫に侵されたものを選んで間引きをし、健全な生育をしている株を残すようにします。
(タキイ種苗 奥本和夫)