第十一回　沖縄の春、海の幸、山の幸

沖縄の春の食、到来

春から初夏にかけて気分は開放へと向います。不思議と人は海へ山へと出かけたくなる季節。やはり人は自然物だなぁと感じる時でもあります。本州に居ると、島にそそられるのもこの季節。僕の周りでも屋久島ブームがここ１ヶ月起きています。そしてやはり本丸は沖縄。この時期の沖縄は陽の光が眩く、花が咲き誇るだけでなく、食べ物がうまい。海も山も。特にオススメはもずくと島らっきょう。

海の幸、伊是名もずく

もずくは漢字で水雲と書きます。まさに形容そのもの。沖縄の健康寿命は日本一、その根底にあるのはもずく。経験的にも学術的にも言われている琉球王朝から伝わる沖縄の人々の源を培って来たもずく。細長い地形、沖縄のほぼ全域で採れますが、筆者のオススメは伊是名もずく。一言で言うとハリコシが違います。ハリコシの違いは生で特に感じられますが、しっかりとしている分、てんぷら（美味しいてんぷらの揚げ方は前回お知らせしていますので、ぜひ参考に！）やお好み焼きに入れるとバツグン。伊是名は1500名ほどからなる小さな島で昔ながらの沖縄がそこにはあると聞きます。僕はまだ彼の地へは訪れてはおりませんが、好きが高じて東京在住の伊是名出身者の会へ出向いたり、伊是名のもずくで食卓イベントを開催（写真参照）等しております。ハリコシのあるバツグンに美味しい伊是名もずくのおかげか、伊是名の人のハッピー感はハンパではありません。そういえば琉球王国宗主はたしか伊是名の出身だった様に記憶しています。

山の幸、島らっきょう

春を代表する山の幸は文句無しに島らっきょう。味噌で頂くと白いごはんとの相性もバツグンですが、やはり酒飲みにはアテとして堪えられないものがあります。歳を重ねると単に甘いとか辛いとかだけでなく、苦みや雑味がなんとも奥深く旨みを形成するのに出会うと口元が緩んで参ります。この島らっきょうもそのひとつ。最近では九州でも栽培が盛んですが、やはり真打ち沖縄にはかないません。この島らっきょう、抗がん作用や動脈硬化を抑えたり、肌艶を良くする効能も発見されているすぐれもの。もずくに島らっきょう、沖縄の方がお元気なわけです。体に良くて肌がつやつや、そしてアテにもってこい。これはお酒がいくらでもイケます。しかし、美味しすぎるからといって飲み過ぎはほどほどに。

＊あすたいむで連載中の食べる漫画「ぐるりちゃん」も島らっきょうを取り上げております。