おやき(お焼き)は、小麦粉を水で溶いて練り、薄くのばした皮で野菜などの具を包み、焼いたり蒸したりしてできた食べ物です。
その昔は、平らな鍋で表面を乾かしてから、囲炉裏の灰に埋めて蒸し焼きにしたものが原点といわれます。囲炉裏がなくなり釜戸、そしてガスへの移行が、セイロで蒸(ふ)かしたものへと作り方を変えながら、長野県の郷土食や各家庭の味として現代に伝えられています。
おやきは、地域や家庭により千差万別で、大きく分けて「焼き」「揚げ焼き」「揚げ蒸かし」「焼き蒸かし」「蒸かし(ふくらし粉入り)」「蒸かし(ふくらし粉なし)」の6つの製法があります。そのため食感が異なり、好みも分かれます。ただし、具が野菜ということは共通しています。手軽さやヘルシーさ、また、栄養面が見直され、いま新たに長寿県信州・長野県の代表的な郷土食として注目されています。
<カツ> | ||
具(野菜ミックスの場合) | ||
下記の野菜を刻み調味料を加える | ||
キャベツ | ………… | 350g |
人参 | ………… | 100g |
玉ネギ | ………… | 200g |
茹でた青菜 (小松菜など) | ||
………… | 100g | |
調味料 | ||
(味噌60g、砂糖25g、すりごま30g、 粉末だし 小さじ1(もしくは昆布粉・ 鰹節粉など) |
皮 | ||
小麦粉(中力粉) |
…… | 500g |
(お好みでベーキングパウダー10g) | ||
水 | …… | 350g |
おやきも信州産で、「野沢菜」「野菜ミックス」「ネギみそ」「カボチャ」「しめじ」の5種類楽しめます
長野県佐久(県東部)地方に伝わる慶弔時のおもてなしの逸品「鯉料理」。中でも、大胆な輪切りの鯉のみそ汁「鯉こく」は鯉料理の代表格です。同じ鯉の輪切りを、濃い口醤油、酒、砂糖でじっくりと煮込んだ甘煮「うま煮」も、汁があめ状になり照りが出て、とても美味しい郷土料理です。また、「鯉のあらい」は、新鮮な鯉の身をぬるま湯に通し冷水でしめ、わさび醤油で「シャキッ」といただくお刺身で、これもまた絶品です。
今月ご当地グルメでご紹介しました信州・長野県のおやき。秋が深まり寒さを増すこの時期、ほかほかの〝おやき〟は心も体も温かくしてくれます。長野県の郷土料理は、その味とともに囲炉裏やかまどなど日本のふるさとの風景を思い起させてくれます。同じくご飯もふっくらほかほかの炊きたてが嬉しいですね。