ポリフェノール：イソフラボン

１日摂取量の基準 ： 食品中の大豆イソフラボンに関する摂取基準はありません。
（詳しくは下記参照）

ポリフェノール：イソフラボン

大豆の胚芽に多く含まれる成分の一つで、多くの植物に含まれるポリフェノールの一種です。化学構造はＣ６－Ｃ３－Ｃ６の炭素骨格を持つ三環性化合物でフラボノイドの位置異性体です。女性ホルモンのエストロゲンと似た構造をしており、女性ホルモンと類似した働きがあることから注目を集めるようになり、「植物性のエストロゲン」とも言われています。その効力は、女性ホルモンのエストロゲンに比べて１０００分の１程度なので、穏やかな作用がもたらされます。

ポリフェノール：イソフラボンの主な働きは？

女性ホルモンと似たような働きをするイソフラボンはイライラ・のぼせ・肩こり・冷えなどといった更年期障害の症状の改善や閉経後に危険度が増すと言われている骨粗鬆症の予防の働きがあり、その効果が期待されています。この他に、コレステロール値低下作用やポリフェノールの持つ抗酸化作用や抗ガン作用の効果も期待されています。

ポリフェノール：イソフラボンが不足すると、また、摂りすぎるとどうなる？

イソフラボンは女性ホルモンの働きをすることから、サプリメンなどによる過剰摂取は体内の女性ホルモンのバランスを崩すことがあると考えられています。そのため妊娠中や授乳中の女性、乳がん・前立腺がんと診断されている人などは、サプリメントでの摂取には注意が必要です。食品としての大豆・大豆製品に関しては極端な食べ方をしない限り心配ありません。低脂肪で良質のたんぱく質源として、またカルシウム源としてとしても有用で、妊娠中・授乳中の女性にもお勧めの食品です。

(１日摂取量の基準について)
※イソフラボンに関する摂取基準はありません。ただし、特定保健食品としての大豆イソフラボンの安全な１日上乗せ摂取量の上限値は３０ｍｇ/日、食品と合わせた安全な一日の摂取量目安量の上限値は７０～７５ｍｇ/日（大豆イソフラボンアグリコン換算値）

ポリフェノール：イソフラボンが含まれる主な食材は？

大豆や豆腐・納豆・みそ・しょうゆなど大豆を原料とする製品にはほとんど含まれていますが、その含有量は製造方法などにより異なります。とくに多く含まれる食品としては大豆を炒って粉にしたきな粉で、大豆イソフラボンアグリコン換算値で１００グラム中に２５０ｍｇ程度含まれています。

ポリフェノール：イソフラボンの上手な摂り方は？

骨粗鬆症の予防には１日当たり５０ｍｇぐらい摂取すると効果があるという報告があります。これは豆腐で摂るとすると１００ｇ、納豆で６０ｇ、きな粉で２０ｇ程度です。１日の食事の中で１食に大豆製品を取り入れるようにする十分に摂取できる量です。豆腐や納豆はそのままでもおいしくいただける食品なので、手軽に取ることが可能ですね。また、大豆には食物繊維・ビタミンＢ群やビタミンＥも多く含まれていて、ヘルシーで栄養価の高い食品としても毎日摂取するといい食品です。