1日摂取量の基準:食品中のオリゴ糖の摂取基準はありません。
(詳しくは下記参照)
糖質には単糖類・単糖類が2~5個結合した少糖類・単糖類が数十から数万個結合した多糖類がありますが、その中の少糖類にオリゴ糖は含まれます。糖質は体内でブドウ糖に分解されてエネルギーとして利用されますが、オリゴ糖には大腸以外では吸収されにくいものがあり、これは食物繊維に分類されます。難消化性のオリゴ糖の代表的なものとしては、ごぼう・バナナなどに含まれるフラクトオリゴ糖、大豆に含まれる大豆オリゴ糖、はちみつ・味噌などに含まれるイソマルトオリゴ糖があります。
オリゴ糖は大腸にそのまま届きビフィズス菌など善玉の腸内細菌の栄養源となり、腸内の善玉菌を増やします。善玉菌が増えるとことで悪玉菌の活動が抑制されて腸内環境を整えることができます。ビフィズス菌が増えると腸内でビタミンB1・B2・B6・B12・ナイアシン・葉酸の合成が促進され、免疫力が強化されます。免疫力が強化されることで腐敗菌や感染菌の感染予防に期待できます。また、ビフィズス菌の活動を活発することで腸の蠕動運動を活発にして便通をスムーズにし、便秘解消・大腸がんの予防の助けとなります。
オリゴ糖の不足による体への影響としては、善玉菌の栄養が不足することで起こる善玉菌の減少と活動の抑制があります。腸内の善玉菌が減少すると、悪玉の腸内細菌の増殖が起こり腸内環境が悪化させます。悪玉菌の活動を活発になると有害物質が増えて免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなるなどの影響が考えられます。また、過剰の摂取によりおなかがゆるくなることがありますので、おなかをこわしやすい人は特に一度に大量に摂取しないなどの注意が必要です。
(1日摂取量の基準について)
特定保健用食品(規格基準型)として1日の摂取目安量は大豆オリゴ糖2~6gフラクトオリゴ糖3~8gガラクトオリゴ糖2~5gイソマルオリゴ糖10gなどが決められています。
大豆と大豆製品(味噌・醤油・きな粉など)や玉ねぎ・ごぼう・アスパラガス・とうもろこし・はちみつ・ねぎ・バナナ・にんにくなどの甘み成分として含まれています。一つの食品に含まれるオリゴ糖の量はわずかなので、いろいろな種類の食品をまんべんなく食べるといいですね。
オリゴ糖はビフィズス菌などを含むヨーグルトと一緒に摂ると乳酸菌の補給にもつながり、より多くの善玉菌を腸内で増やし、悪玉菌の増殖を抑制し腸内環境を整えることができます。たとえば、オリゴ糖を含んでいる大豆を炒ってから粉末にしたきな粉やはちみつをヨーグルトに混ぜて食べると効果的です。また、最近はオリゴ糖を添加した清涼飲料水・ヨーグルト・お菓子類などが出回っていますので、それらを使うことも効果的です。ただし、食べすぎには注意しましょう。