
■初期イスラム建築の巨大な霊廟
- 11世紀にジヤール朝の首都だった、イラン北部のゴルガン(ジョルジャン)に立つ無釉煉瓦造りの墓塔。高さは53mで、壁面の銘文には、1006年にジヤール朝君主のカーブースが自身のために建てたと記されている。内部は空洞で、やや先細りの円筒状、突出するつば状の縁が壁面を飾る。その構造と優れて幾何学的な意匠は、初期イスラムの煉瓦建築の傑作。また、円錐形の屋根を頂く墓塔の形式としては最古の事例であり、この形式は後にイランだけでなく、広くアナトリアから中央アジアまで定着していった。
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※本内容は日本ユネスコ協会連盟の協力のもと、転載しています。
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