年金について学べるコラム。
特定社会保険労務士
岩井 真規
さくら労務コンサルティング 代表
E-mail : sakurapm@theia.ocn.ne.jp
65歳未満で定年退職した場合、再就職先が決まるまでは、雇用保険から失業給付(基本手当)を受けることができます。ただし、この失業給付(基本手当)を受けると、その間の老齢厚生年金を同時に受けることはできず、老齢厚生年金が全額支給停止されます。
よって、失業給付(基本手当)と老齢厚生年金の1ヶ月額を比較して、どちらか多いほうを受給しましょう。
では、どのように比較すればよいのでしょうか?老齢厚生年金の年金額は、毎年誕生月に日本年金機構から送付される「ねんきん定期便」などで確認することができます。「ねんきん定期便」に記載されているのは年額ですので、12で割った金額が1ヶ月分の年金額という計算になります。
一方、雇用保険の失業給付(基本手当)の金額は、退職前の6ヶ月間に受けた給料額に基づき、支給額が決定されます。基本手当の目安額は下表のとおりです。
退職前の 税込月収 |
15万円 | 25万円 | 35万円 | 40万円 | 45万円 | 50万円 |
---|---|---|---|---|---|---|
失業給付 (基本手当) (1ヶ月分) |
11.1万円 | 13.9万円 | 15.7万円 | 18.0万円 | 19.6万円 | 19.6万円 |
失業給付(基本手当)を受給する場合は、ハローワークで手続を行いますが、この場合には年金事務所へ失業給付(基本手当)を受給する旨の届け出が必要になります。
また、退職が65歳以上の場合には、雇用保険から失業給付(基本手当)ではなく、高年齢求職者給付金を受給することができますが、高年齢求職者給付金と老齢厚生年金は両方受給できます。退職時の年齢によって雇用保険から受けられる給付は異なり、年金と両方受給できるかどうかも異なりますので、ご注意下さい。
詳しくは社会保険労務士に相談するか、お近くの日本年金機構へお問合せください。
<日本年金機構全国の窓口> http://www.nenkin.go.jp/office/index.html