コラム「今宵のごちそう」は、シニアの皆様(だけでもないと思いますが)におけるごちそうの意味をちょっと考えるきっかけになればいいなと思って進めてまいります。美味しく、ちょっとだけためになるかもしれません。
高原 純一
食のぐるり株式会社 代表取締役
E-mail : takahara@shokuguru.com
東京・世田谷にて親子でさかなを楽しむ『さかなぴちぴち』というイベントをほぼ毎月開催しています。
最近はお母さんがさかな料理が苦手なのか、子供があまりさかなを食べなくなりました。日本は四方を海に囲まれ、縦に長く季節の旬を感じられるさかなの宝庫です。昔からさかなをいただいて僕らは育ってきました。切っても切れない日本の文化です。
イベントで子供たちも親御さんも最初はおそるおそるさかなに触るのですが、そのうちワイワイいいながらさばきだします。何度も参加している子は職人のような子もいます。特に子供たちはイカが好きですねえ。食べ方もイカ飯やイカスミのリゾットなどバラエティに富んで美味しいし、さばくのも手でさばけてスミが出てきたり目玉が出てきたり楽しいようです。ぜひ、お子様やお孫さまとお家でもイカを楽しんでさしあげてみてください。
そのイカですが年中出回っておりますけど、俳句の世界で“花烏賊”というと春の季語。そういえば富山のホタルイカも春ですね。食べてよし、さばいて楽し、俳句で春を感じられる。たかがイカされどイカ、なかなか楽しいもんです。こういうのを、日本に生まれてよかったと思えるちょっとした瞬間っていうのでしょうね。