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歴史コラム

Presented by 歴史街道推進協議会歴史街道

第82回 歴史街道「近代ゾーン」

開港と居留地

神戸港
神戸港

徳川幕府が1858年に欧米5カ国と結んだ修好通商条約によって、1867年に瀬戸内海最大の貿易港である兵庫港を開港することになっていた。
兵庫港は奈良時代から「大輪田の泊」と呼ばれ、1180年、福原に都を遷都した平清盛によって対宋貿易の拠点にするために大改修された。鎌倉時代から兵庫津と呼ばれるようになり、中国や琉球の船が往来して外国の物産を日本へ運んだ。江戸時代には日本海側から下関を回って兵庫津へ入る船が増え、これが北前船へと発展し、蝦夷地・北海道の物産を京・大阪へ運び込むようになった。徳川幕府の将軍が代わるたびに将軍を表敬訪問した朝鮮通信使も江戸へ向かう途中、兵庫津に立ち寄っている。
幕府は外国人とのトラブルを恐れて歴史ある兵庫港を避け、当時は寒村の港に過ぎなかった神戸港を開港場とした。この避難的な選択が世界にその名が知られる神戸港への発展のきっかけになったのは皮肉である。


15番館
15番館

修好通商条約で開港地には外国人が住む居留地を設けなければならなかった。神戸の居留地は、東西が現フラワーロードから鯉川筋(現大丸百貨店西の通り)、南北は海岸通から大丸前の通りまでの約26haが指定された。
開港翌年の明治元年(1868)から、初代兵庫県知事になった伊藤博文のもとで居留地の建設は進められ、全体を126区画に分け、人道と車道を分けた道路、公園の設置、下水道の整備など最初から計画的な都市作りが行われた。
居留地には修好通商条約を結んだアメリカ、イギリス、フランス、ロシア、オランダの5カ国の人々が住むようになり、領事館、銀行、商館、ホテル、住宅などが建ち並び、貿易、経済の中心地として発展していった。旧居留地には当時の建物として15番館が残っており、ほかに居留地の区画番号を示す石柱や門柱などもわずかに残っている。


北野異人館街

明治20年(1887)以降、経済的に安定してきた外国人たちは住居を見晴らしのよい山手方面へ移すようになり、北野町一帯が住宅地として開発され、専用住宅を建築した。北野町に残っている異人館は明治20年から大正初めにかけて建てられたもので、当時は100棟以上あったが、太平洋戦争の戦火や老朽化、都市計画などによって姿を消し、現在では20数棟になってしまった。

うろこの家
うろこの家
風見鶏の館
風見鶏の館

現在残っている異人館で公開されているのは「風見鶏の館」「うろこの家」等約20棟。「風見鶏の館」は、尖塔上の風見鶏と赤レンガの外壁が北野町異人館街のシンボルとなっている。建物の随所にアール・ヌーヴォーの影響を受けたデザインや装飾品が目につく。「うろこの家」は壁面の約3000枚の天然石スレートが、魚のうろこのように見えるところからこの名がついた。館内には重厚なアンティーク家具や調度品、西洋の名磁器などが置かれている。
ハイカラな雰囲気の北野町だが、その地名は平清盛が都の鬼門鎮護のため、京都の北野天満宮を勧進したことに由来する。


神戸市誕生

生田神社
生田神社

神戸の地名のルーツとなったのが生田神社。平安時代初めの806年、朝廷より生田神社に封戸(ふこ)として44戸が与えられた。封戸とは神に仕えて奉仕する人々の家のことを言い、神の封戸、すなわち神戸(かんべ)が近世に神戸(こうべ)となった。
生田神社に奉仕する集団から地名が生まれた「神戸市」は明治22年(1889)に誕生。市制施行当時は中央区と兵庫区の一部で、面積は21平方km、人口は13万5000人に過ぎなかった。以後、周辺の町村を合併して市域はどんどん広がり、神戸港を中心にした貿易、商工業都市として発展し、日本を代表する国際都市となった。


南京町

南京町西安門
南京町西安門

元町通の南に広がる東西300m、南北110mの南京町は、中華料理店、食材、雑貨、中国茶専門店などがひしめき合うように並び、毎日、観光客で賑わう神戸の大人気スポットのひとつである。
南京町の誕生は、明治元年(1868)と言われている。この時やって来た11人の華僑が神戸華僑のルーツと言われ、この人たちが元町の南側に住み、現在の南京町へと発展した。明治11年(1878)には神戸に清国領事館が設置されて、貿易業などの中国人が増えるとともに一大中華街へと発展していった。最盛期の昭和初めごろには世界各国の珍品がそろい「南京町に行けば何でもある」と言われ、全国各地から買い物客が押しかけて賑わった。第2次世界大戦の空襲で大打撃を受けたが、たくましいエネルギーで復興が順調に進み、戦前をしのぐ賑わい見せる町に復興した。
南京町の近くの神戸中華総商会ビル2階にある神戸華僑歴史博物館は、華僑の歴史を語る品々が展示されている。海産物や珍しい物産と一緒に神戸に石油ランプを持ち込んだのも華僑たちだった。華僑の子孫たちは「このランプが神戸に黎明の灯をともした」と誇らしく語っている。


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