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歴史コラム

Presented by 歴史街道推進協議会歴史街道

第84回 歴史街道「朝来市生野銀山」

国内初の官営鉱山


入口全景

兵庫県のほぼ中央に位置する生野町は播磨方面からの但馬の玄関口で、古くから生野銀山で知られ銀山とともに栄えてきた鉱山の町。生野町といえば「生野銀山」と言われるほど銀山の知名度は高い。
生野銀山は平安時代初期の大同2年(807)に発見されたと伝えられているが、裏付ける資料がなく正確な時期は不明。本格的な採鉱は戦国時代の1542年で、その後、織田・豊臣時代、江戸時代に銀山開発が盛んに進められた。江戸時代は佐渡金山、石見銀山と並んで徳川幕府の財源的な存在だった。
1868年(明治元年)には日本初の官営鉱山(政府直轄)となり、お雇い外国人第1号となるフランス人技師ジャン・フランソワ・コワニエを招き、採掘や鉱石の運搬などにヨーロッパの先進的鉱山技術を採り入れ近代化を図った。1889年(明治22年)には佐渡鉱山とともに皇室財産に移され、宮内省御料局の所管となった。石門には生野銀山がかつて皇室財産だったことを表す菊の御紋章が輝いている。
1896年(明治29年)には民間の三菱合資会社に払い下げられ、以後、三菱の経営で国内有数の大鉱山として金・銀・銅から銅・鉛・亜鉛・錫に生産の中心を移しながら、1973年(昭和48年)に閉山するまで日本の経済発展を支え続けてきた。


最盛期の人口は約2万人

銀の産出量が多くなった豊臣時代から江戸時代にかけ、生野には大勢の人たちが移り住むようになり町は栄えた。代官所の役人やその関係者、生野銀山で働く人、これらの人々を相手にする商人らが住みついたのが生野町の中心地・口銀谷(くちがなや)地区。ここには古い民家や1886年(明治19年)に建てられた旧生野警察署の洋館の建物が残っており、鉱山町独特の雰囲気を感じさせる。8代将軍吉宗の頃(1726 ~ 1745年)に生野銀山は最盛期を迎え、月産約562kgの銀を産出。2万人を超える人々が生野銀山とともに生計を立てていたといわれている。

ボーリング作業
ボーリング作業
坑内に湧く地下水
坑内に湧く地下水

観光施設としての生野銀山

露天掘り跡
露天掘り跡
鉱山資料館内
鉱山資料館内

戦国時代から430年間にわたって掘り進められた生野銀山の坑道は、東海道新幹線新大阪駅から静岡駅近くまでの距離に匹敵する総延長350km、地下880m の深さにまで達している。採掘した鉱石の種類は70種にも及んでいる。
1974年(昭和49年)に観光施設として史跡・生野銀山が開業した。国の史跡に指定された生野銀山跡は、民間会社の手で坑道などが整備され観光施設となった。坑内には江戸時代から現代までの採掘作業が人形を使って再現されている。江戸時代の坑道は坑夫ひとりがやっと通れるほどのもので、岩肌にはノミの跡が今も生々しく残っており、当時のつらい坑内作業がしのばれる。全長約1000mあり、年間を通じて気温が約13度で、江戸時代の坑道と現代の坑道を同時に体験できる貴重な史跡である。
坑道入口横にある山上階段を上って行くと露天掘り跡が見られる。地中から噴出した鉱脈が地表に現れた部分(露頭)を探し当て、そこから地中へ銀の鉱石を掘り進んで採掘した跡である。
鉱山資料館には坑内から出土した江戸時代の雁木(がんぎ)、はしご、竹とい、製錬に使ったふいご、坑内の模型、鉱石標本、銀山の様子を描いた江戸時代の絵巻物など、生野銀山にかかわる豊富な資料が展示されている。
2007年(平成19年)には、銀が発見されてから1200年を迎え、「生野銀山開坑1200年事業」が盛大に執り行なわれた。


生野銀山文化ミュージアム(生野鉱物館)

手掘り坑道
手掘り坑道

2011年(平成23年)には、生野銀山文化ミュージアム(生野鉱物館)を新装オープンした。館内には、生野鉱山の歴史と鉱山町としての地域文化を解説した展示パネルがぐるりと並べられている。
全国から集められた大型の鉱石標本や、生野鉱山で1922年(大正11年)から41年間にわたって地質・測量に勤務した藤原寅勝(とらかつ)氏によって収集された609点、戦後採鉱課長として生野鉱山に赴任し、その後1958年(昭和33年)から3年間にわたって生野鉱業所所長を務めた小野治郎八氏によって収集された155点の鉱物標本が展示されている。全国の鉱山から集められた大型の鉱石標本約50本は、日本の鉱山がほとんど閉山しているので、今ではどれも新たに採掘することができない貴重な標本である。
生野銀山、石見銀山の、江戸時代の原寸大坑道模型(狸掘り)も展示されており、実際にその坑道模型を潜る体験もできるようになっている。


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