ご存じ、徳川御三家のひとつ紀州徳川家の居城・和歌山城。こんもりとした虎伏山に御三家の威容にふさわしい風格をそなえた白亜の天守閣が建っています。江戸中期の和歌山ゆかりの豪商・紀伊国屋文左衛門の意気をイメージした郷土民謡「ぶんだら節」(紀州おどり・8月第一土曜日開催)に「城は城でも和歌山城は雲の眉ひくだて姿」とあるように、和歌山市のシンボル的な建築物です。
JR「和歌山駅」、または、南海「和歌山市駅」からバスまたは、徒歩で。(和歌山市駅から徒歩約8分)
天正13年、紀州を平定した豊臣秀吉が弟の秀長に築城させたのが始まり。その築城を担当したのが、築城の名人藤堂高虎でした。関ヶ原の戦いで功をたてた浅野幸長が入城した後、元和5年、徳川家康の第10男・徳川頼宣が入城し、以来、水戸・尾張と並び、徳川御三家のひとつとして栄えました。
国宝に指定されていた天守閣は戦災で焼失し、現在の天守は昭和33年に再建されたものですが、静かに水を湛える内堀や城郭をめぐらす石垣は、紀州藩55万5千石の城の風格を今に伝えています。場所ごとに「切り込みハギ」や「野面積み」など違う石積みがあり、また「刻印」「転用石」などにも和歌山城の時代の変遷を見ることができます。
一の橋大手門から表坂(登り口)を通り、天守閣へ。春には桜やツツジがお城をいろどります。城内には、大正時代に作られた動物園もあり、親子で楽しむこともできます。
天守閣から北側にある裏坂を下っていくと、紅葉渓庭園があります。徳川頼宣が西の丸御殿に築いたもので、その名前の通り、夏は緑、秋には赤い紅葉が庭園に彩りをそえています。
和歌山城と三年坂通りを渡って南へ。県立近代美術館や県立博物館など近代的な建物と並んで、五代藩主吉宗(後の徳川八代将軍)が建てた岡山の時鐘堂があります。この鐘は藩士の登城時や城下町に時刻を知らせるため、2人の番人によって管理され、刻限毎にならされました。また、火事や大水などの非常事態も知らせるもので、大坂夏の陣で豊臣方が使用した青銅製の大筒(大砲)から作り直されたものと伝えられています。
ここから南へ少し行ったところにあるのが刺田比古神社です。通称「岡の宮」と呼ばれ、延喜式内社で1000年以上の歴史をもつ神社です。ここは、八代将軍吉宗ゆかりの場所。子供を一度捨て、拾うと丈夫に育つという風習から、神主が吉宗の仮親になったといわれています。吉宗の出世にあやかる「開運の神様」として知られ、全国から多くの人が訪れています。
神社から少し歩くと、戦災をまぬがれた大きな寺院が並ぶ寺町通りに出ます。初代藩主頼宣の正室・瑶林院の追福のために建てられ、2代藩主・光貞に招かれた日順上人が開祖した紀州徳川家の菩提寺・報恩寺。格式を感じさせる塀に囲まれた寺内に、3mもある首だけの大仏が残された無量光寺など、暴れん坊将軍の出身地で、徳川400年の歴史を感じてください。
和歌山駅から和歌山電鐡に乗ってのんびりと貴志駅まで。ローカル線の旅もまた、楽しいものです。貴志駅は、ご存じスーパー駅長「たま」で一躍有名になったところ。今は二代目のニタマ駅長がお出迎えしてくれます。
貴志川線沿いには、見所もたくさんありますので、1日乗り放題となる「1日乗車券(大人720円)」を利用すると便利です。
日前宮駅から徒歩約2分。日前宮(にちぜんぐう)は古くから人々の崇敬を集める神社で、日前神宮と國懸神宮の二社一体の大社。良縁を結び、家内安全のご利益で知られています。
竈山駅から徒歩約13分。竈山神社は神武天皇の長兄にあたる彦五瀬命(ひこいつせのみこと)を祀る社。大和平定の途中で戦傷した彦五瀬命の陵墓もあります。
伊太祈曽駅から徒歩約5分。伊太祈曽神社は、五十猛命(いたけるのみこと)が祭神。木の国神話の社として知られ、林業関係者が多く訪れています。
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天智天皇によって造営された近江大津京。そこでは、倭歌とともに漢詩文がさかんに作られ、かつてない盛況を呈したと伝えられています。
しかし、壬申の乱によって焼失。十数年の後、その地をおとずれた柿本人麻呂によって、 絶唱が手向けられている。人麻呂「近江荒都の歌」の考察を深めながら、 天智天皇が立ち、額田王が思いを寄せた古京の址を踏みしめる一日を、いざ、ともに。
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