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歴史コラム

Presented by 歴史街道推進協議会歴史街道

第33回 世界遺産登録をめざす古市古墳群のまちを訪ねる(大阪府羽曳野市・藤井寺市)

父を想うヤマトタケルの墳墓


白鳥陵古墳

大阪府の南東部、金剛生駒紀泉国定公園を東に望む大和川と石川の合流点の西側に、古市古墳群があります。
羽曳野市と隣接する藤井寺市にまたがる古市古墳群は、前方後円墳、円墳、方墳など、130基あまりから構成され、そのうち、墳丘長200メートル以上の巨大な前方後円墳は7基あり、ここは文字通り大王たちの眠るまち。
古市駅から徒歩約5分。墳丘の長さ190m、後円部の直径106m。水を湛えた濠に浮かぶように佇む美しい前方後円墳は、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の墳墓と言われる白鳥陵古墳(前の山古墳)です。
凶暴な行いから、父である景行天皇から遠ざけられたヤマトタケルノミコト。十分な兵力もなく、九州の熊襲の討伐を命じられた皇子は、叔母である倭比売命からもらった衣装で女装し、見事に熊襲建兄弟を討ち取ります。
大和への帰路、出雲国の支配者である出雲建との太刀合わせによって出雲国をも平定しますが、天皇からは歓迎されず、ふたたび東国の蝦夷討伐を命じられ、父に愛されてないことを嘆きます。
倭比売命から授かった草薙の剣で、荒ぶる神々を平定していきますが、ついに、伊勢の能褒野で亡くなりました。その魂は、「大和に復命できないのだけが心残り」と、白鳥となり、天を翔けていきます。「古市に飛来したヤマトタケルノミコトは、西方に向けて舞い上がり埴生の丘を羽が曳くごとく飛び去った」、羽曳野の地名の由来は、父を想う子のこころをあらわしています。


大王の墓を護る八幡宮

近鉄古市駅から北へ10分程歩いていくと、白い大きな鳥居が見えてきます。日本最古の八幡宮といわれ、571年、第29代欽明天皇の命で応神天皇陵上に祠が設けられたのが始まりと伝わる誉田八幡宮です。
鎌倉時代には源氏の氏神である八幡神を祀る社として信仰されますが、南北朝から戦国期にかけては度重なる兵火によって荒廃。その後、豊臣氏によって社殿が再建されました。拝殿は、豊臣秀頼により再建されましたが、完成前に大坂の陣で豊臣家が滅亡。その後、徳川家光により再建されたと伝えられています。
宝物庫では、源頼朝が奉納したといわれる国宝・塵地螺鈿金銅装神輿など、貴重な文化財を見ることができます。
また、5月8日の夏祭り(藤祭り)には、舞楽が奉納され、9月15日の秋祭りには、国宝の神輿が応神天皇陵に渡御する儀式が行われます。
神社の奥には全長425メートル、体積では日本一の規模をもつ前方後円墳・応神天皇陵の墳丘が広がります。御稜の大きさは、周囲を歩くとその巨大さが実感できます。



誉田八幡宮

応神天皇陵

修羅を飾る資料館


アイシュラホール

近鉄藤井寺駅の南側、藤井寺一番街商店街を入ってすぐ、歴史街道iセンターでもあるまちかど情報館「ゆめぷらざ」で情報を収集し、しばらくいくと古代の木ぞり・修羅と、古代船の埴輪の形を組み合わせた姿をイメージした外観のアイセルシュラホールがあります。修羅とは、重い荷物を乗せて運ぶための古代の木ぞりのこと。1978年(昭和53年)、大阪府教育委員会が、三ツ塚古墳の中の八島塚古墳と中山塚古墳の間の濠の部分の発掘調査を行いました。この調査で、濠の底の部分をさらに1.3mほど掘り下げた所から、大小二つの木製の「修羅(しゅら)」が発見されました。
館内、2階には、旧石器時代から平安時代までの藤井寺の歴史をテーマにした「歴史展示ゾーン」があり、古墳時代をテーマとした展示ゾーンでは、津堂城山古墳出土水鳥形埴輪、西墓山古墳鉄器埋納土壙、土師の里8号墳出土円筒埴輪棺など古市古墳群を語る上で欠かすことのできない実物の考古資料が展示されています。
アイシュラホールから徒歩すぐのところにある仲哀天皇陵は全長242メートル、全国第17位の大きさです。鉢塚古墳、野中宮山古墳、浄元寺山古墳、野中古墳では、墳丘に登ることができ、形や大きさを歩いて確かめることができます。


■周辺の見所
道明寺天満宮
道明寺駅から西へ約2分。道明寺の東に隣接する丘の上、菅原道真公を祀る道明寺天満宮がたっています。もともとは、相撲の祖として知られる野見宿禰が殉死を廃止する埴輪を進言した功によって氏制と土地を賜ったのが、このあたり(土師(はじ))で、土師氏をまつる神社が子孫の菅原道真を祭神に加え、天満宮となったといわれています。
境内には、土師社や和合稲荷社、白太夫社などさまざまな建物が建っていますが、本殿をはじめ、鳥居やそれぞれの社の前に建つ狛犬は表情や材質などそれぞれ特徴があり、特に白太夫社の前の備前焼の狛犬などは一見の価値があります。

道明寺天満宮

道明寺天満宮の狛犬
■羽曳野・藤井寺の観光情報はこちらから
羽曳野市観光協会 http://www.habikino-kk.net/
藤井寺市観光協会 http://www.fujiidera-kanko.info/
■羽曳野市・藤井寺市へのアクセス
羽曳野市 http://www.habikino-kk.net/access
 近鉄南大阪線 大阪阿部野橋駅から約20分

藤井寺市 http://www.fujiidera-kanko.info/access/
 近鉄南大阪線 大阪阿部野橋から約15分
情報提供/歴史街道推進協議会
歴史街道のイベント
歴史街道教育プログラム
「夏休み、家族で「文楽」をみに行こう!!」
7月30日(土)10:30受付 11:00開演(14:40頃 終了)

歴史街道推進協議会では、次代を担う若者や子どもたちに日本の歴史や文化にもっと親しみ、理解を深めてもらうために、歴史街道版「教育プログラム」の企画に取り組んでいます。
7月、国立文楽劇場、大阪市他のご協力で伝統芸能「文楽」を家族で楽しんでいただきます。
歴史街道だけの特別教室も開催。楽しく「文楽」に触れてみてください。

日  時:7月30日(土)10:30受付 11:00開演(14:40頃 終了)
内  容:【五条橋】牛若丸の大活躍!京都の五条橋で弁慶と対決!
     【解説 ぶんらくってなあに】文楽のヒミツをちょっとだけお教えします。
     【新編西遊記 GO WEST! 玉うさぎの涙】
      おなじみ『西遊記』の新作です。三蔵法師一行の孫悟空、猪八戒、沙悟浄、全員登場!
     【歴史街道特別教室】
      いろいろな表情をみせる文楽人形。その動きのしくみや髪の結い方など、特別に
      作業部屋で見学
参 加 費:6,200円(小学生〜高校生と保護者の2名様の料金)
     追加は、大人1名 4,100円 子ども1名 1,900円
定  員:15組
申込・詳しくは http://www.rekishikaido.gr.jp/201607bunraku/

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