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歴史コラム

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第35回 金魚とお城の町・大和郡山の訪ねる(奈良県大和郡山市)

百万石の城下町 大和郡山


郡山城

1300年前の古都・奈良。広大な都、平城京の羅城門があった場所といわれるのが、現在の大和郡山市です。
大和郡山と言えば、戦国時代、筒井順慶が築き、豊臣秀吉の弟、秀長が百万石の城として大増築した郡山城。
「内々の儀は宗易、公儀のことは宰相」と言われるほど、秀吉を影から支えたのが、豊臣秀長(宰相)でした。秀長は、秀吉の弟として尾張で生まれました。秀吉が織田信長の命で中国攻めの総司令官となると、但馬平定の指揮を委ねられます。信長の死後も、山崎、賤ケ岳、小牧・長久手の戦いなど、各地の合戦で兄を助けます。
1548年には、現在の大和郡山市にある郡山城に入り、大和・和泉・紀伊の三国、百万石の城主、従二位権大納言となりました。
秀長は、百万石にふさわしい規模の城郭と、城下町の建設にとりかかります。城郭の建築にあたっては、生駒、春日などの山石はもとより、平城京羅城門の礎石や石仏、墓石など、転用石と呼ぶ石を数多く組み込みました。中には、北面の石垣に逆さに積まれた地蔵もあり「さかさ地蔵」と呼ばれています。
明治時代、城郭は壊されましたが、追手門、東隅櫓、多門櫓などが復元されているほか、内堀と外堀の一部は当時のまま残されています。
桜の名所としても知られる城跡。毘沙門郭跡には、五代続いた藩主・柳澤家からひきつがれた資料や書物を展示する柳澤文庫があります。



石垣に使われた転用石

転用石・逆さ地蔵

城下町の面影を残す町


城下町

大和郡山の町は、今でも郡山城跡を中心に、本町・魚塩町・茶町・奈良町・雑穀町・藺町・堺町・綿町・紺屋町・今井町・豆腐町・柳町・材木町などの町名が残っています。町名をたどりながらの散策は、往時の城下町の雰囲気を楽しむことができます。
紺屋町は豊臣秀長の時代に藍染を職業とする人が集まった職人町で、「郡山藩旧記」による記録では東西209m、町の中心に幅1mの紺屋川が流れ、 かつては13軒もの紺屋があり、染め上げた布や糸がさらされていました。箱本館「紺屋」は、紺屋町にある藍染業を生業にしていた奥野家を改装した施設。藍と金魚が楽しめる空間です。
箱本とは豊臣秀長の時代に成立した、郡山街中の自治組織のことです。地子(土地に対する税金)免除の特権を与えられた内町十三町で始まりました。箱本に課せられた主な任務は、治安維持、消火、伝馬などでした。



紺屋町

箱本館「紺屋」



源九郎稲荷神社

紺屋町でのお楽しみは、『おみやげ処 こちくや』。商品の大部分が金魚をモチーフしたもの。金魚で溢れた店内では、金魚すくい道場が併設されています。柳町には豊臣秀吉が好んで食したと言われる「御城之口餅」で知られる「本家菊家」、そのほか、秀長の菩提寺で、豊臣秀長の肖像画や箱本制度の資料文献が残される春岳院(見学は事前予約が必要)、三大稲荷のひとつで、源義経の生涯を守護したと伝えられる源九郎稲荷神社などの見所があります。


金魚のまちの楽しみ方


金魚田

夏の縁日にはかかせない金魚すくい。大和郡山は、金魚の一大生産地としても知られています。
江戸時代、武士の内職として広められたという金魚の養殖。郡山城から南へいくと、金魚を養殖する金魚田が一面に広がります。
享保9(1724)年に柳澤吉里候が甲斐の国より持ち帰ったのが始まりと言われる金魚養殖は、現在も大和郡山を代表する特産品で、年間6,000万匹の金魚、約2万匹の錦鯉が生産され、生産高は全国シェアの40%を占めています。
郡山金魚資料館では原種から高級金魚、貴重な品種をみることができるほか、金魚の民俗資料、 金魚に関する錦絵と古書も展示されています。また、郡山金魚卸売センターでは、金魚・錦鯉のセリ市が毎週水曜日(冬期を除く)に行われています。 セリ市以外の日は金魚・錦鯉の釣堀にもなっています。


■周辺の見所
松尾寺
市の西端にある厄除け寺としては日本最古のものとして知られています。8世紀、「日本書紀」の無事完成と自らの厄除けを祈願した舎人親王によって創建されたと伝わっています。「厄除け観音」として名高い本尊木造千手観音立像は秘仏。
http://www.matsuodera.com/
■大和郡山市の観光情報はこちらから
大和郡山市観光協会
http://www.yk-kankou.jp/
■大和郡山市へのアクセス
http://www.yk-kankou.jp/
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JR天王寺駅から40分
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