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歴史コラム

Presented by 歴史街道推進協議会歴史街道

第46回 戦国時代を想い福井のまちを訪ねて(福井県福井市)

福井市は、九頭竜、足羽、日野の三大河川によって造られた扇状地である福井平野に位置します。
中世には、市街地の南東にある一乗谷に居を構えた朝倉氏が5代103年間にわたり、越前の国守として広大な地域を支配し、一乗谷は小京都と呼ばれるほどの栄華を極めたと伝えられています。ここは、戦国時代を戦った、さまざまな「人」のドラマと出会えるまちです。

薄幸の美女・お市の方終焉の地


柴田勝家の像

JR北陸本線・福井駅から徒歩約7分。城ノ橋の陸橋の手前にある北の庄城址・柴田公園に入ると、武装姿もりりしい柴田勝家の像が目をひきます。ここは、織田家の家老として戦国時代を戦い抜いた勝家終焉の地です。
一向一揆を壊滅した織田信長は、功労として、越前49万石を勝家に与えました。勝家は北の庄に壮大な天守閣をもつ城郭を築く一方、城下を繁栄させるために一乗谷から社寺や民家を移転させるなど、今日の福井市の基礎を築きました。 勝家が築いた城は、関ヶ原の合戦の功で越前の地を与えられた結城秀康によって取り払われ、残されているのは発掘調査で発見された石垣の下部(根石)のみ。
信長亡き後、信長の妹で絶世の美女といわれるお市の方は三人の娘、茶々・初・江を伴い勝家に嫁ぎます。岐阜の城から近江の国、最初の夫・浅井長政と暮らし、兄によって滅ぼされた小谷城のあたりを通り、北の庄へと向かったお市の方。そのわずか一年後、羽柴(豊臣)秀吉の下風にたつことをよしとしなかった勝家は賤ヶ岳の戦いで破れます。お市の方は、三人の娘を秀吉の陣におくったのち、夫とともに自害、37年の短い人生を終えました。
「さらぬだに うちぬる程も夏の夜の 夢路を誘う ほととぎすかな」
勝家の像と少し離れたところに、やさしくさびしげな微笑みをうかべたお市の方と三人の娘たちの像がたっています。



お市の方の像

二人の間にたつ三人の娘たち

歴史に翻弄された武将


福井城址(福井県庁)

結城秀康の像

福井駅から徒歩約5分。堀と石垣が往時の様子を伝える福井城跡。現在は近代的な県庁の建物へと外観は変わりましたが、今も行政の中心です。近代的な県庁の建物をバックに建つ、ひときわ目を引く勇壮な白い騎馬像は、福井城を築城した結城秀康の像。
秀康は、徳川二代将軍、秀忠の兄であり、優れた軍功をもちながら、将軍にはなれませんでした。
織田信長亡きあと、徳川家康と豊臣秀吉が覇権をめぐり、小牧・長久手で戦った後の講話の際、秀吉の養子となり羽柴秀康と名乗りました。実父である家康は、早々に三男秀忠を後継者に決めますが、秀吉は、実質は人質であった秀康を厚遇。後に、下総の国、鎌倉幕府以来の名門といわれる結城家の養子にし、10万石余りを与えました。
秀吉の没後、関ヶ原の合戦で、秀康は石田三成に味方した上杉景勝や佐竹義宣らの軍勢の進軍を防ぎ、大きな功績をあげました。
その功により、越前68万石を与えられた秀康は、家康の助言も得ながら、かつて柴田勝家の居城があった北ノ庄城の大改修に着手しました。
旧吉野川の川筋を百間堀として利用し、新しく東側に新川(荒川)を掘削。九頭竜川から芝原上水を掘削して城下町の飲料水を確保、城下町の形成をおこなうなど、約6年の歳月をかけて現在の福井市街の骨格をほぼ完成させました。
1607年、34歳という若さで病没しますが、偉大な二人の父の名前をもった彼の功績は、福井のまちに残されています。

街中で福井の歴史に触れる


養浩館庭園

福井城址の周囲は、住宅街や商店街。散策していると、そこ、ここに、福井藩主ゆかりの場所があり、福井の歴史に触れることができます。 城址の北西、福井神社は、幕末期の名君として知られる福井藩主松平春獄公を祀る神社。 北東に位置するのは、福井藩主の別邸で、名勝に指定されている養浩館庭園。江戸時代中期を代表する名園で、春は新緑、秋は紅葉が風雅な屋敷を彩ります。春と秋の週末は、お茶席が設けられます。 養浩館に隣接する福井市立郷土資料館では、越前松平家に伝わる文物等が展示されていますので、是非立ち寄ってみてください。

■周辺の見所
一乗谷朝倉氏遺跡
福井市の南東約10キロ、戦国時代に朝倉氏五代が103年間にわたって越前の国を支配した城下町跡が残され、国の特別史跡・特別名勝に指定されています。
武家屋敷・寺院・町屋・職人屋敷や道路に至るまで町並がほぼ完全な姿で発掘され、往時にタイムスリップしたような気分が味わえます。


■福井市の観光情報はこちらから
福井観光コンベンションビューロー http://www.fukuicity-navi.com/index.php
■アクセス
大阪からJR特急サンダーバードで約2時間
情報提供/歴史街道推進協議会
歴史街道倶楽部・近鉄文化サロン共催講座
「五感で体感!にほん文化シリーズVOL.29
醸造の香りに生きる町 湯浅の歴史と蔵めぐり
平成29年2月26日(日)

「五感」(味覚、嗅覚、視覚、聴覚、触覚)プラス第六感をテーマに、「現地体験」で日本文化の魅力を体感していただきます。
鎌倉時代に伝来した金山寺味噌の製造過程から生まれたといわれる醤油醸造で栄えた湯浅のまち。 醸造業関連の町家や土蔵を代表とする近世から近代にかけての伝統的な建造物が残されている町並みは、全国初の醤油の醸造町として、国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されています。 醤油蔵の見学など、湯浅のまちを五感で体感してください。

日  時:2月26日(日)
募  集:40名(先着順/最少催行人数15名)
費  用:歴史街道倶楽部会員5,400円(税込) 一般7,020円(税込)
     ※現地までの交通費は別途
詳しくは http://www.rekishikaido.gr.jp/club/event/2016/170226gokan29.html

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