1日摂取量の基準:カテキンの摂取量の基準はありません。
機能性成分の代表格であるポリフェノールは、植物の樹皮や果皮などに含まれる渋みや苦みの成分で、約300種位が知られています。その中の1つであるカテキンはタンニンの一種で、緑茶に多く含まれることが有名ですが、渋柿・赤ワインなどの渋み成分として含まれています。カテキンは3-ヒドロキシフラバン構造をも有する化合物の総称で、、カテキン・エピカテキン・エビガロカテキン・ガロカテキンなどの種類があります。
一般によく知られている茶カテキンの働きとしては、抗酸化作用・殺菌作用・抗ガン作用・生活習慣病の予防などがあります。最近の研究で、体内に吸収されたカテキンは肝臓の脂肪代謝機能を高め、体脂肪・内臓脂肪を減らす働きがあることやコレステロールの吸収を抑える働きがあることが明らかにされました。これらの働きを表示した特定保健食品も販売されています。また、強い殺菌力があることから、口臭・虫歯予防、風邪・食中毒の予防などに有効とされています。
カテキン自体の摂取基準はありませんが、体脂肪が気になる人にとうたった特定保健用食品として厚生労働省が適切な量の目安としているのは茶カテキンの量として540mgです。お茶にはカフェインを多く含むものも多く、慢性的に多量に摂取すると中毒症状を引き起こす可能性も考えられます。どんなに体に良い食品も取りすぎると害になる恐れもあるので、適切な量を心がけて継続して摂取するようにしましょう。
緑茶には、湯飲み一杯(120ml)に約80mgの茶カテキンが含まれています。緑茶でもその種類によって含有量が異なり、春の一番茶より二・三番茶の方が多く、また、被覆下で生育した玉露より露天で生育した煎茶に多く含まれます。その他にリンゴ・ナシ・レンコンなどの野菜や果実にも含まれています。
カテキンは水溶性なので、食事中・食後のお茶として摂取することで、その働きを十分に得ることができます。脂肪の蓄積が気になる人は、油っこい料理と一緒にお茶を飲むことがお勧めです。お茶に含まれるカテキンが脂肪吸収を抑制してくれます。また、一般にポリフェノールは即効性がありますが、持続性がないことが知られていますので、こまめに少量ずつ取ることが、作用を持続させます。