クエン酸の摂取基準はありません。
クエン酸は人の体の中にも存在するαヒドロキ酸と呼ばれる有機酸の一種で、エネルギー補給に欠かせない重要な栄養素の一つです。食品の中では 酢やレモンなどのかんきつ類や、梅や桃・イチゴ・メロンなどの果実の酸味成分として含まれています。クエン酸を漢字であらわすと「枸櫞酸」と書き ますが、「枸櫞」は中国語のレモンの一種を表す言葉で、レモンに由来する名称と考えられます。クエン酸は爽快な酸味成分を与えるところから酸味料と しても利用されています。
糖質は体内でブドウ糖に分解されエネルギー源となりますが、使われなかったブドウ糖は乳酸に変化するなど疲労の原因物質になります。クエン酸は 使われなかったブドウ糖を分解してエネルギーに変える働きを持ち、乳酸の生成を抑制したり、乳酸の分解を促進する働きも持ち、疲労回復や体調を維持する 働きがあります。他には、カルシウムやマグネシウムなどの吸収されにくいミネラルと結びついて吸収を高めるキレート効果や、唾液や胃液の分泌を促進して 食欲の増進や肝臓の機能を高めて肝臓病の予防や利尿作用があることも報告されています。
クエン酸の摂りすぎにによる過剰症の報告はありませんが、クエン酸は唾液や胃液の分泌を促進する働きがあることから、胃が荒れているときや胃潰瘍の 症状がある人は症状を悪化させることがあるので注意が必要です。またクエン酸を梅干から摂取するときは、いくつもの梅干を食べると塩分の摂りすぎに なりますので注意しましょう。
レモン・みかん・グレープフルーツなどのかんきつ類、キウイフルーツ、イチゴ、梅干しなどに多く含まれています。食酢は主成分が酢酸ですが、体内で クエン酸としての働きをします。含有量は、レモン1個に約4g含まれます。
クエン酸の疲労回復効果を期待するなら、同じく疲労回復効果を持つビタミンB1を多く含む豚肉や大豆などの豆類などを組み合わせるとより効果的 です。またカルシウムやマグネシウムの吸収をアップさせる効果を持つことから、カルシウムを多く含む牛乳などの乳製品と組み合わせやマグネシウムを 多く含む大豆製品と組み合わせることで骨粗鬆症の予防などに効果が期待できます。