1日摂取量の基準:クルクミンの摂取量の基準はありません。
ショウガ科のウコンの根茎から抽出した黄色の色素成分がクルクミンで、ウコンから作られるスパイスのウコンの黄色の成分でもあります。スパイスのウコンはカレー粉の主成分となっており、ウコンの根茎をゆでて乾燥し皮を除去したものがスパイスとなっています。ウコンの英語名はターメリックで、スパイス名として一般的に使われています。クルクミンはスパイスとして用いられるほかに、のびのよい安全な食品添加物(着色料)として広く用いられています。
ターメリックはインド・中国・日本などでは古くから黄疸や肝臓疾患・胃腸疾患の薬として利用されてきました。これはクルクミンの働きによるところが大きいと考えられます。現代になって、クルクミンは胆汁分泌促進作用が認められていて、強い解毒作用をあわせもち、肝機能の強化や肝臓障害の予防改善に効果があることが報告されています。また、クルクミンは体内で強い抗酸化作用を持つテトラヒドクルクミンにかわることから肺がんなどの予防にも効果があるのではないかと期待されています。
クルクミンの食事での過不足というのは特に報告されていません。ウコンには鉄分が牛レバーと同様に含まれるため、肝炎の患者さんで、鉄分の摂取を控えた方がいい方は長期の摂取で体内に蓄積することなどの弊害が出ることがあるので注意しましょう。食品から摂る場合、クルクミンの吸収率は低く、多くは排出されますが、急性の黄疸や肝硬変、妊娠中の人などの大量摂取は避けるのはいいでしょう。
ターメリック(ウコン)としても販売されていますが、一般的に手に入りやすいのはカレー粉です。もちろんカレー粉を原料としたカレールーやレトルトカレーにも含まれていますが、含有量がカレー粉の方が多いので、カレー粉を利用して調理の方が効率的に摂取できます。
クルクミンは72時間以内に摂取したほとんどが排出され、小腸で吸収されるのはわずかな量という報告があります。小腸では、テトラヒドロクルクミンになり吸収されますが、このとき、パンなどに含まれるイースト菌やヨーグルトに含まれる乳酸菌などを一緒に摂取することで効率的にテトラヒドロクルクミンにかえられるとの報告があり、強い抗酸化作用に期待できます。