春というとまずは「お花見」という吾人は多いことと思います。陽気に誘われ花香を匂い、桜の下でつい羽目を外してしまうのも楽しいもの。「お花見」の由来「お花まつり」は季語でもあり、4月8日はお釈迦様が生まれた日。お誕生日をお祝いする降誕祭が「お花まつり」。お釈迦様が生まれたとき空から甘露の雨が降ったという言い伝えがあります。甘露の雨にあやかって甘茶を注いでお祝いをします。お花見のブルーシートの上でまずお釈迦様への甘茶の献杯から今年辺りはスタートしてみてはいかがでしょう?一年がより健康に過ごせるかもしれません。
「漢書」にまで書かれ今日まで語り継がれる酒の「百薬」ですが、まず飲み過ぎは禁物。また体質的に合わない方は飲酒されない方が良いです。百薬どころか百毒になりかねません。しかし、体質的に合い、飲み過ぎ無い限り酒は漢書が伝えるところの百薬の長。一番の特徴は“アミノ酸”が豊富な点ではないでしょうか。とりわけ食物からしか摂取出来ない必須アミノ酸がバランス良く含まれているところは注目です。仕事で疲れた身体と心を一杯の日本酒が心底解きほぐしてくれたご経験は誰しもがお持ちなのでは無いでしょうか?アミノ酸入りスポーツ飲料が疲労回復にもてはやされる昨今日本酒にも同じ効果があるはずです。アミノ酸効果以外にも抗がん作用、善玉菌増加作用、ストレス解消作用等が具体的な検証結果を伴う日本酒効果が学会や企業・団体から発表され書籍やインターネットで気軽にご確認できますので、お酒好きの方は探してみられてはいかがでしょう。
春の魚というと真っ先に思い出されるのが「真鯛」。桜の時期の真鯛を桜の花のピンク色と掛けて「桜鯛」と呼びます。この時期の真鯛はまさに身体が桜色。なんとも鮮やかなピンク色になり、「桜鯛」とはよく名付けたもんです。身の甘みは最高潮で、まさに愛でて良し食べて良し。桜の時期の魚の王様。いやいや!ちょっと待たれい!やっぱり春は「初ガツオ」でしょう!と物言いも入ります。
かつおの旬は年に二回。春の初ガツオと秋の戻りガツオ。カツオそのものの味は秋の戻りガツオが脂が乗ってなんとも言えず美味いですが、春は脂が少なくさっぱりとした分たたきにするとグッド。かつおに金串を打ち、塩をふって、皮をしっかりあぶった後は身をサッとあぶる。金串を抜いて、出刃できれいに切って、ネギを散らし、柚、焼塩、しょうゆ、しょうが、にんにくでいただく。包丁の背中でトントン叩いて、あとはほうばるだけ。口いっぱいに春の味覚が広がります。さて、あなたは、桜鯛派?それとも初ガツオ派?
春の海の幸の次は、山の幸。春の山の幸というとなにわともあれ「山菜」。山菜は山野に自生する食用植物のこと。多くが春に採れます。なんといっても自生すなわち勝手に生えていることがミソ。一般の野菜は農家が手間ひまかけて育てていますが、山菜は自力で勝手に生える。それだけに自分で生きる力が強く、外的から身を守るためにその味はアクとえぐみが強い。しかし、このアクとえぐみこそが山菜の真骨頂。食すと冬に溜め込んだ老廃物を外へと出そうとしてくれます。冬から春へ身体を山菜で掃除してスッキリと春を迎える。先人よりの食の知恵です。ふきのとうに、たらのめ。うるいにぜんまい、etc…。八百屋さんや市場で売られている山菜だけでなく、山菜図鑑片手に山へ登る。これまた一興です。