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第1回「ペチュニア」

■ペチュニアの栽培

ペチュニアドレスアップシリーズ

 ペチュニアは、タネから育てる実生系と、ポット苗で販売されている栄養系に大別されます。植え付け期は4月~6月が適期になります。開花期は5月~10
月頃まで楽しめます。ペチュニアは花の色、形や草姿もバリエーションが豊富なので、植える場所や楽しみ方、合わせる植物などによって、さまざまな品種を選ぶことができます。

春先より店頭にペチュニアの苗がたくさん並びますが、よい苗を選ぶ時のポイントは、

  • ・病害虫がなく株全体が生き生きしている
  • ・株元がぐらつかず、しっかりしている
  • ・徒長してなく、葉が落葉したり変色したりしていない

 

1.苗の植え付け
軽く鉢底をほぐす

 苗はポットから抜き、根がまわっている場合は底を軽くほぐし、根が鉢底に固くまわっている場合は、底をハサミで十字に切り込みを入れるとよいでしょう。

左:根が固くまわっている

 苗を培養土の入った鉢の中に入れ、高さを調整して置く位置を決めます。苗と苗の間を15cm間隔にしてボリューム感を出します。水はけ、通気性のよい園芸用の培土を使用するのがよいでしょう。

 潅水時のウォータースペース(2cm程度)の余裕を残して、鉢の緑から少し下の位置まで培養土をしっかり入れます。

枝先をピンチ(摘芯)する

 鉢底から水が流れでるまでたっぷり与えます。この時、培養土が沈んで根鉢が露出するようなら培養土を足します。培養土を入れ終わったら、ハサミで枝先を刈り込みます。こうすることで株元からたくさんの枝が出て、こんもりとしまった株に仕上がります。

2.植え付け完了

 

 日当たりと水はけのよい場所を選び、高い湿度で発生する灰色かび病やナメクジに注意しましょう。

3.植え付け後

■水やり

 

 土の表面が乾いてきたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。水やりは「表面が乾いたらやる」のが原則です。根の呼吸作用によって鉢内にたまった二酸化炭素を押し出し、外から新鮮な空気を取り入れる役目もします。高温時の水やりは根を傷めるので避け、日が高くなる前の午前中に与えるか、夕方になって暑さがやわらいでから与えるとよいでしょう。

■肥料

 新芽が伸び始めて生育を始めたら、7~10日に1回、水やり代わりに液肥1000倍希釈液を与えます。追肥のポイントは、

・葉の色が黄色く変色してきたら、肥料切れのサインです。株の生育や花つきが悪くなるので、早急に液肥を施します。
・鉢土がかなり乾いているようなら、まず先に水やりを行い、土が湿った状態になってから液肥を与えるようにします。乾いた土の状態で液肥を与えると、水分を土が吸収してしまい、希釈濃度が濃くなって株が肥料濃度障害を起こすこともあります。草花が必要とするときに必要な量だけ与えることが大切です。

4.開花期

■切り戻し(ピンチ)

開花

切り戻し作業切り戻し後

 植え付けてから開花させるまでに2~3回の切り戻しを行うことで、わき芽の発生を促し、開花時のボリュームが増します。ある程度伸びた茎を鉢の縁付近で切るとよいです。満開を過ぎ、枝が伸びて株の姿が乱れてきたら早めに切り戻します。まだ花が咲いていてもったいないと思いがちですが、あまり茂り過ぎると蒸れの原因になり下葉が枯れ上がってしまいます。

 鉢元から3分の1くらいまで切り戻します。鉢の縁付近の葉腋(葉のつけ根)の少し上にハサミを入れ、わき芽の発生を促します。下葉が枯れ上がってきてから切り戻すと、わき芽が発生しにくくなるので注意。早め早めに切り戻すのがコツです。かなりすっきりするぐらいに切ることで株の姿が乱れず、また全面に花を咲かせるようになります。

ペチュニア サルサシリーズ

■花がら摘み

タネの形成に養分がとられるのを防ぐため、咲き終わった花はタネをつける前に摘み取るようにします。また、灰色かび病の予防にも必要な作業です。草丈が伸びるのを抑え、わき芽を出させて株張りをよくします。花びらだけでなく、その少し下の茎の部分から切り取ります。

※灰色かび病
ほとんどの草花に発生する病気です。梅雨の時期など空気湿度が高いと発病が多くなります。葉の縁から徐々に淡褐色になり、やがて葉が枯れ、多湿時には灰色のかびを多数生じます。若い茎や葉、つぼみ、花弁などやわらかい組織が被害を受けます。対策として降雨時には、軒下などで雨よけをするとよいでしょう。

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