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第2回「パンジー・ビオラ」

パンジー・ビオラはすっかり秋の草花として定着し、10月ごろよりポット栽培の花苗が店頭に並ぶようになりました。品種選びが楽しく、手軽に始められるメリットもありますが、今年はタネまきから挑戦してみてはいかがでしょうか?
一般的には9月ごろがタネまきに適した時期で、12月ごろより開花します。秋から長く花を楽しみたい場合は8月上中旬ごろにタネまきを行いますが、高温下では発芽率が極端に下がるため、温度管理には注意が必要になります。

パンジー ナチュレ系花壇
ビオラ ビビ系寄せ植え

■タネまき

(1)タネまきに用いる土を、前もって水で湿らせておきます。湿り具合の目安は、手で握っても土が固まらない程度です。

(2)セルトレイに均一に用土を詰め、土が平らになるように、板切れなどを使ってならします。

タキイセル培土TM-1
(左)湿らせた土、
(右)湿らせていない土

(3)タネをまく前に指で軽く土を押さえ、浅いくぼみを作ってタネをまきやすくします。

くぼみを作る

(4)1つの穴に2粒程度のタネをまきます。ハガキぐらいの厚紙を二つ折りにして、間にタネを入れて片手で持ち、もう一方の手でトントンと振動させると確実にまけます。

細かいビオラのタネ
タネをまく

(5)タネをまき終わったら、タネが少し隠れるくらいにバーミキュライトで均一に覆土し、目が細かめのジョウロでたっぷり水を与えます。

■タネまき後の管理

発芽するまでは、軒下などの直射日光が当たらず、風通しのよい場所に置いて管理するようにします。約2週間で発芽が揃いますので、間伸びしないように十分日光に当てると同時に間引きします。
葉の色が薄くなりだしたら、肥料が足りない証拠です。液肥(ハイポネックス1000倍程度)を1週間に1回ほど与えます。

セルトレイで育苗中のビオラ
黒寒冷紗などで遮光しながら、風通しをよくする

■移植

(1)本葉が3〜4枚になったら移植の適期です。タネまきから25〜30日程度が目安です。

(2)ピンセットを使うと、苗を痛めることなく抜き取れます。

ピンセットでやさしく
これぐらいが移植の適期

(3)7.5cmもしくは9cmのポットに移植します。用土は草花用の培土(タキイ育苗用培土など)を利用し、ポットに用土を詰め、根鉢と同じくらいの穴をあけます。

タキイ育苗培土
根鉢と同じくらいの穴をあける

(4)穴に苗を差し込み、軽く押さえたら出来上がりです。深植えや浅植えにならないように注意し、苗の土の上にいくぶんポットの用土がかかる程度の深さに植え付けます。その後はしっかり潅水しましょう。

移植完了

■移植後の管理

タネまき後の管理と同じように、葉の色が薄くなるようなら液肥を与えます。順調に生育すれば、移植後ほぼ1カ月でポット内に白い根が回りかけますので、そのころが定植適期です。蕾が大きくなり、花色が確認できるぐらいになっています。

■定植

パンジー・ビオラは日光を好むので、花壇植え、コンテナ植えともに、日当たりのよい場所で楽しむようにします。コンテナ植えに用いる土は、通気性・保水性・排水性のよい土を使うようにします。また、元肥が入っていない土はマグアンプKなどを混ぜ込んでおきましょう。

日当たりのよい場所に定植

根が回りすぎないように早めに定植すると活着がよくなりますが、定植が遅れて根が回ってしまった場合は、軽く根をほぐしてから植え付けます。植え付け後は、たっぷり水を与えましょう。

定植が遅れた場合は、軽く根をほぐしてから植え付ける

■定植後の管理

定植後の管理で大切なのは、追肥・花がら摘み・切り戻しの3点です。

■追肥
液肥なら週1回程度与える

パンジー・ビオラは肥料食いの草花です。安定した状態で肥料が効き続けるように、元肥の他に追肥を欠かさないことが大切です。追肥は速効性の固形肥料を定期的に少量ずつ与えるか、ごく薄い液肥を週1回程度の割合で与え続けるのがよい方法です。

■花がら摘み

咲き終わった花は花がらの基から除去します。これにより、花腐れ病の発生や、タネがつくことによる体力消耗を防ぎます。

花がらは基部から摘み取る
■切り戻し
草姿が乱れたら切り戻す

草姿の乱れた株は刈り込むのが一番。一時、花のない時期を我慢すれば再びまとまりのある新鮮な状態で咲き出します。株元から3分の1〜2分の1の所で思い切ってきり戻しましょう。約3週間で花が見られるようになります。
切り戻し直後は追肥をやや控え、新芽が動き始めたのを確認したら前述の追肥管理をします。

ビオラ ビビ系寄せ植え

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