世界で初めて切り花に向いたひまわり品種は、タキイ種苗が開発した『サンリッチ』シリーズだということをみなさんご存知でしょうか?今でこそ花束やアレンジメントでよく利用されているひまわりですが、以前は見上げる程背が高い大輪の品種しかなく、花粉も多かったため切り花には不向きだと言われていました。
そんなひまわりの歴史を変えたのが、『サンリッチひまわり』です。「太陽がいっぱい」という意味を持つ『サンリッチ』は、一本立ちの切花用品種で、美しい花形で花粉が出ないため花持ちもよく、栽培性にも優れています。1991年に『サンリッチレモン』、翌92年に『サンリッチオレンジ』が発表されて以来、これまでに10品種が発売されており、今や日本だけでなく世界各地で愛され続けています。
今回は、そんな『サンリッチひまわり』の栽培方法をご紹介します。
発芽適温は25℃で3〜4日、15℃以上あれば7〜10日で発芽します。30℃以上になると発芽が鈍るため、夏場は遮光等で地温を下げてください。初期の生育を揃えるため、播種前にはしっかりと潅水をします。直播が適し、12×12cm間隔又は10×10cm間隔で1〜2粒播きます。発芽するまではたっぷりの水が必要です。芽が出るまでは水を切らさないようにしましょう。
☆ポイント☆
種を播く間隔により、花の大きさが変わってきます。間隔を狭くすると小さな花が、間隔を広くすると大きな花が咲きます。
本葉が4~5枚になったころ、隣同士の葉が重なっていたり込み合っていたら、間引きをおこないます。
播種から生育初期にかけては、生育を揃えしっかり根が張るよう、地表面が乾いたらたっぷり水をやります。本葉が4枚以降は生育とともに徐々に量を減らし、蕾が見え始めるころには極力水を控えます。こうすることで、しっかりと硬い茎に仕上がります。
肥料は基本的に不要ですが、葉色が薄くなってきたり黄色くなってきたら、薄めの液肥を与えます。蕾が出てきた後は、液肥を与えないようにします。
☆ポイント☆
生育の後半に必要以上の肥料や水分を与えると、生理障害や奇形花の原因になるので、注意しましょう。
生育の初期からヨトウムシやナメクジによる食害のほか、アブラムシやスリップス、コナジラミ、ハダニ類に注意します。
蕾が見え始めたころに、下葉の黄化が始まり黒斑病、うどんこ病、さび病、べと病などが発生しやすくなるので、定期的に薬剤散布を行い防除した方がよいでしょう。
タイプ | 花色<オレンジ色> | 花色<レモン色> | 花色 <パイン色> |
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花芯<黒> | 花芯<緑> | 花芯<黒> | 花芯<緑> | 花芯<黒> | |
45日 | オレンジ45 | ー | レモン45 | ー | パイン45 |
50日 | オレンジ50 マンゴー50 |
ー | レモン50 | ー | ー |
55日 | オレンジ | フレッシュオレンジ | レモン | フレッシュレモン | ー |
タイプ | 到花日数(日) | 草丈(cm) | 草丈比 | 短日期出荷適性 | 止め葉の大きさ |
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45日 | 45〜50 | 100〜120 | 6 | △〜× | 小 |
50日 | 50〜60 | 130〜140 | 8 | ○〜△ | 中 |
55日 | 55〜70 | 160〜170 | 10 | ○ | やや大 |
※滋賀県 タキイ研究農場5月上旬播種栽培でのデータ一例
(実測値は密植の程度により変わります)
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