チューリップは日本でもっともポピュラーな、春を代表する花の一つです。多くの人が子どものころ、鉢やプランターに球根を植えた経験があるのではないでしょうか?
チューリップは、中央アジアから北アフリカにかけて分布している球根植物で、100種以上の原種が知られています。原種の種類が多く、園芸植物として昔から重要視されていたこともあって、品種改良が進み、さまざまな花色と花形をもつ数千種の園芸品種が作り出されています。
そんなチューリップの植え付け時期がいよいよやって来ました。露地やプランターで上手に育てて、春には元気を届けてくれるチューリップを咲かせてみましょう!
よい花を咲かせる第一歩は、よい球根選びから始まります。芽や根の出る部分が腐ったり傷がついたりしていないか、カビが生えていないかなどチェックし、大きくてかたく重い球根を選びましょう。
店頭で日が当たる場所に置かれているものは避けるようにします。購入してから植え付けるまでに期間がある場合は、乾燥した涼しい場所で管理します。
寒冷地では、本格的な寒さが来るまでに根が張れるよう10月上旬から11月上旬、一般地や暖地では、早く植えると暖かくて腐ってしまうことがあるので10月下旬から12月下旬までに植え付けるとよいでしょう。
植え付け場所は、半日以上日が当たり、風通しがよく、水はけのよい所が適しています。また、冬から春にかけて日が当たる落葉樹の下などでも楽しめます。
あらかじめ腐葉土か堆肥に、苦土石灰、緩効性の化成肥料を入れ、深さ30cm以上耕しておいた場所に、10〜15cmの間隔で球根の3倍の深さに植え付けます。
冬の間、地上部の変化はありませんが、地中では根が活発に動いています。寒い時期でも雨が降らない日が1週間ほど続いたら、水をやります。冬季に水切れを起こすと蕾のまま花が開かなかったり、花茎が伸びずに咲いてしまうので気をつけましょう。
チューリップ開花期は、系統によって早~晩品種にわかれ3~5月になります。
3月下旬〜4月上旬にかけて花を咲かせるグループで、気温がまだ十分に高くないので比較的長期間花を楽しむことができます。
4月中旬に花を咲かせるグループで、公園などの大規模花壇でよく利用されているほか、切り花で利用されるものも含まれています。
4月下旬〜5月上旬に花を咲かせるグループで、花色だけでなく花形の変化に富む品種が多く、比較的草丈も高いので、さまざまに楽しむことができます。
花が終わったら早めに子房ごと摘み取ります。落ちた花弁は病気の原因になることがあるので拾いましょう。そして緩効性肥料を与え、球根を太らせます。葉は球根に養分を蓄えるために必要なので、切り取らないようにしましょう。
葉が黄変したら土が乾いた日に掘り上げます。土を落としてから風通しのよい日陰で乾燥させた後、枯れた茎葉や古い球根を取り除き、網袋に入れて風通しのよい日陰で管理します。
根が十分張れるように、なるべく深い鉢を選び、浅植えで球根の頭が土に隠れるくらいの深さに、球根1個から1個半の間隔で植え付けます。用土は元肥の入った市販の草花用の培養土を用いると便利です。自分でブレンドする場合は、水はけと保水性がよくなるようにし、元肥としてリン酸の多い緩効性の化成肥料を加えましょう。
コンテナの小さな空間でも、組み合わせ方によりさまざまな表情を楽しむことができます。また球根を植えると、芽が出るまでの期間、水やりを忘れてしまうことがあります。これを防ぐためにも、ビオラなどの一年草と組み合わせて植えることをおすすめします。
日当たりのよい場所に置き、年内は寒さに当てるようにします。用土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出すくらいたっぷり水をやります。冬場も忘れないように気をつけましょう。
開花後の管理、堀り上げ、貯蔵に関しては、露地植えを参考にしてください。
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