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第6回「ハボタン」

日本の冬を華やかに彩る代表的な花の一つであるハボタン。お正月飾りとして定番ですが、最近ではいろんな品種やアレンジメントにより、クリスマスなど様々なシーンで見かけることが多くなりました。
一口にハボタンといってもいろんな系統があります。キャベツに似て葉が丸い東京丸葉系、葉の縁が細かく波状に縮れるちりめん系、葉が軽く波打ち、東京丸葉とちりめん系の中間型となる大阪丸葉系、葉に切れ込みが入る切れ葉系など・・・。今回は、草丈が伸び、切花やフラワーアレンジメントに利用できる高性品種の栽培方法をご紹介します。

■タネまきと育苗

タネまきはやや早めの7月中旬に行います。種子は6cmポット、または50穴か72穴のセルトレイに市販の清潔な播種用土を用いてまきます。1ポット(1穴)当たり1〜2粒まきにします。覆土はバーミキュライトなどでタネが隠れる程度に行います。
発芽適温は20〜25℃で、播種後2〜3日で発芽します。発芽が揃ったら生育のよい苗を残し、間引く苗を子葉の下で切り取り1本にします。発芽後は徒長しないように水のやりすぎに注意し、風通しのよい場所で育苗します。

■移植と定植

タネをまいてから約3週間で本葉が3〜4枚になるので、その苗を10〜15cm間隔に定植します。これぐらい密植することで、草丈が伸びやすくなります。定植は日射しの強い日中を避けて行い、茎がまっすぐに立つように植え付けます。子葉を土に埋め込まない程度にやや深植えにし、苗が倒れないように株元の土をよく押さえます。根が活着するまでは、乾かさないように注意します。
 元肥は、比較的即効性のある肥料を用い、チッソ成分で1㎡当たり8〜12gに抑えて施します。葉色や生育が悪い場合は、9月下旬までに追肥を行います。着色を美しくするためにも、10月上旬以降は追肥を控えます。

■定植後の管理

草丈が30cmくらいの時に下半分の葉を手でかき落とし、茎があまり太くならないようにします。この作業を、着色が始まる10月中旬ごろまでに2〜3回繰り返します。10月下旬には草丈が60〜70cmまで生長するので、フラワーネットなどを利用して倒れないようにします。
潅水は、活着までは十分に行い、活着後も畝が乾き始めたらたっぷりと潅水し、茎の伸長を促します。フラワーネットは、伸長に合わせてこまめに上げていき、茎が曲がらないようにします。
茎の太りすぎや、葉がちにならないように草丈が30cmのころから葉かきに入ります。目安としては、草丈の3分の1程度の葉を残し、下部の葉はすべて取り除きます。この時期までに、茎が太く葉が大きくなるようであれば元肥の量が多いと考えられ、早めに葉かきに入り草勢を抑えます。順次生育に合わせて葉かきに入り、茎の太さと伸長を調整します。下葉をかくことで株元の風通しをよくする効果もあります。
逆に草丈が伸びず、株も大きくならない場合は、初期の活着不良、潅水不足、あるいは加湿による根傷みなどが考えられます。十分な潅水および液肥による追肥も生育に応じて必要になります。

ハボタンを使ったクリスマス向けのアレンジ。洋風でも相性はバッチリです。
~こんな作り方もあります~
【小作りハボタン】
矮化剤を使用せず、プランターで楽しめるサイズに仕立てることもできます。
まず、第1図の育苗方法で苗を作り、9cmポットに苗を移植します。その後、9月上旬ごろに12cmポットへ鉢上げします。肥料は控えめにして、用土1ℓ当たりマグアンプK3g程度を混ぜて使います。管理上では、過湿にならないように作るのがポイントで、夕方の潅水は極力控えます。鉢上げ後、ポットの下から根を出すと大型になるので、直接地面に触れないように管理します。10月下旬ぐらいには着色してくるので、プランターや花壇などに植え付けます。
ミニ栽培を応用すると、こんなにかわいいブーケや寄せ植えが楽しめます。

■高性種葉牡丹おすすめラインアップ

F1ルシールミックス
F1ルシールバニラ
F1ルシールワイン
F1初紅
F1ウィンターチェリー
F1晴姿
切花向高性葉牡丹

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