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第8回「アスター」

アスターは別名エゾギクとも呼ばれ、原産は中国で古くからよく知られている草花です。日本では主に夏の切花、特に仏花として多く利用されています。花色や花型が豊富で、ご家庭の花壇や鉢植えに使うととても美しく映えます。また、種まきの時期をずらすと長期間花が楽しめます。
草姿はポンポン咲き、平弁半八重咲き、平弁抱え咲き、中輪、大輪などさまざまで、花色も白、桃、紅赤、紫、青色、さらに中心部が白や黄色の鮮やかな蛇の目状になるものなど、多くの種類があります。

■タネまきの前に・・・

アスターは連作を嫌う代表的な草花です。これは、一度栽培すると各種病害が土地に残るためで、一度栽培してから少なくとも5年間は作れないといわれています。そのため家庭の花壇などに植える時も、連作に注意して栽培する必要があります。
日当たりと風通しのよいやや冷涼な環境を好み、高温多湿が苦手です。そのため、本来は春まきの一年草とされていますが、関東以西の暖地では秋(10月)まきにして初夏に花を楽しむことができます。冷涼な地域では、春(3〜4月)まきで、夏の花として利用します。
水はけのよい腐植質が多めの肥沃な土壌を好み、特に土質は選びませんが、酸性土を嫌うので、あらかじめ苦土石灰などを入れて酸度調整をしておきます(pH6.0〜7.0)。
細い根が用土の浅い部分に張るので、過湿だけでなく乾燥も苦手です。水やりには十分な注意が必要で、土の表面が乾いたら早めに水やりをするようにします。
元肥として緩効性の化成肥料を与えるほか、生育に合わせて追肥を与えるようにします。

■タネまき


アスターの発芽苗

20〜30株以内の苗を作る場合にはポットを利用し、それ以上のたくさんの苗を作る場合にはセルトレイを利用しましょう。花壇へ直接タネをまく場合には、川砂にタネを混ぜてまくようにするとよいでしょう。

〜ポットまき〜

9cmのビニールポットにたねまき培土を入れ、2〜3粒ずつタネをまきます。タネが見えなくなる程度に覆土し、明るい半日陰に置いて、目の細かいハス口を使って静かに水やりをします。

〜セルトレイまき〜

128〜200穴のセルトレイにセル用の培養土を入れ、タネを2〜3粒ずつまきます。置き場所はポットの時と同じように、明るい半日陰に置きます。

■苗の育て方

発芽が揃ったら、日当たりのよい場所に移動させて管理します。本葉が伸び出しはじめたら、生育のよい苗を1本だけ残して間引きます。セルトレイの苗も同様に1本だけ残して間引き、本葉が2〜3枚になったら9cmポットに植え替え、肥料切れを起こさないように、週に1
回液肥を追肥として与えていきます。
本葉が6枚以上になり、ポットの中に根が回ったら花壇に植え付けられますが、暖地でも0℃以下の日が続くような地域では、南向きの軒下やベランダなど暖かい場所で冬越しをさせ、遅霜の心配がなくなってから花壇などに植えつけます。

■その後の管理

定植後は十分潅水して、しっかり活着させます。また、チッソ過多になると茎葉が軟弱になり、水上げが悪くなるので注意しましょう。
草丈が20cmになったころ、株元から少し離して追肥し、除草を兼ねて土寄せを行います。アスターが倒れないようフラワーネットを張り、生育に応じて徐々に上げていきましょう。

■病害虫対策

病気は萎凋病、立枯病に注意します。連作を避けると共に、酸性土壌は石灰資材で改良し、極端な乾燥または過湿地は避けます。
アブラムシ類、ハモグリバエ類、ハダニ類、茎に食入するメイガ類、葉や花を食害するヨトウムシ類などの害虫被害がみられるので、発生初期に防除しましょう。

■作型表

■品種紹介


ネネシリーズ
花色が鮮明な中早生系の極小輪咲き(2〜3cm)。(写真は一重咲き)

ナナシリーズ
アレンジメントに最適な花径4cm前後の小輪タイプ。人気の半八重咲き。

ポンポン混合
花径3cm程度のポンポン咲き。マリ形に盛り上がって咲く。

プリンセス混合
大輪吹詰咲きの高性種。分枝が多く多花性で、花壇にも適する。

彗星
大輪ポンポン咲きの高性種で、濃赤色に中心が白蛇の目。

紅花火
くれない系の改良種で早咲きタイプ。緋紅色の中輪花。

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