日本では昔から夏場に涼を取る方法が色々取られていました。もちろん現在のような電気を使うエアコンはありませんので、自然の中でいかに涼を取るかが考えられました。代表的なものとして「すだれ」「よしず」「打ち水」「風鈴」「浴衣」など五感から涼しさを得る努力を重ねてきました。エネルギーを使わないエコな生活を送っていたといえるでしょう。
2011年3月に起こった東日本大震災の影響により電力不足が深刻となり、大幅な節電でエアコンなど使わずに暑さにどう対処するのか問題になりました。節電対策として扇風機が飛ぶように売れましたが、電気を使わずに自然な方法で涼がとれないかと考えられた中で、注目を集めたのが「緑のカーテン」でした。植物を利用することで環境にもやさしい方法です。また学校や公共施設でも、省エネや食育を目的として数年前から活発に取り組まれています。地域ぐるみで「緑のカーテン」を推奨している所も多くあります。
「緑のカーテン」は、ニガウリや朝顔などに代表される「つる性植物」を窓の外側や窓際に植えて、支柱やネットにつるを這わせて葉を茂らすことで直射日光を防ぐというものです。「すだれ」や「よしず」「カーテン」といった役割ですが、その他にも植物ならではの温度を下げる効果があります。
などが期待できます。
熱を遮る力はすだれで40~60%、緑のカーテンで80%。夏の日差しで植物の表面温度は50℃ほどになりますが、蒸散作用により太陽側の葉の表面温度が40℃、日陰の部分では約29℃。同じ窓辺でも緑のカーテンのある所では30℃、ない所では40℃を超えます。一番肝心なのは「体感温度」で、外部からの熱を防ぐことにより、気温は仮に30℃でも「涼しい」と感じる環境をつくることができます。また緑のある風景は、感覚的にも「涼しい」印象を受けることができます。
緑を育てることで、趣味として栽培する楽しみや花を愛でる楽しみが味わえ、心が穏やかになる(セラピー) 効果も期待できます。ニガウリなど野菜であれば食べる楽しみにつながり、子供がいる家庭では食育にもなります。「緑のカーテン」によってまさにベランダで、野菜などを栽培して楽しむ「ベランダ農業」を実践していることになります。
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