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華やかで高貴な存在感 奥深いユリの世界を楽しむ


凛とした風情のすっきりした草姿、優雅な花容で私たちを魅了してくれるユリ。

ユリの分類と特徴

 ユリの園芸品種は、現在、英国王立園芸協会で9つの分類に沿って登録されています。

オリエンタルハイブリッドやアジアティックハイブリッドなどの交配種の品種群とそれらの原種、そして原種の変種群に分類されます。

アジアティック・ハイブリッド
 スカシユリやコオニユリ、アカヒメユリなどアジア原産のユリが交配されてできたもので、花色は黄色やオレンジ色が主体です。しかし近年は、濁りのない中間色のものも登場し、色幅が広くなってきています。
マルタゴン・ハイブリッド
 タケシマユリ、マルタゴンリリーなどの交配種で、花びらが反り返る中輪の花が下向きにたくさん咲いて、シャンデリアのような姿になります。花色は黄やオレンジ、紫、赤色など多様です。
キャンディダム・ハイブリッド
 マドンナリリーなど、ヨーロッパ原産のユリ(マルタゴンリリーを除く)が交配されて作られたユリの一群です。
アメリカン・ハイブリッド
 アメリカ原産のユリを中心とした交配種で、花の咲き方や花色など外見的にはマルタゴン・ハイブリッドに似ています。
ロンギフロラム・ハイブリッド
 テッポウユリとタカサゴユリの交配種です。
トランペット・ハイブリッド
 中国産のユリを中心とした交配種で、花はラッパ形のものが多く、黄色を主体として紫色を含んだパステルカラーや白色などの多彩な花色が特徴です。この中でもキカノコユリとリリウム・サージェンティアエの雑種をもとに交配が繰り返されて生まれた系統を「オーレリアン・ハイブリッド」と呼びます。
オリエンタル・ハイブリッド
 ヤマユリやサクユリ、カノコユリなどを交配して作られた系統です。1980年代に入り、純白で大輪の”カサブランカ”や、中間色のピンクが美しい”ル・レーブ”が発表されると、豪華な花を咲かせるオリエンタル・ハイブリッドは世界的に人気が高まり、切り花用としてはもちろん、庭園用植物としての地位も確立されました。カノコユリの血を受け継いで病気に強いことも特長の一つです。

前記以外のハイブリッド
 前記のいずれの区分にも属さないハイブリッドで、主なものとして、次の系統が挙げられます。OT系(オリエンタル・ハイブリッドとトランペット・ハイブリッドの交配種)は、オリエンタル系でなし得なかった花びら全体が黄色のユリを作り出すことを目的とした系統で、近年発表されて人気のある”コンカドール”や”ベセノ”などがあります。

LA系(ロンギフロラム・ハイブリッドとアジアティック・ハイブリッドの交配種)、LO系(ロンギフロラム・ハイブリッドとオリエンタル・ハイブリッドの交配種)ともにテッポウユリの花形を生かしながら、白以外の花色を開発することを目的とした系統です。LO系の”プリンスプロミス”、”乙女の姿”など、淡いピンクのテッポウユリ型の花に人気があります。LO系「プリンスプロミス」/OT系「コンカドール」

原種およびその変種
 北半球の亜熱帯から亜寒帯(フィリピンを南限としたアジア、ヨーロッパ、北アメリカ)に分布・自生している約100種のユリとその変種からなる一群です。そのほとんどが、純粋な野生の姿そのままのユリであるため、品種改良を重ねた交配種と違い、シンプルな美しさを持っています。ただし、栽培することが難しいものもあり、特に日本産のオトメユリやササユリ、ヒマラヤ産のウコンユリなど冷涼な環境を好むものは、関東以西の平地で育てることは難しいようです。

オランダ・キューケンホフ公園のリリーパレード

現在、世界一のユリ球根生産国であるオランダでは、球根生産に加えて品種の改良も盛んに行われています。毎年5月に、キューケンホフ公園の室内展示場でユリの展示会「リリーパレード」が開催され、多くの新しい品種がお披露目されます。チューリップの展示で世界的に有名な公園ですが、同時期にユリの展示会も催されているのです。展示場内に所狭しと飾られた豪華なユリはまさに衝撃的で、会場内に立ち込めた強い芳香もなかなかに刺激的ですが、それよりも「こんなにも華やかな花があるのか」と、ただただ驚くばかりです。その中でも、オリエンタルハイブリッドの大輪で色鮮やかな花の存在感は際立っていて、それこそ圧倒されます。

さっそく作ってみよう!

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