1日摂取量の基準:目標量 成人:50以上70未満%エネルギー
炭水化物とは正確には糖質と食物繊維を合わせたものの総称で、ここでは主に糖質について述べています。食物繊維については別項を設けますのでそちらを参照してください。近年、糖質ゼロやカロリーゼロといった商品が出回っていますが、これは体に吸収されにくい糖質や砂糖の数百倍の甘さを持つ人工甘味料を使って作られたもので、甘味はあるけれどエネルギーにはなりにくい性質を利用したものなのです。
糖質は主にエネルギー源として利用され、1gあたり約4kcalのエネルギーとなります。他の栄養素と比べて、燃焼が早く利用されやすいのが特徴で、運動(特に短時間で激しい運動)時によく利用されます。また脳では血中の糖質(ブドウ糖)が唯一のエネルギー源となります。一部はアミノ酸の合成に利用され体の構成要素となります。
脳にとっての唯一のエネルギー源であるため、不足すると集中力が低下します。極度にブドウ糖が不足すると意識障害などが起こる場合もありますが、通常こういった場合は体内に蓄えられた物質からブドウ糖が生み出されるので、まず心配はいりません。一方、過剰摂取された糖質は脂肪に変わり体に蓄積されます。また、糖尿病や脂質代謝異常のリスクも高くなります。
ご飯やパン・麺類などの穀類、イモ類、果物、砂糖類。砂糖は吸収が早く速効性はありますが、摂り過ぎは血糖値の急激な上昇をきたし、糖尿病や低血糖症の危険性を高めます。食事としては吸収が緩やかな穀類・イモ類での摂取を心がけましょう。
スパゲッティー100g 中華めん(蒸)1玉180g そば1玉240g 干しそうめん80g うどん1玉240g(ゆで) ごはん160g 食パン1枚60g さつまいも小1本100g りんご小1個160g |
72.2g 69.1g 62.4g 58.2g 51.8g 59.4g 28.0g 31.5g 23.4g |
糖質の代謝にはビタミンB1が必要です。ビタミンB1は豚肉や玄米などに多く含まれる栄養素です。白米が主食である日本人にとっては特に不足しがちです。糖質は十分に摂っているはずなのに何となく力が出なくて…という時は、ビタミンB1を意識してみましょう。先にも述べましたが、お菓子やジュースを食事代わりにするのはもってのほか。穀類・イモ類をしっかりと摂りましょう。