1日摂取量の基準:ジンゲロールの摂取基準はありません。
おろしショウガなど生のショウガを口にしたときに感じるピリッとした辛さののとなっている成分の1つがジンゲロールです。生のショウガの辛味の成分として最も多く含まれています。トウガラシの辛味成分のカプサイシンと同じく油に溶ける性質を持ち、メトキシフェノール類に属します。ショウガにはこの他にショウガオールやジンゲロンといった辛味成分が含まれていますが、化学構造式が似ていることから、総称してジンゲロールということもあります。
ショウガは薬味として広く使われます。これは辛味成分であるジンゲロールが強い殺菌力を持つことから食中毒の予防や、胃液の分泌を促進して消化吸収を助ける働きを持つためです。また、新陳代謝を活発にして発汗作用や体を温める作用があることから、冷え取り作用が期待されます。これは生のショウガより乾燥したり加熱したショウガにより効果が強くあらわれるという報告があります。加熱や乾燥によりジンゲロールの一部がより体を温める効果のあるショウガオールに変化することによると考えられています。
ショウガの通常の使用量での使用は安全ですが、一度に大量のショウガを摂取すると、腹部の不快感・胸やけや下痢などを起こすことも報告されています。一日の使用量としては生のショウガ一かけ(10g)、薬味としての使用は小さじ1杯程度を目安にするといいでしょう。また、ショウガは刺激の強い食品ですから胃腸の弱い人やショウガにアレルギーを持つ人は特に注意が必要です。
主な食品はショウガです。ショウガ類には葉ショウガ・芽ショウガ・根ショウガなどが出回っていますが、ジンゲロールが多く含まれるのは根ショウガの2年以上たつひねショウガ(スーパーなどで一般に(土)ショウガとして販売されているもの)に多く含まれています。
ショウガはよく洗って皮ごとすりおろすとより香りがたつとともにジンゲロールも効率的に摂取できます。ショウガは加熱することで、ショウガオールに変化するので、冷え症予防を考えると加熱して摂ると効果アップが期待できます。ショウガ湯にしたり温かい紅茶などに加えるなどして温めて飲むこと、加熱調理する料理に使うなどがお勧めです。乾燥したショウガにも体を温める効果が期待できるという報告もあるので、薄切りにして天日干しして使用することもお勧めです。