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第12回「ジャガイモづくりのワンポイント」

■ジャガイモの種類


キタアカリ

 近年、家庭菜園で人気があるのがジャガイモです。昔は「男爵」や「メークイン」など品種が限られていましたが、品種改良が進み赤色や紫色などの品種も出回るようになってきました。また栽培にさほど手間がかからず保存もきくので重宝する作物です。
 よく知られている通り南米のアンデス山系が原産地で、たくさん種類が今でも栽培されており、冷涼な気候と水はけのよい土壌を好みます。各地の試験場において次々と新しい品種が育成されているので、これらを栽培して食べ比べるのも家庭菜園の醍醐味です。
 ジャガイモは栄養価にすぐれており、欧米では小麦と並んで主食に位置づけられています。ご飯に比べると約半分のカロリーで、食物繊維も多く美容食としても最適です。

■栽培におすすめのジャガイモの品種


インカのめざめ


アンデス赤

 家庭菜園でおすすめの品種は、ホクホクとした食感で、ビタミンCが豊富な「キタアカリ」、栗に似た風味をもち、肉質は濃黄色で調理後も鮮明な色を保つ「インカのめざめ」、赤皮で舌ざわりが滑らか、甘くてサラダなどに向きたくさん収穫できる「アンデス赤」になります。

■ジャガイモ栽培のワンポイント

 ジャガイモはアルカリ性の土壌だと、イモの表面にかさぶた状の病班ができる「そうか病」にかかりやすくなるので、石灰を多く施用しないようにしましょう。
 種イモは、Mサイズ以上のものは1切片が40〜50g程度の大きさになるように、縦に切り分けます。切り分けたイモは2〜3日風通しのよい日陰で乾かすか、草木灰や「じゃがいもシリカ」を切り口につけて、植え付け後の腐敗を予防します。
 植え付けは晩霜の20〜30日前に行い、平地では3月中旬ころが目安になります。株間は30cm程度、種イモが腐るのを防ぐため、切り口を下に向けて7〜8cmの深さに植え付けます。
 植え付け後、芽が出てきたら「芽かき」を行います。大きめの芽を2〜3本程度残して、ほかの芽は根元からかき取ります。種イモの上に茎が伸び、その少し上からストロン(ほふく枝)がでて、その先に新しいイモが出来ます。したがって土寄せをしないとイモが大きくならないばかりか、直接日光に当たってしまい緑色のイモになってしまいます。芽かき時に5cm度、地上部(草丈)が30cmぐらいの大きさになった時に、さらに10〜15cm程度の土寄せを行なうようにしましょう。
 イモ類の中では生育が短期決戦タイプになり、80~100日で収穫できます。

(タキイ種苗 広報出版部 奥本和夫)

種イモの植え付けと培土①芽かき時 ②地上部が30cmぐらいの時に、2回土寄せをする。種イモが腐るのを防ぐため、切り口を下に向けて7〜8cmの深さに植え付けます。

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