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第5回「ニガウリづくりのワンポイント」

■「緑のカーテン」といえばニガウリ


島さんご

 地球温暖化が進む中、夏につる性植物で日陰を作り部屋の温度を下げる「緑のカーテン」が広まっています。今年は、節電対策で「緑のカーテン」が注目をあびており、各地でその栽培を見ることができます。その代表的なものが、東南アジア原産で暑さに強いニガウリになります。日本では沖縄や鹿児島で多く栽培されており、温度が高くてもすくすく育ち、下の葉が枯れにくいので日陰の効果が大きいのが特徴です。
 ニガウリ独特の苦味はモモルディシンという成分で、胃の調子をよくしたり食欲を増進する効果が知られています。ビタミンCも多く含まれますが、加熱してもほとんど失われません。沖縄料理である「ゴーヤーチャンプル」は、ビタミンを効率よく吸収できる料理です。

■栽培におすすめのニガウリの品種


さつま大長れいし


白れいし

 品種は、草勢が強く短太タイプでたくさん収穫できる『島さんご』、生育が旺盛で独特の苦味と果実が30cmぐらいの長さになる『さつま大長れいし』、色の珍しい白いタイプで、苦味が少なく料理の幅が広い『白れいし』がおすすめです。

■ニガウリ栽培のワンポイント

 タネからまく場合は、発芽適温が25〜30℃と高温が必要になります。温度が低いと発芽に時間がかかり、土の中でタネが腐ってしまうこともあります。また、タネの皮が硬くて厚いので、先端を爪切りで少しだけカットし、一昼夜水に浸してからまくと発芽しやすくなります。
 植えつけたあとは、本葉5〜6枚で親づるの先端を切り取って(摘心)、子づるを4〜5本を伸ばすようにします。ニガウリは温度が上がってくると生育旺盛になり、どんどんつるが伸びてきますが、あまりつるが混みあうと雌花に光があたらず、うまく受粉できません。混みあった場所は、適度につるを切って光が入るようにしてあげるとよいでしょう。
 ニガウリは丈夫で育てやすい野菜ですが、注意したいのは水やりです。ニガウリは葉が多く、葉も薄いため水分が少ないとすぐにしおれてしまいます。根からたくさんの水分を吸収するので、こまめに水やりをやらないと果実の肥大が悪くなったり、葉が焼けてしまいます。プランターで育てる場合は、なるべく大きな容量ものを使い夏場でも水分を保持できるようにしましょう。梅雨明け後は、蒸散作用が活発になるので朝と夕方の2回水やりが必要になります。

(タキイ種苗 広報出版部 奥本和夫)

「ニガウリの整枝」・・・子づる4〜5本を伸ばす

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