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第23回「ネギづくりのワンポイント」

■ネギの種類


九条太葱

 東日本では根深ネギ、西日本では葉ネギがよく使われています。もともと耕土が深く、冬の寒さがきびしい所に根深ネギが、温暖で耕土が浅い所で葉ネギが栽培されていました。現在では、どちらもスーパーなどで手軽に手に入りますが、根深ネギは何回も根の部分に土寄せを行なう必要があり、土が軽い関東や東北など黒ボク土や海岸に近い砂質土壌の場所で栽培されています。
 京都は古くから文化の中心地であったので、“京野菜”と呼ばれる伝統野菜が多いですが、葉ネギを代表する「九条ネギ」もその一つです。古くからその生産が記録されており、名前の通り九条付近が栽培の中心地であったことから九条ネギの名前が生まれました。
九条ネギには、大きく「太葱」と「細葱」に分化しています。「太葱」は葉が長く濃緑で、根の部分に近い白い部分が比較的長く、5〜6本に分けつします。「細葱」は、葉が淡緑で分けつは5〜10本と多く、葉は太葱より短いですが収量が多いのが特長です。また、葉色から太葱を「黒種(くろだね)」、細葱を「浅黄種(あさぎたね)」と呼びます。

■栽培におすすめのネギの品種


小春


ホワイトスター

 家庭菜園でおすすめの品種は、前述の通り西日本を中心に広く栽培されている葉ネギ「九条太葱」、年中栽培可能で葉がやわらかく、風味にすぐれる小〜中ネギに最適な「小春」、肉質がやわらかくて、辛みの少ないおいしい一本ネギ「ホワイトスター」があります。

■ネギ栽培のワンポイント

 栽培しやすいのは「小ネギ」で、適期だと約2カ月程度で収穫できます。プランターでも簡単に栽培できるので、薬味がちょっと欲しい時には重宝します。栽培のコツは、1cm間隔ですじまきし、発芽するまで水分を切らさないようにします。発芽後は、葉先枯れをおこしやすい過湿や乾燥に注意し、10日に1回程度液肥を与えると順調に生育します。
 西日本で栽培の多い「九条太葱」は、まず育苗を行い苗床で1cm間隔のすじまきをします。約2カ月程度で20〜30cmの草丈になりますが、根ごと掘り取り畑に定植します。3~4本ずつに束ねて、15〜20cm間隔で植え付けます。
 元肥は効き目の穏やかな有機質肥料を使うとよいでしょう。肥料が効きすぎると病気が多くなり、食味が悪くなるので注意が必要です。生育の途中で葉の色が薄くなるようであれば、液体肥料を利用して養分を補います。草丈が60〜70cmになれば収穫しますが、特に冬に食べる九条太葱は、甘みがあり鍋やすき焼きなどに最適です。

(タキイ種苗 広報出版部 奥本和夫)

小ネギのプランター栽培1cm間隔で、2条ですじまきします。葉が込み合ったら徐々に間引き、10日に1回程度液肥を施します。必要に応じて収穫します。根元を残して刈り取ればふたたび若い芽が伸び、2〜3回収穫が可能です。プランターで身近に栽培しておくと重宝します。

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